咆哮
俺たちが発見したエムズ、超巨大ドラゴンの情報は瞬く間に全世界に知れ渡った。
しかし俺たちが発見したということは知らされず、隣国の特務機関が発見したことになっていた。
隣国政府も当初は混乱を招くと伏せていたようだが、どこからか情報が漏れ世界中へと広がっていった。
名前はヒュージリザードと呼ばれるようになった。
伝説のドラゴンなどの名前が名付けられると思われていたが、それだと勝てないのではないかと人々を不安にさせるということから只のデカイトカゲという意味で名付けられたそうだ。
人はそれを略してヒュージと呼んでいた。
人々は絶望するものだと思っていたが、そうではなかった。コイツを倒せば永きに渡るエムズとの戦いに終止符が打てると歓喜したのだ。
だが結果、すぐに人々は絶望することになる。
各国の連合艦隊がヒュージ討伐に出撃。
数百発もの核弾頭ミサイルをヒュージに向けて断続的に発射した。
しかしヒュージは口から巨大で強力なレーザー光線を放つとその全てを破壊し、さらに連合艦隊を壊滅させてしまった。
ヒュージが地球圏に到着するまでそれほど時間はない。
もし地球までやってきてあんな物を連発された日には、宇宙に浮かぶステラガーデンはことごとく破壊され、地球もただでは済まない。
各国政府は次なる作戦に入ったと発表し人々を安心させようとしていたが、エリカさんの話では決定的な解決策は見つかっていないだろうとのことだった。
「エリカさん、何とかする方法はないんですかね?」
「あるにはあるよ」
エリカさんの部屋で、ニュースを見ながら俺たちは話していた。
ニュースは連日ヒュージのことで持ちきりだ。
「えっ? あるんですか?」
「そりゃあね。でも、それは私にはどうすることできない」
「その方法ってなんなんですか?」
「あのレーザー光線。発生源はヒュージの口からだった。そのことからブレスって呼ばれてるけど、ようは大砲の弾と一緒、砲身の向いている方、つまり口の向いている方向にしか飛んでこない。つまり全方位からの一斉攻撃しかない」
「じゃあそれをやれば」
「そう簡単にはいかないよ。ヤツはミサイルの接近に感づいてブレスで撃ち落とした。約一万キロ離れた場所からマッハ20以上の速度で飛んでくるミサイルをだ。感知能力は極めて高いと考えられる。そうなるとヤツに気付かれずに接近し、気づかれてブレスを撃たれてもかわせる力が必要になる。つまりヒュージの全方向から高機動の人型兵器で接近し攻撃するしかない」
「じゃあそうすれば、、、」
「それをするのは軍隊の仕事だよ。私のような1民間の研究者のやることじゃない。それに各国の軍隊も、もうその方向で動いているはずだ」
「それなら上手くいくんですね?」
「上手く行けばいいけどね」
そうエリカさんが言ったところでドアを叩く音が聞こえた。
ドアは開いたままだ。
アイラさんがドアの前に立ちドタを叩いていた。
「エリカ、お客さんだよ」
「誰?」
「星川だ」
「ふーん」
つまらなそうにそう言うと、エリカさんは立ち上がった。




