エムズ
人は宇宙にステラガーデンと呼ばれる宇宙都市を建造した。
当初は一基のステラガーデンを各国が共同して建てたが、その後は各国がそれぞれステラガーデンを保有するようになった。
人々は宇宙に国境のない世界を求めたが、結局宇宙にも国境は生まれた。
それから百年が経とうとしたある日、奴らはやってきた。
奴らはエムズと呼ばれ、世界を一変させた。
大気圏、宇宙空間でも生存できる奴らは、機械のような生き物のような、謎の存在だった。
生きた機械というのが、わかりやすいのかもしれない。
どこで生まれたのか。
どうやって生まれたのか。
何を食べて生きているのか。
コミュニケーションはとっているのか。
何が目的なのか。
そもそも何かを考えているのか。
まったくの謎であるエムズたちは、開拓中であった火星の基地を破壊すると地球圏へと飛来、次々とステラガーデンを破壊し始めた。
各国は協力してエムズの対策に当たったが、足並みはなかなか揃わず、各国が各々の国の保有するステラガーデンを守るという形になっていった。
世界各国も、徐々に軍事技術を発達させエムズに対抗できるようなり、被害を最小限に抑えられるようにはなったが、根本的な解決策は見い出せないまま50年という月日が流れた。