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カエルの子  作者: おしぼり
13/34

目覚め

「大丈夫だよ」


 ベンチに座りうなだれる俺の肩をアイラさんは抱きかかえてくる。

 アイラさんはそうするのが好きみたいだ。


「はい、、、」


 と、小さく返事をしてアイラさんの顔を見る。

 目尻が潤んでいて今にも泣き出しそうである。


「俺がもっとしっかりしていれば」

「アンタのせいじゃないさ、タッド。トーカだってそう思ってるさ」


 慰めてくれてはいるが、アイラさんの声にいつものような元気さはない。

 それもそうだ。

 俺なんかより、アイラさんの方がトーカさんとの関係は全然長い。


「それに、エリカがなんとかするって言ったんだ。あいつがそう言った時は、なんとかする奴さ」


 そう、俺は、虫の息だったトーカさんを連れてガーデンのドッグへと戻った。

 戻る途中で俺はアイラさんに連絡を入れていた。

 ドッグで待っていたアイラさんと、アイラさんの呼んだガーデンの医師はトーカさんの状態を見て首を横に振った。

 だがそこで一人、首を縦に振った人物がいた。アイラさんの連絡を受けてドッグに来ていたエリカさんだった。

 俺はエリカさんの指示の下、トーカさんを連れてとある建物へとやってきた。

 その中で、一緒についてきたアイラさんと二人で待っているという状態だ。

 エリカさんがトーカさんを連れて奥へと入っていってからかなりの時間がたった。

 ただ、実際に過ぎた時間よりももっと長い時間が過ぎた気がした。


「お医者さんもダメだって言ってたんですよ? 本当に大丈夫なんでしょうか」

「きっと大丈夫さ。そういやあれは何年前だったか、私たちがもっと若かったころ、、、」


 アイラさんが昔話し始めたところで、俺たちの座っていたベンチの前の扉がようやく開いた。

 部屋から出てきたエリカさんの表情は、逆光でよく見えない。奥の部屋が明るく、俺たちのいた廊下が薄暗いせいだ。

 さらに近づいて来てそこでやっと表情が見える。

 彼女はニヤリと笑った。


「成功だ」

「本当ですか!?」

「よかったね、タッド!」


 アイラさんは驚く俺の頭を抱きしめ喜ぶ。

 二つの大きな胸が顔を覆い少し苦しいが、そんなことよりトーカさんが死なずにすんだことが何よりも嬉しい。


「で、トーカさんは?」

「奥で眠っているよ。もうすぐ起きると思う。おいで」

「はい!」


 俺とアイラさんは立ち上がり部屋の中へと入る。

 そして、驚きのあまり言葉を失う。


「どうした? 二人とも。そんな顔をして」

「どうしたも何も、これはいったい、、、」


 そう、手術室か何かを想像していた。そして部屋の真ん中で横たわるトーカさんの姿を想像していた。

 でも違った。

 目の前に広がるのは巨大な倉庫のような場所。言うなればギャラクシオのような人型兵器のドッグだ。

 そしてそこには見慣れない機体が横たわっていた。

 その機体はゆっくりと目を開ける。そして手を上げ、手のひらを見つめていた。

 

「動いた? 誰か乗っているんですか? ひょっとして、トーカさん?」

「え? その声、タッド?」


 機体から声が聞こえる。やはりトーカさんの声だ。


「トーカさん。やっぱり無事だったんですね? でもなんでそんな中に?」


 その機体はこちらの方を見る。


「タッド。アイラにエリカも。みんなどうしたの? なんでそんなに小さいの?」

「エリカさん、いったい、、、」

「あぁ、トーカのことなんだがな。やはりあのままでは死んでしまって助けられなかった」

「そんな」

「だから、開発中の新型機に頭脳を載せてみた」

「え?」

「は?」

「どうゆう?」


 俺とアイラさんとトーカさん? の疑問の声が上がる。


「だからトーカ、それがアンタの新しい体だ」


 俺とアイラさんとトーカさんの三人は顔を見合わせる。


「「「えぇぇぇぇぇ!!」」」


 そして三人の声がドッグの中に響き渡った。


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