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第八話:異変

それから程なくして期待に満ち溢れた気持ちで朝食を済ませた愛華。


“ずっと望んでいた普通の世界”


全身で噛み締めて実感する、心が満たされていく。


急いで制服に着替え鞄に教科書を詰め込み準備を済ませ愛華は家を飛び出した。


いつもと変わらない風景がそこにあるはずだった・・・が・・・?


「あんなの・・・私作ったかな・・・?」


歩いていると異様なものがたくさん目に入ってきた。


宙に浮く謎の小さな球体、あちらこちらを飛び回り目のような模様がついている。

キョロキョロと辺りを見渡すように縦横無尽に飛んでいる。


愛華にはあんなものを作った記憶は一切なかった。


「気持ち悪い・・・なに、あれ・・・。」


それ避けるようにしながら学校へと向かう。

しかし、まるでそれが当たり前のようにすれ違う人々は全く反応を示していない。

異様な光景に違和感を覚えながらも愛華はただ歩く。


その後10分ほど歩き、間もなく学校!という地点でまた新たな違和感が愛華を襲った。


“また作った覚えのない”ものが視界に飛び込んできたのだ。


それはそれは大きな“城”


「・・・・・なにあれ、すごおい・・・・」


初めて見る巨大な城に愛華は目を奪われ立ち止まる。

その時だった。


《泉愛華様、申し訳ございません話忘れたことがあります。》


久方ぶりのナビゲーター、不意の問いかけに愛華の体はビクッと跳ね上がる。


「は、はいどうされました!?」


《街中を飛んでいる目と、泉愛華様が現在見つめているお城についてでございます。

 あの目はカイナ様、先ほども説明しました通りこの世界の王が飛ばしている監視の目だと思ってください。あの目に映っているものは全てカイナ様に届き、それを見てカイナ様が管理を行っております。》


「警察みたいなものってことですか・・・?」


《はい、旧世界で言えばそれが一番分かりやすい回答かと思われます。続きまして、あのお城です。あのお城はカイナ様が住んでいるお城になります。近付いてみようなどとは努々思ってはなりません。》


ゴクリと生唾を飲み込む愛華は聞いてみた。


「も、もし・・・近づいたら・・・?」


《・・・待っているのは確実な死です。》


ニコッと笑う愛華の頬にはツーっと冷や汗が流れる。


「あっ、そうだ待ってください!お聞きしたいことがあります!」


突然何かに気づいたように聞く。


《・・・・はい、何でしょう。》


「この世界の人達って生きているんですか?」


《えーと・・・・》


ナビゲーターは言葉が詰まる。


「だって、私の理想の世界として作り上げた世界なんですよね?だとしたらこの世界にいるのって・・・」


《その限りではございません》


「本当の人もいる・・・ってことですか?」


《申し訳ございません、この世界の根幹に関わる内容は禁則事項になっております。》


「きんそくじこー・・・?」


《ですが恐らく泉愛華様にとってその答えの一つとなろうものがこの先の“学校”という場所で待っています。

 ですからどうぞ、迷わずにお進みください・・・それでは私はこれで。》


ナビゲーターは逃げるように消えた。


「行ってみようか・・・学校・・・。」


そして始まる異世界での学校生活!

ナビゲーターのいうその答えの一つとは一体!?

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