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第二十一話:嘲笑

騒動を見ていた野次馬たちは愛華の力にその場から逃げ出した。

町の中に乾いた風が吹き抜ける・・・

倒れ動けない翔一・・・愛華はその場に立ち尽くす。


「・・・・・」


自らが消した・・・いや自らが殺した人間達の顔が脳に焼き付き離れない。


《仕方なかった》 《正当防衛だ》 《翔一を守るため》 《殺られる前に殺るしかない》


言い訳はいくらでも思い付いた


それでもどんな理由があろうと“殺し”が正当化される訳がない


「望月家は・・・私は・・・幸せの世界で・・・翔一・・・翔一?」


その時、愛華は地面にうつ伏せに転がる翔一の存在を思い出す。


「翔一!!!」


すぐに抱き起こす愛華。


「・・・・よ・・・よぉ・・・ごめ・・・んな・・・。」


か弱い声で翔一は愛華に声をかけた。


「俺が・・・弱いばっかりに・・・迷惑かけた・・・な・・・。」

「いいの、いいの翔一・・・大丈夫だから・・・すぐカイナ様のところに戻ろう・・・。」


そういうと、愛華は翔一を必死に自分よりも重い翔一を背に乗せ歩き出す。

来た道とは言え“来た”というよりカイナの力によって飛ばされてきた二人は飛んできた道筋を思い出しながら戻る。


それから何時間が経っただろうか?


何とか重い足取りながら必死に城まで戻ってきた二人ではあったが愛華は城に辿り着いた瞬間倒れた。



「ん・・・・?」


気が付くと自分の身体は謎の球体の中にあった。


「な、何だこれ!?つーかここどこ・・・!?」


【黙れ小僧、治療中だ大人しくしていろ。】


どこからか突如聞こえた声はカイナの声であった。

しかし明らかにこの声色からは“怒り”を感じる。

姿は見えない。


【お前が不甲斐ないばかりに望月愛華は精神に重大なダメージを負ってしまったぞ?ただ突っ込んでいけばどうにかなるとでも思ったのか?バカが・・・お前、このままでは望月愛華の足を引っ張るばかり・・・可哀想に・・・おい、どうするつもりだ?口だけは達者なガキが。】


翔一は何も言い返すことが出来ない、出来る筈もない・・・事実だ。


心地よい謎の球体の中が更に翔一の心を締め付ける。


【彩紅町を捨てるか?自分たちには無理でしたと・・・素直にそういっておけ、楽になるぞ。】


「いえ・・・やります・・・やれます・・・!」


翔一がそういった瞬間、翔一を包んでいた球体は粉々に激しく砕け散った。


【何がやります!?何がやれます!?何の力も何の能力もない何の成果も挙げていない小僧が図に乗るな!!】


「彩紅町は・・・私達が“二人”で何とかしますよ・・・カイナ様・・・!」


そこに現れたのは真っ青な顔の愛華だった。


【・・・全くガキというのはいつも無責任な自信に満ち溢れているな・・・ならば今後どうするつもりだ?お前達の言う“殺さず”というのはこの町だけでも不可能だということが分かっただろう?言ってみろ、どうする。】


「それでもやはり・・・私は・・・極力殺さず・・・お話をして解決できればと・・・。」


【何の躊躇いもなく4人も殺した奴がよくそんなことを言うものだな、仮にも医者の家系のお前が。そんな甘い世界じゃないことを知れ・・・。お前達は強くならなければならない。殺さずともあいつらを制圧できる強さを・・・それが一番の近道だ・・・最もわたくしはそれが面倒であの町ばかりに割く時間もないから全体を見渡し管理できるオープスというものを作ったのだがな・・・。】


「私達が強くなる・・・!」

「俺が・・・?」


【何度でも負けて経験を積め、学べ・・・そして強くなれ・・・気の遠くなる話だな、弱いお前達には・・・。】


「そっか・・・オープスって・・・そういう意味で作られたんだ・・・あの代わりになるって大変なことだ・・・!」

「愛華、どうする・・・今回ばかりは大変そうだぞ・・・。」

「それでも、その先に彩紅町の平穏があるんじゃないかな・・・?」

「やる・・・か?」


愛華は笑った


「もちろん!!」


【呆れるほど前しか見えてない奴らだ・・・まぁいい、やるならやってみせよ!!ダメージを受けたらお前達には翔一がさっき使っていた回復ドームを使うといい、常にここにある。死にさえしていなければ入っていれば回復するはずだ、行って来い。】


ドームの力で回復した翔一、そして愛華は再び歩いて彩紅町へと向かう・・・。

次はいったいどうなってしまうのか!?



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