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プロローグ:望月家

それはそれは小さな田舎町・・・


周囲には見渡す限りの広大な田園風景。


この町の人々は皆が知り合いのような関係でそう、まるで皆が一つの家族のように支えっていた。


そんな町の中に一つ、“望月”という有名な家系があった。


“望月”はこの町の中では唯一ある医者の家系、その腕は皆が認める腕前であった。


どんな病気も“望月医院に行けば治る”と言われるほどに・・・。


しかし、望月家が町の皆と関わることは一切、誰一人なかった。


まるで我々町の住民と“私たち望月違うのだ”と言うように。


そうしているうちに“望月”は医療の腕は確かだが人との関係を構築できない家系だと言われるようになった。


もう何代目になるのだろうか、未だ途切れることのない“望月一族”は医者を作り続けている。


そして今も、望月には一人医者になる将来が約束された小学6年生の11歳の女の子がいる・・・。


名は望月愛華。


彼女もまた・・・望月の呪いに翻弄される一人・・・・。


これは彼女の人生の物語。


定められた運命に抗いたい愛華は選ぶ自分の道とは?

第一話 望月愛華の一生



・・・私の一生は決まっている。

お父様お母様の言う通りに生き、医者となりただ敷かれたレールの上を歩く・・・それが私の人生。

いや・・・それが望月家に生まれた者の宿命・・・とでも言うのでしょうか?

ちょっと大人っぽく言ってみましたがどうですか?合ってます?合ってたらうれしいな!


あっ!初めまして、通学路で通学中に突然謎に上空を見上げ話しています、望月愛華といいます。

今日はいい天気なのでずっとこうしたいですが他の子どもたちの視線も気になるので

ここから先は歩きながら話します。

万一先生にでも伝わって家に連絡でも入れられたら

それこそ“望月”に何を言われるかわかりません。


突然ですが皆さんには夢・・・ありますか?

私にはあります、それはお医者さんになることではありません。

私の夢はYouTuberになること、漫画家になること、ケーキ屋さん・・・

保育園の先生にもなりたいです。

たくさんあってまだまだ決められたものではありません、えへへ・・・。


ですが、私の夢が叶うことはないのです。

立派なお医者様になるためだけに生き、この町で医者として望月家を名を汚さぬように生きる。

それが最大の親孝行であり、望月家のためだよとずっと昔から教えられてきました。


でもそんなのっておかしくないですか?私は私のやりたいことをして生きたいです。

ずっとそう思ってきました、私も・・・私の小学5年生の弟、陸斗も・・・。


友達だって欲しいのに、みんな私から去っていきます。


小さい頃に一度だけ聞いたことがあります。

当時幼稚園で友達だった結衣ちゃんと遊んでいたら、結衣ちゃんのママが言ったんです。

「望月の子とは関わっちゃいけない、危ないよ」って・・・。


望月一族はこの町で医者として長らく活躍してきたと家では学ばされましたが

家で学んだことと外で学んだことは大きく違いを感じています。

だから私は望月は嫌われているのだと思います。


それを証明するように、お父様もお母様もほとんど家から出ることはなく

町の人たちとの接触は全くありません。

私にも「町の人間は馬鹿ばかりで関わる必要はない、立派な医者になるには無意味なことだ」

と教わっています。

私はこういうところがダメなんだと思います。


今も私は学校ではしっかり勉強、家に帰ってもひたすら勉強・・・そんな日々です。

正直な話、望月なんかに生まれなければ普通に生きて普通に暮らせたんだと思うとちょっと悲しくなります。


私だって友達と遊びたいし可愛いお洋服だって欲しいし・・・ゲームだってしてみたい。


ですが、全部全部無意味なことだと否定され続ける生活に疲れてしまいました。

私の人生って一体何なのでしょうか・・・?


まぁ唯一の救いといえばこの通学路・・・でしょうか。

学校でも家でも居場所のない私の、唯一誰からの監視も外れる場所です。

だからこうしてちょっと無駄なことを考えたり羽を伸ばしたり出来るのです。

ほんの十数分のじかんですが、ないよりはいいです。


あーあ、私の人生どーにもならないのかなあ~・・・


あ、こうしてお話をしているとあっという間に学校に到着してしまいました。


今日もお勉強頑張りますね!



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