第46話 勝つために
本話、少し長めになっております。
途中で切りたくなかったもので、御容赦下さい。
承前
ノーラと父親のノルベルトは村長に案内されてその家に入り、一番大きな部屋である食堂で村長と向かい合った椅子に座った。
周りには十人ほどの村人がありったけの椅子を出して取り囲む。
その中にはケンも加わっている。
最初は寒かった部屋も、人々が帯びた熱であっという間に暖められていき、息苦しいくらいになった。
村長が二人に話し合いの結果を告げる。
「我々は、一丸となって戦うことにしました。代官の要求はあまりにも理不尽です。我々は我々の生活を守るために、そしてハンナのような子供たちを守るために戦います。ノーラさん、あなたのおっしゃるように、戦うということは厳しくつらいことだと思います。それを覚悟して戦います。戦いたいと手を挙げた者も20人以上おります。最終的にはその中から戦いに臨むものを選びます。三か月後、次に代官が来るまで、全員で力を合わせて戦う準備をします」
村長は一度言葉を切って村人たちを見回し、ケンと目を合わせてうなずき、そしてノーラたちに頭を下げた。
「ノーラさん、私たちにあなたのお知恵を売ってください。勝つ方法を教えてください」
ノーラは二、三度、息を深く吸って呼吸を整え、ゆっくりと頷いた。
「わかりました。戦いに勝つ方法、つまり、勝つ可能性をできるだけ上げるために行うべき準備についてお話します。ですが、まずその前に、勝つとはどういうことかをはっきりさせておきたいと思います」
「勝つとはどういうことか? おっしゃりたいことが良くわからないのですが」
村長が首を捻りながら尋ねる。
「そうですね。戦いに勝つ。そう言えば、自分たちが受けた損害よりも大きな打撃を相手に与えた、とか考えがちですよね。でも今の場合は、それだけでは意味がないと思います。はっきりさせたいのは、戦いの結果として皆さんが求める成果は何だろうか、ということです」
「そういう意味では、契約を守って畑に対する税率を元のままにする、ということですが」
「本当にそれだけで良いのですか? もしそうならば、私が領主であれば、畑の地租はそのままにして、森林税、森の木を一本伐るたびに50ダランとかを徴収する税を新設します」
「それはずるいやり方だぞ」
村人の一人が強い口調で口を挟むが、ノーラは動じない。
笑みを浮かべながらそちらを向いて答える。
「そうですね。でも、地租の契約を守ることだけが皆さんの要求なら、それには沿っています。領内で何に税を掛けるかは、領主の裁量です」
「それは困る」
「ええ、ですから、新たな税を創設しない、というのも皆さんの要求の中に必要な事ですよね。他にはありませんか?」
「ああ、おっしゃりたいことが分かってきました。代官の横暴を止めさせる、ということも必要です」
ノーラの話が腑に落ち始めたのか、問いに村長が頷きながら答えた。
「そうですね。お話からすると、今の代官は暴力を揮うのを好む性格のようです。そうすると、領主が暴力を禁じても、止めようとはしないかもしれません」
「あいつならあり得るな」
村人たちも頷き始める。
「であれば、代官を取り除かねばなりません。代官の交代を要求し、後任にも横暴を認めないことが必要ですね」
「その通りです」
「つまり、税全体を一度元通りにし、新税や増税は妥当な理由があり村が受け入れられる範囲のものとする。代官を粗暴でない者に交代させる。ということですね」
「そうですね。そうなります」
ノーラは村長の答えに大きく首を縦に振り、一息入れると話を続けた。
「では次に、それを実現させる方法を考えましょう」
「そのために戦うのでは?」
「ええ、戦いに勝つことは、その助けにはなるでしょう。ですが、一回の勝利では不十分でしょう」
「そうでしょうか」
「領主が、辺鄙な村に一回負けたからと言って引き下がると思いますか? もし最初に負けたら、貴族としての面目を守るために、次は全力で勝ちに来るでしょう。それでも負けたら、国への反乱が起きたと王都に泣きついて、国軍の力を借りるかもしれません。戦いだけで要求を実現するためには、それらにも勝ち続けなければなりません」
「それは無理だ。それに、俺たちは国に反乱したいわけじゃない」
あまりの話の大きさに村人たちはざわつき、一人が慌てて反対した。
ノーラは相変わらずの調子で続ける。
「それはそうでしょう。でも、戦いだけで要求を実現しようとすれば、そうなるでしょう」
「つまり、別の解決方法を同時に捜せ、ということか?」
「はい。調停してくれる味方、悪くても中立の第三者を探すべきです」
「す、すまん。良くわからん。悪いが、具体的に言ってくれないか?」
話の思わぬ成り行きに、別の一人が割って入って尋ねた。
ノーラは落ち着いて答える。
「国王陛下への直訴はお考えになりましたか?」
「そんなことができるのか?」
「俺は聞いた事がある。領主に対する不満がある場合に、王都の訴訟方に訴状を提出することができるらしいが」
「ああ、俺もそういうやり方があることは知っている。だが実際には貴族の肩を持つことが殆どで、仮に領民の言い分が通っても領主の恨みを買って、後々仕返しをされるだけだそうだぞ。どうなんだ、ノーラさん」
「ええ、そうですね。それに、訴訟方の実務責任者はピオニル子爵の現在の寄り親であるシェルケン侯爵派閥です。そこで握りつぶされる可能性も高いです」
「だったら、ますます意味がないんじゃないか?」
「貴族対庶民であれば、そうでしょう。ですが、貴族対貴族となれば、貴族の肩を持つことはできません」
「は? どういうことだ?」
「他の貴族に、その訴状を国王陛下に届けていただくのです。そうすれば、握りつぶされることもなくなります。国王陛下の裁きに逆らって仕返しをすれば、陛下とその貴族の怒りを買い、領主自身が危うくなります」
「それはそうだが、そんな物好きな貴族はいないだろう」
「そうですか? それが自分の利益になると考えれば、喜んでそうするのではないでしょうか」
「どういうことなんだ……」
村人が首を捻りだしたのを見て、ノーラは微笑みながらヒントを出す。
「例えば、シェルケン侯爵と異なる派閥の貴族であればどうでしょうか?」
「……」
「ピオニル子爵は街道の関税を不相応なまでに上げています。そのことにより、被害を受ける領の領主であればどうでしょうか?」
「……クリーゲブルグ辺境伯様か?」
「そうですね。どなたか、辺境伯様への繋がりのある方はおられませんか? 直接でなくても、どんなにか細い糸でも構いません」
「ある。俺は、父の葬儀で辺境伯様に声を掛けてもらったことがある」
立ち上がって勢い込んで大声を出したのはケンだ。
皆が一斉にケンを見る。
「お父上の?」
ノーラが訝し気に、ケンと村長を交互に見た。
「俺は村長の養子なんだ。実の父は辺境伯領の代官をしていた。今は兄の代になっている。少なくとも、話を聞いていただくことはできると思う」
「そうですか。わかりました。では、辺境伯様への働きかけについては、後で詳しく話をすることにしましょう。これで、目標がはっきりしましたね。辺境伯様を動かして国王陛下に訴えて、皆さんに有利な裁定を得る。それまでの間、領主からの不当な要求や暴力に対して、自衛のために戦いをもって応じる。つまり、守る戦いです。この前提で、戦いの準備のお話をしましょう。いいですね?」
ノーラが一度言葉を切って呼吸を整えるのを見計らって、村長が穏やかに話し掛けた。
「ノーラさん、もしよければ、普段の言葉でお話しいただいて結構ですよ。恐らく御商売用の話し方をしてくださっているのでしょうが、もう我々は貴女のお話を買いました。今更、代価を払わないとは言いませんので。我々にとっては、生死を分けることになります。言葉遣いに気を割かれるよりも、話の中身の方が大事です」
「わかったわ。みなさんもそのように」
「わかりました」「おう」「わかった」
村人たちも頷いた。
もう全員がすっかりノーラの言葉に引き込まれており、誰も彼も、わからないことは遠慮なく尋ねようと身を乗り出している。
ノーラも熱を込めて話を再開した。
「戦いに向けて準備しなければならないものは、人、装備、場所、それから情報ね」
「金は?」
「もちろん必要。でも、お金は今まで挙げたものを準備するために必要で、戦いに直接使うわけじゃないわ」
「なるほど」
「現時点で相手とこちらを比べると、人と装備は圧倒的に不利。相手の兵は戦いのプロ。装備も専用のものを持ってるわ。だから残りの場所と情報で優位に立ち、人と装備もできるだけ差を詰める。これが準備期間の二か月間にするべきことよ」
「二か月? 代官は三か月後にまた来る、と言ってたんだが」
「契約を守らず暴力を揮うような代官が、口約束を守ると考える理由はある?」
「そりゃあ……無いな」
「一方で、あまり早く来るとも思えないわ」
「なぜです」
「こういっては失礼だけど、この村の税が、領全体で占める割合はとても小さいでしょう。そうすると、代官は他に実入りの大きい所を搾り取りに行くのを優先する。それが一段落するまで、本気では来ないと予想できるわ。口先であっても三か月と言ったんだから、二か月までは『まだ意見が揃わない』と言われても反論しにくいし」
「わかりました」
「二か月で一応の準備を終え、残りの時間は細部を磨くことね」
「ちょっと待ってください。言っていただいたこと全ては憶えられないと思います。ケン、メモを取ってくれ。できるだけ詳しく」
村長の指示に、ケンは「わかった」と応えて紙とペンを取りに立った。
「ノーラさん、戦いの指揮はケンが執ります」
「見た所、まだ若いけど、大丈夫?」
「できることならマーシーが指揮を取れれば良いのでしょうが、三か月で戦えるようになるまで回復するかは難しそうです。ケンは若いが、先頭に立って戦うことができるとマーシーも認めています。それに、ノーラさんも戦いに関わるには若いですよ。ケンと同じぐらいでしょうか」
「確かにそうかも。わかったわ」
「ケン、準備はいいか?」
「ああ」
「では、ノーラさん、続きをお願いします」
ノーラは念のためケンを見て、頷きが帰って来るのを確認してから話を始めた。
「まず、情報。一つには、相手の事を知ること。いつ、何人で、どのような装備で来るか。様子見で来るか、いきなり本気で来るか。決着を急ぐ事情があるか。これらを調べる。もちろん、相手には覚られずに。ケンさん、次に行っていい?」
「ああ」
「もう一つは、これは他の何より大事なこと。それはこちらの事を相手に知られないこと。こちらが戦うつもりだと知られたら、相手は二か月どころか、今すぐにでもやってきてしまう。そうなると戦うどころじゃない。だから、大人も子供も含めて全員が秘密を絶対に守ること。秘密を理解できない小さな子供たちには、秘密を知らせないこと。それから、いつもと村の様子が違うとかに、外部の人間に気付かせないこと。村と外部の普段の行き来は、どのくらいあるかしら?」
「こちらからは、麓のフーシュ村に売り買いに行く程度ですが、冬場は殆どありません。週に一人か二人程度です」
「それは同じように続けて。商品も変えないように」
「戦いに必要なものは買わなくていいのか?」
「そんなことをしたら、すぐに露見しちゃう。この村で作れるもので何とかするの。外部から来る人は?」
「代官を別にすれば、殆どありませんが、ああ、一か月に一度、フーシュ村から教会の司祭が来ます。普段は私が司祭の代役として礼拝の真似事をするのですが、その時だけはきちんと行います。それ以外はありません。行商人も、来るのは秋ですね。お二人が来られたのが、久々の来訪者です。途中の道を見てもおわかりの事と思います」
ノーラは頷いた。確かに道には雪が積もりっぱなしで、代官達の馬のもの以外は足跡が無く、滅多に人が通らないであろうことは見て取れた。
「では、司祭が来る際にはみんな自然に振る舞うように。普段の礼拝で練習しても良いわね。それから、不意の来訪者に備えて、道の途中に見張りを立てること。それとわからぬように、木を切るとかの作業をしながら。来訪者があった時、準備が整う前に代官や手の者が万一様子を見に来た時に、隠すもの、隠さないものも決めておく。もう一度言うけど、戦う準備をしていることを、代官には絶対に知られない様に。これが一番大事。わかるわよね」
「おう」「わかった」「そうだな」
全員が一斉に答える。顔を見合わせて頷き合う者達もいる。
それを確かめてから村長が尋ねた。
「相手の事を知るのは、どのようにすればいいのでしょうか?」
「そちらは、二か月後に始めれば良いわね。領都に人を忍ばせて、領主の館の様子を窺って。もし相手が出兵するつもりでも、衛兵の出兵の準備はそれなりに物々しく目立つもの。無理に聞き回らなくても観察していればわかるわ。領都はそれなりに人口が多いので、二人ぐらいであれば変に思われずに済むでしょう。麓の村にも人を出したいかも知れないけど、そちらは目立つ恐れが強いので止めた方が良いと思う。普段の世間話の中で領都の様子を聞くのに留めておくべきね」
「フーシュ村の村長は、信頼できる男です。村長同士で話をすることもできますが」
「普段通りの話ならいいけど、こちらの事情を話すのは止めるべき。戦う準備をしていることを覚られたら、代官に注進される恐れが強いわ」
「彼はそんな男ではありません。村人の事を大事にする良い男です」
「その村の人にとっては、良い男かもしれない。でも、あなた方にとっては、別でしょう。その村も、代官に無理難題を言われている可能性が高いのでは?」
「それはそうかも知れませんが」
「あなた方を売ることによって自分の村を少しでも守れるなら、躊躇しないかもしれない」
「そんなことは……」
村長が考え込むのを見て、ノーラは静かに諭した。
「村長さん、貴方はどうかしら? ここにいる皆さんを守るためなら、何でもする、人を殺すと覚悟したのでは?」
「それはそうですが」
「フーシュ村の村長も、同じような覚悟をしていたら?」
「それは、わかりません」
「だとしたら、危ない橋を渡るべきではないと思う」
「……わかりました」
「何か聞かれたら、『どうしたらいいかわからない。みんな困っている』で通すべきね」
「そうします」
村長が納得すると、ノーラはにっこり笑って言葉の調子を戻した。
「次は場所。これは指揮官、ケンさんは良く聞いてね」
「『ケン』でいい。どこで戦うか、か」
「それだけじゃないの。その場所を、こちらに有利なように整えることも必要よ」
「どういうことだ?」
「戦う場所は、峠の上り坂が最適」
「上り坂? フォンドー峠の下り坂のことか?」
「あら、ごめんなさい。こちらから見たら、確かに下り坂ね。ええ、そう。もし人や装備が互角なら、有利に戦える場所が峠より下の方にも何か所かあったけど、実際には不利だから、峠、フォンドー峠? あそこで戦うべき」
「ああ、それは俺にもわかる。高低差を活かすんだな」
「そう。それから道幅の狭さも。戦術の方針として、峠への坂を登り切らせない、これに尽きると思う。登り切られて近距離での戦いになると、練度、戦いへの慣れの差が出て勝てなくなる。何としても登らせない。そのための準備をするの」
「わかった。俺も色々考えてみる。よろしく頼む」
「じゃあ、次は装備」
「剣や鎧を買う金は村にはありませんが……」
「構わないわ。できることをするしかないので。まず、剣は既にあるものだけでいいわ。さっきも言ったように、峠を登らせない戦いをするのよ。武器はそのためのものを作るの。具体的には、弓矢と槍。槍と言っても、相手を突き殺すだけが目的じゃない。むしろ、突き落としたり、足元をすくうために使えるように。村に鍛冶屋は?」
「ああ、俺がそうだ。普段作る刃物は斧とか鎌、鋸、それに包丁とかだが。鍬や鋤とかの農具も作る。一応、剣を作る心得もあるが、最近は作ってないな。皆の家から鍋だの何だのの鉄を集めて矢じりや槍の穂先を作るのか?」
「そんな事をしたら、生活が立ち行かないわ。父さん、いいよね?」
「ああ。我々の荷物に鉄屑がかなりの量あります。それをお使いください」
「それは助かるが、良いのか?」
「もちろん、タダとは言いません。今回は初めから、顔つなぎの御挨拶として格安でお譲りするつもりできましたので。村全体で買い取っていただくということで、お値段については後ほど村長さんと相談させてください」
「わかりました」
村長が答えるのを聞いて、鍛冶屋のシュミットがノーラへの質問を続けた。
「じゃあ、それで、矢と槍を作ればいいのか?」
「ええ。弓が得意な人はいる?」
「獣を追い払うのに使うからな。みんな一応使えるが、得意なのは、狩りが上手い者二、三人だな」
「では、矢じりはその人たちが使う分を。槍は、できれば戦う人数分、少なくとも10本。穂先だけでなく、石突の部分も。坂から突き落とすのはそちらの方が使いやすいかもね。足りない人には六尺棒。長めの方が良いので、7フィートぐらい」
「わかった。そっちはホルツの担当だな。相談して作る」
「それから、鏨」
「鏨?」
「大槌の代わりに、大きな鏨を六尺棒の先につけたものを、鎧対策として二、三本」
「ああ、なるほど」
「それから、普通の鏨」
「それは何本か持ってるが、何に使うんだ?」
「この地を拓くときに、石や岩を沢山掘り出したんじゃないかと思うの。それはどこに?」
「まとめて岩地に捨ててあるが、まさか……」
「そのまさか。急坂でのお約束よ」
ノーラが悪い顔をして、にやっと笑う。
ケンもそれを見て、同じように笑った。
「ノーラさん、俺にもわかって来た。霞が晴れてきた思いだ。お蔭で戦い方、戦術ってやつか? それが見えて来た」
「それは結構ね、ケン。じゃあ、最後に人。武器を作っても、人がそれをうまく使えなければ無意味」
「ちょっといいか? 傭兵を雇っちまったらどうだ? マーシーの伝手が使えんじゃないか?」
「秘密裏にできるのであれば。傭兵ギルドへの依頼にせよ、自由依頼にせよ、相手の傭兵に断られた時に、どうやって秘密を守らせるの?」
「……無理だな。一度話したが最後、どうやっても洩れちまいそうだ。相手次第の一か八かになっちまう」
「それに、傭兵はとてもお高い。領主相手に戦える人数をずっと雇い続けられるぐらいなら、そもそも増税を楽々と受け入れられるはずね」
「そりゃあそうだった。つまらん提案をしてすまんかった」
「だから、自分たちで戦えるようにするしかない。そのために必要な事をするの」
「つまり訓練だよな? それは俺が担当する。マーシーにやり方を聞いて、皆に教える」
「ケン、頑張ってね。訓練は厳しく辛いもの。皆の心が折れないように注意してね」
「ああ」
「それから弓矢を担当する人は、訓練を兼ねて獣、できれば猪を狩ってください。もし豚をつぶす予定があれば、それも大切に。そうすれば、革鎧が作れるわ。全員分間に合わないかもしれないけど、布の服よりはましよ」
「そうだな」
「それから、武器の訓練は確かに重要。でも、もっと大事なことがあるの」
「武器の訓練以上に?」
「明日、教えるわ。戦う予定の人は、夜が明けたら飲み水を持って、ここの前の道に集合してください」
ノーラの軍師力炸裂編その1でした。




