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Blackstorm Ship's log  作者: ノアール
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始まりの始まり

 初めまして。

この作品は以前、友人がとあるチャットサイトにて連載をしていたのですが

色んな理由から執筆を辞めてしまった上に死んでしまいました。

その際に私宛に作品の登場人物、世界観、物語全体の流れ、執筆時のルール

参考資料が送られてきました。

忙しさに身を任せて私自身も手を付けなかったのですが

引っ越しの準備をしていたら資料が出て来たので書いてみました。

正直、文才の無い私が書いているので表現に間違いが有ったり稚拙な文章で

お見苦しい部分等が有るかもしれませんが、私自身に何か有るまでは

書き続けたいのでよろしくお願いします。

 インクを溢したかの様に漆黒に染まった水面の上に一隻の船が居た。

天候は雲一つ無く月が光り輝く快晴。だが、無風。このような状況をなぎと言う。風の他に動力源を持たない帆船は凪と呼ばれる状況になると身動きが取れなくなる。砲門からオールを出して船員に漕がせる。と言った行動も可能だが、要する労力に対して得られる効果が圧倒的に少ないためにそのような指示はよほどの緊急事態でも無ければ降りる事は無い。

その船の甲板上では先に立ち寄った島から「贈呈」された物品で溢れ返っていた。

「見ろよ!?これは他の島で売ればいくらになるかわからねえぞ?」

「そうなのか?俺は物よりもあっちの方が楽しみだ」

船員たちが物品を品定めしながら向かった先には衣服を剥ぎ取られて裸で立たされている女子供の姿があった。

「おい。ここはお前たちの居た島から遠く離れた海の上だ。泣いても喚いても助けなんか来ねえ。

お前らが生きてられるのはこの船の上に居るからだ。死にたくなけりゃどうすれば良いかはわかるよな?」

船員たちが自分たちの任務を放棄して女たちの前でニタニタと笑いながら脅しの言葉を投げる中

一隻の帆船が音も無く滑る様に近づいて来ていた。近づいてくる船は水面と同じ様に漆黒であった。

漆黒の船はこの海域が凪であるにも関わらず穏やかにしかし確実に停泊している船に近づいていた。

「シン!見えたか!?」

漆黒の船の舵輪を握る男が叫ぶと船の舳先に立っているシンと呼ばれた男も叫び返す

「ああ!見えたぞ!あの船で間違いないんだよな?」

舵輪を握る男の見た目は30代前半、短く刈り上げられた黒髪が似合う精悍な顔付きをしていた。

舵を取る男が纏っている紺色のキャプテンコートの懐から簡易的な望遠鏡を取り出しメインマストの頂上にはためく海賊旗を見つけると

「見間違えるもんか。クレイブえるドラゴンの旗印だ。奴ら、正義軍を壊滅させたからって海賊旗もしまわねえで油断しきってるな。」

舵輪を握っている男が呆れた様にため息を吐いてから停泊している船の名を伝えると舳先に居た男は助走を着けたかと思うと舳先の先端から飛び降りる。その瞬間、背中から漆黒の翼を出したかと思うと停泊している船に向かって飛んでいってしまう。

「あ!おい!シン!!」

舵輪を握った男が叫び止めようとした頃にはシンの姿は停泊中の船の中に消えていった。

その頃、停泊中の船では船員の一人が子供の喉元になたを当てて叫んでいた

「おい。さっさと選べ!目の前で子供を殺されるか、俺たちのモノになるかをな」

母親が震えながら怒りの視線を船員たちに向けると

「おいおい。なんだ?その目は。文句が有るなら皆殺しにするぞ!!」

船員の暴言で何人かの女性の悲鳴が響き渡るとニタニタと笑って答えを待つ船員たちの目の前で子供の母親は跪く

「何でもしますからその子の命だけは奪わないでください」

「そうか。「命だけは」奪わないでやるよ。処女は貰うけどな」

その言葉を聞いた母親の顔が青ざめ、悲鳴と船員たちの狂った歓声が響き渡ると空から男が降ってくる。

轟音と共に甲板に着地した男の姿は歳は20代前半、黒髪の短髪、コート、ジャケット、ズボン、ブーツ。身に着けている全ての物を黒に統一していた。それは、背中に背負っている大剣も例外では無かった。

衝撃と轟音に新たな悲鳴が生まれると船員たちも狼狽える。

「な、何だ!?」

「何者だ!!お前!」

船員たちが武器を構えて訊ねると男は黒髪ショートの後頭部をポリポリと搔きながら上半身裸の船員たちと裸に剥かれた女性たちを見て

「んーと。お前ら、海賊だよな?船乗りの掟も海賊の掟も守れねぇのか?」

質問に答える事無く漆黒の男が訊ね返すと船員の一人が苛立ちを隠す事無く「質問を質問で返すな!ここは俺たちの船だ!」と叫んでくる。

漆黒の男は納得したように頷くと口を開く

「それもそうだな。じゃあ、答えてやるか。俺の名はシン。海賊だ。とは言ってもお前らと同じだと思うなよ?」

シンの名乗りを聞いた船員たちは顔を見合わせる

「さてと。お前らの質問には答えた。今度は俺の番だ。質問を変えようか。お前らの船長は何処に居る?甲板で騒ぎが起きてる。海賊の掟はおろか、船乗りの掟も守られて無い。ん?もしかして、反乱でも起こした後か?」

シンが訊ねると船員たちは大笑いしだす

「おい!?お前ら、聞いたかよ?シンだってよ!?あの大海賊。帝国に喧嘩売って死んだシンだとよ。お前ら、命が惜しけりゃ跪け。俺たちの目の前に居るのは亡霊様だぞ」

船員たちの嘲笑う言葉を聞いたシンは頷き

「大海賊って言ったのは褒めてやる。けどな、俺は不死身だ。それと半裸の奴らに何を言われても怖くない」

シンの言葉を聞いた船員たちが襲い掛かるとシンはため息をつき

「やっぱり三流だな。開戦の合図は船長同士の合意の上で。って知らねえのか?」

シンはそう言うと船員たちの攻撃を避け続ける。その内の一名は勢い余って海へと落ちていった。

「やり返さねえのかよ!?とんだ臆病者だな」

船員が叫ぶとシンは首を横に振り

「だ~か~ら~。開戦の合図してねーから。お前らじゃダメなんだっての」

シンが困り果てた様にしていると甲板に2mを超える大男が現れる。大男も上半身裸だった

「お前ら、何の騒ぎだ?ん?」

唸る様な声で船員たちに訊ねる大男がシンを見ると大男が笑いだす。

「お前、何のつもりだ?この海でそんな姿をしていたら世界中から殺されるぞ?」

「ん?お前が船長か?俺の名はシン。宣戦布告をしに来た。何か一人落ちちゃったけど俺のせいじゃないからな?って、船長も半裸かよ。そういう種族なのか?」

「ふん。死ね」

大男は腰のホルスターからピストルを抜くとシンの頭部を撃ち抜く。シンが倒れると船員たちは「何が不死身だよ!?おい。何とか言えよ!?」「下らねえコスプレ野郎だったな」等と言ってシンを侮辱しだす。その瞬間に銃声が甲板に響き渡る

「それ以上うちの船長を侮辱するのは俺が許さん!」

漆黒の船の操舵手の男が大男に銃口を向けて叫ぶと

「許さんのか。なら、どうするんだ?」

大男はシンに唾を吐きかける。それを見た操舵手は銃を消すと腰の二本の刀を抜いたかと思うと大男に駆け寄り斬りかかる。その場に居た誰もが大男の死を確信したが刀は止まっていた。正確に言うなら操舵手が自分の意思で止めたのだが。その場に居た全ての者が操舵手を見つめる中で、操舵手の視線の先にはシンが立っていた。

「ヴィンセント!まだ、開戦の合図してねえだろ!勝手な事するな」

船員たちや大男、裸の女たちが慄く中でヴィンセントと呼ばれた操舵手は不敵に笑い

「それなら、さっさと開戦の合図をしてこい」とシンに告げる。それを聞いたシンは首を傾げて大男を指さす。

「え?船長ってそいつじゃねーの?」

「こいつは船長じゃない!普通の船長は自分から進んで表にポイポイ出ねえんだよ!!」

ヴィンセントがイラついた様子で言うとシンは唖然として

「コイツでも船長じゃないのかよ!?船長どんだけデカいんだよ!?」

焦ったシンが狼狽えると

「身体の大きさで船長になる訳じゃねーから安心しろ。船長はこいつよりはチビだ」

ヴィンセントはため息をつきながら説明する。

「そうか。安心した。んじゃ、行って来るわ」

シンが船室に向かおうとすると大男がシンに殴りかかるが、その拳をヴィンセントが受け止める。

「ビックリした~」

シンがケラケラ笑うとヴィンセントは大男を睨みつける。

「お前の相手は俺だろうが」

「フン。後から来たくせにガタガタぬかすな」

と言って大男は拳に力を込めるがヴィンセントは顔色一つ変えずに受け止め続ける。

「シンの手を煩わせる程じゃない。お前程度、俺一人で充分だ」

ヴィンセントはそう言うと空いている左手で大男の腕を掴むと大男を投げ飛ばす。

「シン。さっさと行け。お前が合図するまで待つからよ」

「わかった」

ヴィンセントと話すとシンは船室に入っていく。

「さてと。あいつが船長に会うまでどれ位かかるかね?」

ヴィンセントが肩を押さえて腕を回しながら呟くと

「その前にお前を殺して、あの小僧も八つ裂きにしてやる!」

大男は起き上がると腰の剣を抜いて叫びながらヴィンセントに斬りかかる。ヴィンセントは真上から振り下ろされた剣を二本の刀で受け止めると大男を見上げて笑顔を向ける。

「今の内に命乞いでもすれば良かったのによ」

その頃、シンは船室を開けて回っていた。

「ここも違うか。うーん。どこだ?」

甲板では大男と船員がヴィンセントに襲いかかっていたが、ヴィンセントは全ての攻撃を刀で打ち返して反撃をしなかった。

「はぁ。はぁ。シンの奴。道に迷いやがったな?」

「どうして反撃してこねえ?」

大男が訊ねるとヴィンセントは笑って答える。

「はぁ?だからお前ら三流なんだよ。船長同士の開戦の合図が無い限り戦っちゃいけねえのさ。個人的な戦いじゃねーからな」

大男や船員たちはそれを聞いて鼻で笑うと一斉に襲い掛かる

「そんな化石みてぇな礼儀を重んじても何も無ぇだろうが!やり返さないなら好都合。そのままくたばれ!」

ヴィンセントは攻撃を弾き返すと距離を取る為に甲板を走る。

その頃、シンは今までの扉とは違い、装飾が豪華な扉の前に立っていた。

「ここか?」

シンは扉を開けようとしたが、鍵がかかっていた。

「うーん。ここ、怪しいんだよなぁ。よし!」

シンはそう言うと「おじゃましまーす!!!」と叫びながら扉を蹴り破る。

シンが二枚の扉と共に着地すると男が女をベットに押し倒していた。

「あ。取り込み中の所すまねぇ。この船の船長探してるんだけど、知らねぇか?それ聞いたらすぐどっか行くからさ」

シンが気まずそうに言うと男が女を殴ってから起き上がり、シンの前に立つ。

「この俺こそがこの船の船長だ。可哀想にな。お前が入って来なけりゃあの女は殴られずに済んだのに。この俺を飢えたクレイブドラゴンの船長シグマだと知って来る勇気は褒めてやるが、勇敢なのと無謀は違うぞ。あの世では上手くやるんだな」

シグマはシンの頭部を撃つとシンに背を向けて怯えている女を犯そうとするが、起き上がったシンは右手を拳銃に変えると船室内で発砲する。

銃声を聞いたシグマが音の方向を向くとそこには額に穴を開けて血を流しながらも不敵に笑うシンの姿が有った。

その頃、ヴィンセントは二つの銃声を聞いて深くため息をつく。

「ようやくだ。ようやくやり返せる」

ヴィンセントがそう言うと船員たちが嘲笑いながら襲い掛かるが、船員たちの身体は全員二つに分離して甲板に散らばる。

「さて?もう、反撃するからな?今更「許して下さい」なんて聞かねえからな?」

ヴィンセントはそう言うと大男に向かって駆け寄る。大男は剣を振り上げるが、ヴィンセントは剣撃を避けると女たちを人質にしようとした船員を銃で撃ち殺す。

「お前ら!女どもは船底に連れて行け!人質にする位なら俺の援護しやがれ!!」

大男が叫ぶとヴィンセントは大男の指示通り女たちに近づく船員たちを撃ち殺す。

「させるかよ。俺たちがこの船に来た時点でお前らは降参するべきだった」

ヴィンセントの言葉を聞いた大男が襲い掛かるとヴィンセントは笑みを浮かべて銃をホルスターに収めてから腰の刀を抜き、大男の腹を貫く。

「ぐぅ…。この程度で勝った気になるなよ?」

大男が苦悶の表情を浮かべながら唸るとヴィンセントは刀を持つ腕に力を込める。

「まだ勝てるつもりなのか?まだ生きてられると思ってるのか?まだ助かると思ってるのか?」

ヴィンセントが鋭い眼光で大男を睨みながら訊ねると大男の顔が青ざめる。そう。実感したのだ。目の前の男が何をしようとしているのか。自分がこれからどの様に殺されるのかを。

「わ、わかった。欲しい物をやる。女も全員やる。だから、やめてくれ」

大男が口の両端から血を流しながら絞り出す様に声を出すとヴィンセントはゆっくりと頷く。

「わかった。抜いてやる。動くなよ?」

ヴィンセントがそう言うと安堵した大男が笑みを浮かべる。

ヴィンセントは抵抗の意思が無くなった大男の腹を二本の刀で真一文字に斬りながら刀を「抜いてやる」のだった。安心した笑顔のまま死んだ大男の顔を見たヴィンセントは

「約束通り「抜いた」んだから恨むなよ?お前がシンに唾を吐いた時点で殺すのは決めてた。さて?俺に殺されたい奴はかかってきな」

ヴィンセントがそう言って歩み寄ると船員たちは海へと自ら飛び込んで逃げていく

「腑抜け共が」

ヴィンセントはそう言うと自分たちが乗って来た漆黒の船に合図を送る。

すると、漆黒の船のメインマストの頂上の見張り台で鮮やかな水色の髪をポニーテールにした少女が叫ぶ。

「ブラック!ヴィンセントが合図してるよ!」

「えぇ。私も見えたわ。皆、動くわよ。しっかり掴まりなさい」

ブラックと呼ばれた者の返事が船自体から聞こえたかと思うと風も無い中で船が一人でに動き出す。

「なんで私たちは留守番なんだよ!不公平じゃんか!!」

「メイデンもシンと一緒に行きたかった」

真紅の髪をショートカットにした少女と銀髪のショートカットの少女が不満を言うと船から声がする。

「貴女たちじゃ攫われた人たちも死なせちゃうでしょ?シンは不死身だけどヴィンセントは不死身じゃ無いしね。だから、仕方ないの」

船から響く声を聴いた少女二人は声を揃えて

「弱っちいのがいけないんだよ!!」と叫ぶ。

ポニーテールの少女が縄梯子で降りてくると会話が聞こえてたのか苦笑いで二人の少女に話しかける

「イフリートもメイデンもそれ位にして。今からお客さんが乗ってくるかもしれないんだから」

「アラストルは悔しくないのか?皆、強いのにさ!?」

真紅の髪の少女がポニーテールの少女に訊ねると

「だって、シンは私たちが強いからお客さんたちを任せてくれたんでしょ?イフリートはそれのどこが不満なの?」

アラストルの言葉を聞いたイフリートが目を輝かせると銀髪の少女が口を開く

「ねぇ?お客さんが乗ってきたらメイデン、ギュってして良い?」

純真無垢な少女の問いに二人の少女は口を揃えて「ダメ」と答える。

メイデンと呼ばれた銀髪の少女がむくれると渡し板がかけられる。

「正義軍、海軍を待つ奴らはこの船に居ると良い。俺たちも海賊だから長居はしてられない。乗るなら早くしてくれ」

ヴィンセントの言葉を聞いても攫われた女性たちは動こうとはしなかった。

「参ったな。信用してもらえてない」

ヴィンセントが3人の少女に言うと

「だって、血まみれだもん。そんな人の言葉じゃ皆、怖がって聞いてくれないよ」

少女たちの言葉を聞いてヴィンセントは頭を抱える。

その頃、シンはシグマが振るう剣を避けてハイキックをシグマの頭部にクリーンヒットさせてダウンさせていた。

「最後に何か言う事あるか?」

シンが訊ねるとシグマは剣で自分を支えながらシンを睨みつけて

「地獄に落ちようとも貴様を許さん」

シグマの言葉を聞いたシンは手を拳銃に変えてシグマの頭部に魔弾を撃ち放つ。

「クルーの命だけは助けてくれ。とかなら見逃したのにな」

シグマが倒れるとシンはベットの女性に話しかける。

「あんたがメアリさんか?領主のおっさんから頼まれて助けに来たんだ。信用するかどうかは任せるよ。もし、信用してくれるなら支度が出来たら甲板に来てくれ」

シンがそう言って部屋を出ると甲板と逆方向に歩いて行く。

「甲板は反対ですよ?」

メアリが叫ぶとシンは戻ってくる。

「ちょっと待ってもらえますか?一緒に行きましょう」

メアリがそう言うとシンは首を何度も縦に振り

「助かる。よろしく頼むよ」

メアリに連れられたシンが甲板に現れると甲板の上には裸の女性たちと海賊たちが奪った物品と返り血に染まったヴィンセントが居た。

「なんか、色々と凄いな。まぁ、仕方ないか。さてと、撤収するぞ?皆、軍を待つ感じか?」

シンが訊ねるとメアリが渡し板を渡ってシンの船に乗り込む。

「私はこの人たちを信じます。皆はどうしますか?」

メアリの言葉を聞いた女性たちは一斉にシンの船に乗り込んで行く。アラストル、イフリート、メイデンの3人は攫われた女性たちに衣服を渡していく。

ヴィンセントが物品を運ぼうとしていると朝日が昇って来る。そして、それと同時に軍艦の船影も見えた。

「シン、ブラック!出航準備だ!!正義軍が来てる」

ヴィンセントが叫びながらシンの船に着地するとシグマの船を船尾で粉砕しながら船は大きく旋回して正義軍から逃げる様に出航するのだった。

それからしばらくして、太陽が真上に昇る頃ヴィンセントは今回の出費を計算していた。

「やっぱり、今回は出費が多すぎる。ただでさえ、この海賊団は略奪をしないから現金収入が無いって言うのによ。どっかのバカ船長が「お礼は要らねぇ」とか言うからもう赤字でしかねぇよ」

ヴィンセントがシンの事を見ながら言うと

「仕方ねえだろ?あいつらに襲われて町の復興にもお金かかるんだからさ」

シンが反論するとヴィンセントはシンに歩み寄り

「俺たちも慈善事業では無いんだけどな?」

シンの目を射貫くかの様に睨みつけると船から声がする。

「そろそろ島に着くんだから喧嘩しないの」

その声を聞いてヴィンセントがシンから目を離すとシンは舳先に歩いて行き

「よーし。今回の航海も無事に帰って来れた事だし、エメラルド・アイに行くか」

「「「「賛成」」」」

ヴィンセントとシンを除く全員が返事をすると

「だから赤字だって言ってんだろ!」とヴィンセントが叫ぶのだった。

 この文章を読んで頂けてる。って事は1話目を読了して頂けた。って事ですね。

ありがとうございます。気に入って頂けたなら幸いです。

このお話は漫画で例えると読み切りの様な物でして、時系列で言うと2章の後になります。

因みに、序章、1章、1.5章、2章って構成です。

先は長いですね。途中で飽きられたらどうするんだ?って思うのですが、そこは内緒です。

次回の執筆からは主人公であるシンがある事件の時の事をヴィンセントに話す回想と言う感じです。

序章、1章に関しては回想であると同時にシンの船に乗っている仲間たちとの出会いのお話です。

もし「気になるな」「読みたいな」と思って頂けたなら頑張って書きますのでお待ち頂けると幸いです。

前書きにも書かせて頂きましたが、友人からの預かり物ですし、作品内の何人かは私を始め現実にモデルの居るキャラが居るので全員作品内で出演させて活躍させるのが当面の目標です。

(出さないと後で苦情が来ると思うので)

感想やキャラ、世界観に関しての質問はこの前書き、後書きにてお答えしたいと思うのでお気軽に書き込んでください。

それでは、失礼します。

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