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その62 大団円、すごいぞ、我らの女神様

◇◇◇◇◇◇ その62


#大団円


「女神様、ありがとうございます。」

 健一が最敬礼で静奈に首をたれる。


「良かった、良かったね~。」

そういう静奈はいつもの静奈に戻っていた。


「ところで~、ねえねえ~」

 静奈の目が含み笑いで三角に変わっている。


「静奈、なあに?。」

「あなた達さあ〜、警察と関わる時は〜、彗星伝説って名乗ってるのね~、ぷぷぷ~。」

 周囲のフィールドが落ち着きを取り戻した頃、静奈が健一と涼子に話しかけた。


「そんなに笑わなくてもいいじゃないの。」

「M機関員は身分を自由に名乗ることができるから、つい・・・。」

 いつもは沈着冷静な東谷健一が珍しくあせっているらしい。


「そうね~、東谷先生も〜涼子も〜、まあその〜、意外にも中二病なんだね~。」

「きゃあ静奈、お願いだからそれ以上もう言わないでよ、恥ずかしいじゃない。」

「しょうがないわね~、まあこれからも彗星伝説って名乗ってもいいけどね~。」


「潜水艦に乗せてくれて~、ありがと~♡。」

 静奈は日本に帰国後、某国大統領に向けて、絵文字入りのメッセージを送った。


「ありがたき、幸せです、女神様。これからも何なりとお申し付けください。」


 大統領は静奈からのメッセージを宝物のように何度も読み返すと、最高級の紙に印刷した。紙には某国最高の装丁を施し、大統領執務室の壁に飾られた。某国の至宝となったのである。


「阿川首相~、うまく解決したよ~。」

「それは良かったです。今回は日本はあまり出番がなくて少々残念でした。」


「そんなことないよ~、首相が某国に話しつけくれたから~、うまくいったよ~。あっ、ミサイル一発分某国から借りたからね~。」

「では、また何かご褒美をお願いします。某国にもお礼をしておきますね。」

「じゃあ~、楽しみにしておいてね~。」


 日本と某国、そしてN国はこのことをきっかけとして、三国同盟を結ぶことになった。この同盟は後に女神同盟と呼ばれることになるが、それはずっと後の話である。


 隣の女神様 水鏡静奈の力を借りて、難事件を無事解決した涼子と健一であったが、SNSにはびこる希薄なようでいて恐ろしくどろりとした人間関係を見て背筋が寒くなった。健一と涼子は山城みどりの冥福を静かに祈ったのである。


(隣の女神様4 ~御鏡静奈と彗星伝説~ 終わり)



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