その41
◇◇◇◇◇◇ その41
「小林くん、みどりさんが倒れていた時と同じように倒れて下さい。」
「はい、わかりました。」
涼子は健一に言われて和子と美奈の証言どおりにうつ伏せに倒れた。机から落ちたスマホが涼子の顔の横にある。
「あれ、このチャットなんか変だわ。」
洋子がつぶやいた。
「このとおりで間違いないと思うわ。」
「私もいいと思う。」
和子と美奈は洋子の発言を否定した。
「チャットの内容は正確だと思うわ。」
洋子が続ける。
#解決?
「和子さん。」
床にうつぶせになっていた涼子がようやく起きてきた。
「小林刑事さん、なんでしょうか。」
和子が返事をした。
「いえ、違うわ。」
涼子がさらに続ける。
「みどりの家ではみどりのスマホからAIを起動してしゃべらせたんだわ。」
「AIって人工知能?」
「そう、10人の会話についていけるAIをどうやって入手したのかは知らないけどね。」
「そんなのみんな憶測じゃないの。」
「そしてみどりに毒を盛り、自分は風呂にはいると言ってフォーチュンから抜け出て自分のマンションに向かう。その間、みどりになりすましたAIが会話を続けてくれる。家に着くと自分の入力に切り替えてアリバイを作る。まさにハイテクAI犯罪ね。」
涼子は和子を追いつめだす。
「でもフォーチュンにみどりのIDで接続するにはパスワードが必要よ。」
美奈がいった。




