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隣の女神様4 全62話 毎日朝7時更新

隣の女神様4 ~御鏡静奈と彗星伝説~ 全62話 毎日朝7時更新


◇◇◇◇◇◇ その1


*プロローグ


 1日の仕事を終えて東谷涼子ひがしたにりょうこはようやく家にたどりついた。M企画社員であり機関誌の発行や各種統計担当の涼子は、ぶらぶらと街を歩くのも取材であり立派な仕事だ、と普段からうそぶいている。


 M企画諏訪西部支所所長である夫の東谷健一ひがしたにけんいちは、まだ帰っていないようである。誰もいない家に最初に帰るのはなんとなく寂しいものである。マンションの重たいドアの鍵穴にみかけ倒しなだけで単純な構造の鍵を差し込むと「ガッチャン」と騒々しい音を発てて開錠され、ドアが開いた。


 「ただいま。」

 無人の部屋に声を出すと声に反応して居間の照明が点灯した。健一はこの手のハイテク商品が大好きで新製品が出るたびに購入して部屋に取り付けてしまう。見掛けは立派なビルディングであり、1階はM企画諏訪西部支所、3階が社宅として東谷夫妻の住居である。2階は一般に貸し出しているが、築20年を経過した建物はだいぶくたびれて見える。


「バブルの時の建築だからなあ。」

 涼子には実感がないが、このビルディングはバブルの時に建築されたせいかなかなか豪華な仕様になっているらしい。贅沢な材料が随所に使われており、見えない部分もけっこうしっかりしているようである。


 涼子はリビングに入ると、「ふーっ」と深呼吸をしテレビとタブレットの電源を入れる。日頃の習慣でこの2つの動作は無意識に手が動いてしまう。テレビはすぐに番組を写し出すが、パソコンは電源を投入してから使えるようになるまでにはしばらく時間がかかる。その間にシャワーを浴びるために浴室へ入る。


「私もいよいよ21才か。」

 シャワーを浴びながら自分の体をまじまじと見た。


「まだまだ十代でも大丈夫だよね。」

 仕事柄若い子の多い場所へ出入りする涼子は暗がりで年齢を聞かれると

「高校を卒業したばっかの19才です。」

とつい実年齢よりも若く答えてしまう。 20歳になったばかりの頃は、

「高校生です。」

と恥ずかしげもなく答えていたのだから恐れ入ってしまう。


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