17話補足:生体濃縮(蓄積)と人間の健康
化学物質が、生態系での食物連鎖を経て生物の体内に濃縮されてゆく現象を生態濃縮(生体濃縮)といい、本編のように食物網と関係しないときは、生体蓄積といいます。(蓄積というよりはダイレクトに反映されてますが)
水に溶けにくく(水溶性でない)、代謝を受けにくい化学物質が残留しやすいとされています。
これは実は人間でも同じです。
例えば、摂り過ぎてもいいビタミンといけないビタミンというものを聞いたことがあると思いますが、それはこの水溶性という言葉がかかわってきます。
水溶性のビタミンは摂り過ぎても尿として排出されますが、脂溶性のビタミンA、D、E、Kは消費しきれなかった分は脂肪組織や肝臓等に蓄積され、消費されるのを待つことになります。
脂溶性のビタミンの過剰摂取はめまいや貧血、皮膚炎を発生させるので注意が必要です。
サプリを飲んでいるのに、めまいや貧血が……という場合はサプリの栄養素を確認してみましょう。
また、マグロの中には「メチル水銀」という物質がごく少量ですが含まれています。
一日に何キロもマグロを食べ続けない限り大丈夫ですが、妊婦さんには摂取量に注意が促されています。
このあたりは下記が詳しいのでご参照ください。
タケダコンシューマヘルスケア『ビタミン・ミネラル栄養百科』
https://takeda-kenko.jp/kenkolife/vitamin/hyakka/
タニタヘルスリンク『妊婦になったら要注意!?メチル水銀のリスクとは?』
https://www.karadakarute.jp/tanita/column/columndetail.do?columnId=314