7話補足:生物の血液の色
基本的に、地球上の生物は赤か青の血液をしています。
赤い血:ヘモグロビンを含んでおり、鉄分が酸素と結合することによって赤い。
青い血:ヘモシアニンを含んでおり、銅が酸素と結合すること青い。
というわけで、基本的に酸素を運ぶための血液と言うのは鉄or銅を含んでいることになります。(※1)
ではどっちも持たなきゃどうなるの? という疑問を体現したのが、脊椎動物でありながらヘモグロビンをほとんど持たないアイスフィッシュ(コオリウオ)。
南極に生息する魚で、透明な血液の持ち主です。
不凍たんぱく質というものを持ち合わせており、冷凍食品や低体温症の対処などの研究がすすめられています。
なお、このコオリウオですが、3℃以上の海に行くと死にます。
・その他、血の色について
世の中にはその他にもいくつか血液の色が存在します。
緑の血(1):ヘモグロビンを含んでいますが、それ以上にビリベルジンや、ヘモバナジンといった色素が濃いため緑色に見える生物がいます。(トカゲなど)
緑の血(2):ヘモグロビンを含んでいますが、酸素ではなく硫黄族物質と結合してしまうと緑色になることがあります。(サルフヘモグロビン血症)
透明の血:そもそも体中の細胞に直接空気を送る場合、血中に酸素を取り込む必要がありません。そのため呼吸色素を含まず透明な血液(体液)になります。(昆虫類)
ちなみにゴキブリ(※2)に殺虫剤が速攻で効くのはこのためだったりします。
呼吸色素をもたない昆虫は、気門と呼ばれる呼吸専用の穴から空気を取り込み、全身の細胞に酸素を届けています。
殺虫剤は、麻痺薬剤によって、気門の呼吸筋を麻痺させ窒息させるため、速攻で効くのです。
※1:その他、呼吸色素にはエリスロクルオリン(鉄分)/クロロクルオリン(鉄分)/ヘムエリスリン(鉄分)などがあります
※2:ゴキブリの血液の色は本来透明または白色ですが、幼虫期の餌によって淡黄緑色などに変化します。