49話補足:マグロとおしっこの話
尿の定義にもよりますが、クロマグロの尿(代謝老廃物を含む排出物)は腎臓→肛門と通って排出されます。
他にも、エラから不要な塩類を水分として排出しますので、定義によってはこちらも、尿(液体状の排泄物)に含むこともあります。
また、クロマグロは体内で生み出されたアンモニアを単純にアンモニアとして排出します。(人間は尿素、鳥などは尿酸に変化させてから排出します)
さて、このアンモニアの排出ですが、基本的にアンモニア→尿素→尿酸の順で手間がかかります。
じゃあ、なんでそんな手間をかけるのかというと、それぞれの生態と関係してきます。(諸説あり)
哺乳類:尿をそこらへんにまき散らすわけにはいかないので、アンモニアを尿素に変え、無毒化することで体内に溜めこめれるようになった。
鳥類:飛ぶ、という生態上、重い水分を体内に溜めこんでおきたくない。
なので、化学反応させることで尿酸として軽くすることに成功。
比べて、クロマグロは周囲が水だらけですので、わざわざ尿素に変える必要もなく、垂れ流しまくれます。
では、魚類すべてがアンモニアで排出するか、というとそうではありません。
アンモニアを尿素――無毒化して利用している魚がいます。
それがサメなどの軟骨魚類を初めとした尿素浸透性動物です。
尿素浸透性動物はその名の通り、体内の浸透圧を尿素によって行う動物を指します。
サメやエイなどの、肉がアンモニア臭い魚類というとイメージしやすいかもしれません。
上記魚は体液内に尿素を溜めこんでいるため、死んだら尿素が分解されてアンモニア臭くなるわけです。
で、なんでわざわざアンモニアを尿素に変えるかというと、浮力調整のためと言われてます。
尿素は軽いので、体内に溜めこめば溜めこむほど浮くのですね。ある意味、鳥と正反対です。
いいことひらめいた
\(`・ω・´) ノ
おしっこ溜めこんで空を飛ぶハイファンタジーを、誰か書いてみませんか。
※個人的には尿素の『浸透圧の調整』というメリットは、浮力を得ようとした結果側ではないかなーなんて思ってます。