大っ嫌いみな!
「やだみなっ・・・」
「・・・入りなさいよ早く」
「・・・真里菜こそどうかしてるみな!ぐるぐる地獄に入れだなんてぇーみな」
みなはそう叫んだ。
「なによぐるぐる地獄って」
「洗濯機みな!あの中はぐぅーるぐーる回されて、目が回るみな・・・ウェッ・・・」
「知らんわ!いいから入って!外出たら洗濯機はいるのは当たり前でしょ・・・特に、・・・その草だらけの体どうにかせんかい!」
真里菜はさけんでむりやり洗濯機の中へ押し込んだ。
「うっ、うっ、うわぁーん・・・真っ、真里菜、なんっ・・・て、グスッ、だ、だいっき、らい、みなぁ・・・!!!」
布からどこからともなく水が出てます。超怖い。
「な、泣くことってできるんだね。ぬいぐるみなのに。すごいねー」
「棒読みみなぁ・・・」
「じゃあ麻酔でもする?そしたらちょっとは大丈夫になりますか?ん?」
おもちゃの注射器を見せる真里菜を見てみなは「ひっ!」とひっこんだ。
そのタイミングを狙い、スイッチを押す真里菜。
「・・・みなーーーー!!!!」
「洗剤入れて・・・おとなしくしててよ!みな!」
「みーーーーなぁーーーー・・・」
みなのちょっと(だいぶ?)いやそうに泣いている声がきこえた。
がったごっとがったごっと・・・
変な音が聞こえる。
「みな、あばれないでね・・・?」
「・・・うぇぇぇーーーーーーん!!!誰か助けてぇー!」
次の瞬間。
「オェッ!」
「・・・いやぁ!!!」
真里菜が慌てて駆けつけ、洗濯機のなかをのぞくと・・・そこには大きな糸の塊があった。
「・・・これ、みなのゲ(ピ――――――)・・・?」
「・・・みなぁ・・・」
「・・・なんか・・・ごめん・・・」
真里菜はみなをひっつかむと、洗濯ネットの中に入れた。
「・・・みなぁ?」
「これならいくらでもゲ(ピ―――――)していいからね」
「なにそれひどいみな」
「ていうかさ、なんでそんなに嫌なの?」
「その1・・・ぐるぐる回されて、目が回る。
その2・・・ぐるぐる回され、ゲ(ピ―――――)を吐いちゃう」
「・・・うん・・・」
かわいそうになってきた・・・
「その3・・・しばらく乾かないから、ずーーーっと天日干しされて洗濯ばさみ痛いみな!
その4っ!天日干しは焼けるみなぁぁ日焼けいやみなぁぁぁ!」
「・・・ぬいぐるみに日焼けなんてものあるか」
・・・かわいそうじゃなくなってきたな。前言撤回。
「その5ぉぉぉぉぉ!!!これがいちばんだいじみなぁぁぁぁ!」
ゴクリ。
ちょっと緊張する。
「水含んで体重重くなるみなぁぁぁぁぁぁぁ!体重うう!!オカッピーに嫌われちゃ」
ポイ。
がたっごとっがたっ
「ぎゃーーーーーーー!!たいじゅーーーー!!!」
みなのなき声が聞こえた。
「・・・いいみな・・・オカッピーに嫌われたらオカッピーの子供誘拐してやるみ」
「久しぶりだな。やめろ」