心菜とみな!
「ねーえっ、今日、心菜ちゃんち行くんみなって?」
「何よ、ぜー――ーったい連れてかないからね」
「連れてってみな♪」
「今言ったよね!?」
佐藤真里菜、叫びます。
「「るなとぱなもつれてってーるな♪ぱな♪」」
「あんたたちいつの間に⁉」
このぬいぐるみたち、余裕で犯罪者・・・じゃ、ない、犯罪ぬいぐるみだと思う。不法侵入しすぎじゃない?
「心菜ちゃんに聞けばいいみな!」
「・・・分かった。いいけど」
スマホを持ってない真里菜は、受話器を手に取って、心菜のスマホの番号を押した。
真里菜の作戦はこうだ。いいって言われたとしても、ウソをつけば、いい。所詮ぬいぐるみだし。
プルルルルル・・・
『もしもし』
「あっ、もしもし、佐藤真里菜です」
『ん?真里菜、どしたの』
「あのね。・・・前に話したぬいぐるみが、・・・心菜んち行きたいって言ってきかなくて。でも、まあ、だめだよね。うん、知ってたから、別にい―――――――――」
『連れてきて!!!!!』
・・・ん?
『ずっと、会ってみたかったんだー!ぜひぜひ!おねがいっ、真里菜!』
「えぇー!?」
・・・その時だった。みなとるなとぱなが、後ろで飛び上がった。
「会ってみたいってみな!」「やったるなー!」「いけるぱなっ!」
「あんたたち・・・いつの間に盗み聞きしてんのよ!!そろそろ逮捕されてもいいレベルじゃない?」
「逮捕?なにでるな?」
「もういいわ!来い三匹とも!!」
スチャっと、かばんに入る。1、2、3、4・・・ん?4匹?
「オカッピーも、行くんだね・・・」
もうケンカする元気もなくなったので、仕方なく、連れてった。
ピンポーン
「あっいらっしゃーい!真里菜ぁっ」
「お邪魔します・・・」
「失礼しますみな」「お邪魔しまするな」「こんにちはぱな」「今日はよろしくですッピ」
「お行儀のいいぬいぐるみー!!きゃー、かわいいっ!」
私の前と明らかに態度違うよね。想像はしてたから別に怒らないけど。
「あれっ、この子は?」
オカッピーを指さして、心菜。
「あ、ごめん。1匹増えた」
「オカッピーですッピ、よろしくお願いしますッピ」
「オカッピー・・・?ちょっと待ってて!」
と、いうと、心菜は全力ダッシュで自分の部屋に何かを取りに行った。
「あったーー!!5人とも、上がってきて―!」
心菜の部屋に上がると・・・。
「え?シマくん?」
「オカッピー!?」
うわぁーと感動の再会的なのをくりひろげている。
「あれっ、にな!ゆなもいるみな!」
「?あっ久しぶりにな!るな、大きくなったになねー」
「みなとぱな、久しぶりゆなっ!」
・・・もうこんがらがってくる。どーやら、心菜が持ってるオカピのぬいぐるみがシマくん、イルカのポーチがにな、小さめのイルカのぬいぐるみがゆなっていうらしい。
「・・・心菜、私もう疲れた、帰る」
「えっ早くない!?」
「じゃーね・・・」
イルカたちを置いて帰るつもりだったけど、結局帰ったらいた。怖い、このぬいぐるみたち。