恋するみな!
「オカッピー・・・っていうみなね」
「・・・なんでついてきてんのよ。私、みなから離れたくて、ここいるんだけど?」
佐藤真里菜、ぼーっとしているみなの前で手を振ります。
「・・・好きみな」
「え?」
・・・うわぁぁぁぁぁぁ!キターーー!
よくわかんないぬいぐるみ界の恋ーーーっ!
「あ、あそう。じゃあ告りなさい」
「みな。そーするみな」
「ええええ!?いやいや、そこはさ、もっとね。慎重にいこーよ」
「みな?慎重にも何も、みなたちぬいぐるみはいきなり告る!からのー男考える!からのー1週間後に返事する!1週間以内に返事しないと、そいつの子供をさらうみな・・・!」
「子供?こどもって!?え、なに、不倫関係にあるの⁉」
「最後のは嘘みな」
「ふ、ふう、焦ったぁー・・・。って、どーでもいいわ!」
何で私がぬいぐるみ界の恋の話に変に焦ってるのよ。
「ま、いいけど。じゃあ告るタイミングを見計らって―――――――」
「オカッピー!!!!!」
いきなりみなが駆け出した。
ま、まさか・・・。
「好きですみなっ!」
やっぱり!!
「あ、ああ、ありがとうッピ。1週間考えるッピ」
ほんとだったんだ、あの情報。
「真里菜ーーー!!みな告白したみなーー!!」
「分かった、分かったから。すごいね、えらいわ」
「絶対ほめてないみなね?」
「当たり前じゃない。ほめるとでも思った?ん?」
私のつっめたい視線に、みなは肩をすくめた。というか、みなが謎の行動したから、「何した?」って聞いたら「肩をすくめたみな」って言った。
だってイルカの(しかもぬいぐるみの)肩ってどこだよ・・・。
そして、1週間後―――――――。
「・・・今日が1週間みな~・・・。今日返事くれなきゃ子供さらうみな・・・」
「ちょっ!それウソじゃなかったの!!」
「オカッピー結婚してないから子供いないみな」
「あ、そうなの・・・。・・・え?子供いたらさらってたの?」
私の質問に答えなかったみなは、オカッピーを見つめた。ぬいぐるみ界の男の子はたいへんだね。子供さらわれちゃうのかなぁ・・・。
てかさ、あんまきにしなかったけど、お兄ちゃん変わり者で。ぬいぐるみ大切にしてるから・・・。まあ、オカッピーがしゃべっててもしょうがないよね・・・ってなるのは私だけだと思う。
と、その時。
「みな」
オカッピーが私の部屋に入ってくる。
「・・・オカッピー」
「・・・オカッピーも、みなのことが、好きになったッピ」
「・・・ほんとみなか?うれしいみなーーーっ!」
飛び上がって喜ぶみな。
ピーンポーン・・・。
「え?お客さん・・・ってまさか・・・」
「あっ、るなとぱなみなー!いらっしゃーいみな♪」
・・・!!!
「真里菜、お邪魔するるなよー」
「で、みな。前に言ってた、オカッピーくんはどうなったぱな?」
「今、返事してくれたみなっ!・・・オーケーもらっちゃったみなよ♥」
「きゃぁぁぁぁぁ!!おめでとーるな!!」「ぱなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
・・・またかお前ら・・・!!
「うるさいやつら!また来たのね!」
「え?ああ、みなの妹さんと、いとこさんッピね」
オカッピーが2人の前に顔を見せると・・・。
「・・・え?あっ、あなたが、オカッピーさんぱな⁉」
「あ、はい。オカッピーです。みなから聞いたッピ、るなさんとぱなさんッピね」
顔が赤くなってきた、るな。
「イケメンぱなーーーー!!!るな、そう思うぱな⁉」
「え、あ・・・」
・・・オカピのぬいぐるみにイケメンとかあるのか私にはまったくもって分からない。
ってかぬいぐるみって顔同じじゃないの?同じ工場で作られてんだよね?
「じゃあ今度、みなの誕生日ッピよね。お祝いにデートするッピ」
「えっ・・・!お、オカッピー、ぷ、プロ、ポー・・・・・・!!」
・・・なんでみなはプロポーズのことを想像してる?
「真里菜。ぬいぐるみ界は、1回目のデート=プロポーズなのぱな」
「え、え!?じゃあもう結婚するの⁉」
「ぱなね。1回目のデートにプロポーズしない奴には、女のほうが子供をさらうぱ――――――――」
「ああ!もう、それ聞くとぬいぐるみ界のこと誤解しちゃうからやめなさい!ね!」
・・・ぬいぐるみ界の恋はめちゃくちゃスピードが速くて、あと、・・・男の子かわいそう・・・。何しても、子供さらわれちゃうの・・・?
・・・てわけで、あわただしいみなたちぬいぐるみの恋。
・・・でもね、見ちゃったんだよね。
るながうらやましそうーにみなとオカッピー見てること。
そしてまた、うるさい会話が始まって――――――――・・・。
次の日、先生に宿題忘れで廊下立たされた。