表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ぼくの詩集

観察

作者: 桜井あんじ

学者が実験動物を見る目つきで

ぼくは ぼくを 観察する


認識能力を試してでもいるかのように

ぼくは 冷たく笑いながら

ぼく を 記録する


ぼくのかなしみを

ぼくのいかりを

ぼくのくるしみを

つめたいつめたい眼差しで観察し

記録する


そう

ぼくなんて ただの 実験動物

だから へいきなんだ

ただの 実験動物には

かなしみも ないさ

いかりも ないさ

くるしみも ないさ

大丈夫なのさ


ぼくは ぼく自身を観察する

学者になる



学者が実験動物を見る目つきで

ぼくは あなたがた を 観察する

いっしょにひとつのばしょにいて そしらぬかおで

にこにこと わらいながら

そのじつ

ぼくはここにはいなくて

どっかはなれたところから

あなたがたを 見ている

ノートに 記録をとりながら


そうして ぼくは

どこにも在ることのできないぼく自身を

また 観察する

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ