恐怖再び
おにぎりを食べて空腹を満たすと、立ち上がり歩き始めた。
だが行く場所もないから歩いても意味がない。 どこにも泊まる場所もない。
でも俺は泊まる場所を探すように、歩いた。
こんなことをしてる間に夜になってしまった・・・。
俺は人があんまり通らない道のど真ん中で疲れ切った体をたおして大の字になって転がった。
夜空を見渡すとやけに今日は星や月が綺麗だ。
俺は感動しながら星や月を眺めていた。 すると月の真ん中辺りが急に人のような影が現れた。
でも人にはない翼がはえている。 俺は、不思議に思い睨みつけるように、月を見ていた。
するとその影がだんだんこっちに向かって来る。 俺は思い出してしまった。
『恐怖』を! そして体をすばやくおこして、睨みつけながら走って逃げる用意をしていた。
『シュッ』あの怪物の影が消えた。 俺は頭をかきながら首をかしげた。
するとまた何かの視線を感じた。
『ドグッ』なにか腹に衝撃を感じた。そして吹き飛ばされ、樹にぶつかった。
咳き込みながら立ち上がると目の前に翼のはえた、怪物が・・・。
だが体がいつもなら震えるのに震えなかった。 慣れてしまったのか・・・ 慣れてしまうということがおかしい。 まずこんな怪物普通はみないから・・・
『お前・・・ 俺の仲間殺したでしょ?』
意味が分からない。 怪物が突然質問してきた。
『俺が殺せるわけないだろ! お前らみたいに怪物じゃないんだから』
俺は腹を抱えながら質問に答える。
『嘘をついてはいけない。 俺らを倒すほどの力があるなら、抹殺をしなければ。とジーク様の命令が だから、抹殺そう死んでもらおう』
ジーク? ジーク様ということは、こいつらよりも上がいるということか・・・
そんなことを思っている間にもう攻撃の態勢に移っている。
その怪物は、手のひらを開き手のひらから黒い球体が・・・ これは夢で出てきたのと同じだ・・・
夢で見たが、これの攻撃力はハンパない。
俺は腹を抱えながら逃げた。
『じゃあね』
『俺 お前の言うことを聞くから・・・ 助けてくれ・・・ 神ー』
後ろに振り返ってみると、黒い球体が消えていた。 俺は安心して、崩れ落ちた。
『神? もしかして・・・』
怪物の目つきが変わった。
『クソ! ならもっと早く抹殺しなければ・・・ 過去のあやまちは繰り返さないんだよ!』
今度は爪をのばし、高速でこっちに接近してきた。
俺は立ち上がろうとしたが、腹が痛く少し意識が朦朧としている。
爪が俺の腹に・・・ これをくらったら、本当に死んでしまう・・・。
『ドゴ―ン』