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1.拷問部屋

俺はジェイク・ジャービス、10歳。


今日は俺の10歳の誕生日だ。


家族がバースデーケーキを持ってきた。


「ハッピバースデートゥーユー♪・・・」


家族がバースデーソングを歌い終わると、俺はロウソクの灯を吹き消した。


フーーーーー!


そのとたん、家族の動きが止まる。


俺の周りだけ時が止まったかのようだ。


俺は動揺する。


すると、声が聞こえた。


「お前には特別なチカラを授ける。

 このチカラ『拷問』を活用し、この世界に正義の鉄槌を。」


謎の声の主はそれだけ言うと、このお告げのような声は消え、まわりで動きが止まっていた家族の時が動き出した。


俺はあっけにとられ、ぼーっとする。


「あら、あんた。

 急に魂が抜けたみたいな顔してどうしたのさ?」


母親が俺に声をかけ、俺は我に返る。


「い、いや。

 なんでもないよ。」


しかし、特別なチカラ「拷問」とだけ言われてもな。


いったい、なんだったんだろう・・・。


俺は翌日、学校へ向かった。


正直、内心ワクワクしていた。


そりゃ、特別なチカラなんていわれたら、試してみたいじゃないか。


でも、正義の鉄槌とか言ってたな。


まあ、拷問で悪いやつを懲らしめればいいのかな?


そうだ。


俺は思いついた。


最近、校舎裏で野良猫をいじめている連中、うちの学校の番長がいる。


俺はそいつらを懲らしめるべく、やつらのもとへ向かった。


やっぱりやつらは校舎裏にいた。


「へへっ、この猫、おびえてやがるぜ!だっせーの!」


「今度は石でもぶつけましょうや!」


なんて卑劣なやつらだ。


俺は今すぐにでもチカラを使おうとした。


でも、いきなり番長でチカラ試しするのも危なっかしいしな。


俺は、チカラ試しのターゲットを、番長によく引っ付いている子分に定めた。


いざ、俺のチカラ試しだ。


しかし、俺はチカラの使い方は知らん。


だから、適当に子分を見つめ、「拷問はじめ!」と心で叫んでみた。


すると、突然視界が暗くなったと思ったら、とある部屋に俺はいた。


広くも狭くもない。10畳くらいだろうか。


なんだこのやばい部屋は。


そこには、拷問器具がずらーっと並んでいる。


初めて見るものばかりなのに、なぜだかすべての使い方がわかる。これもチカラのおかげなのだろうか・・・。


〇鉄の処女。

人間がひつぎ内部に押し込まれ、扉が閉じられることで体に無数の針が突き刺さる。


〇引き裂き台。

台に人間の胴体を固定し、手足をロープで引っ張り、引き裂く。


〇拷問椅子。

針だらけの椅子に人間を縛り付け、自重で針が突き刺さる。


〇舌引き器。

舌を掴み、引き抜く小型の道具。


〇火焙りのひあぶりのおり

金属製のひつぎに人間を入れ、下から火であぶる。


などなど、挙げたらキリがない。


こんな残虐な器具、どうやて思いつくんだ!と言いたくなるものばかり。


そして、部屋の奥に目をやると、素っ裸で、手足におもり付きの鎖が付いていて身動きの取れない人物がいた。


番長の子分だ。


実は俺、この子分にいじめられていたことがある。


正直、ボコボコにしてやりたいと思っていたのだ。


ちょうどいい機会だ。


俺の憂さ晴らしに付き合ってもらおうじゃあないか。


俺はすでに俺のチカラについて大体察していた。


俺のチカラは、拷問したい対象をこの拷問部屋に引きずり込むチカラだ。


さて、この金魚のフン野郎をどう拷問してやろうか。


殺しはまずい。


適度にいたぶってやろう。


俺はまず、拷問椅子を用意した。


「お前、俺が誰かわかるよなあ?」


「おお、ジェイクだろ?

 去年は同じクラスだったな。

 で、ここはどこなんだよ!?

 俺はいったいどうなっちまう!」


「ふん、ここは俺のチカラでできた部屋だ。

 誰も助けには来ない。残念だったな。」


「ははっ!

 お前のチカラ?

 お前、いじめられすぎて頭おかしくなったのか?

 そんな笑えねえ冗談はいい。

 はやくこの鎖を外せ、このカス!」


こいつ、まだ自分の立場が分かってないらしい。


俺は拷問椅子を指さす。


「お前、あれに座れ。

 そしたら助けてやる。」


「は、はあ!?

 座るわけねえだろ!」


俺は即座にムチでそいつの胸から腹あたりを叩いた。


バチンっ!!!


「ぐはあああ!!!!

 いってえええええ!!!

 いてえよおおおお!!!」


「ふん、さっさと座れ。」


そいつは恐ろしい目つきで俺をにらみながら拷問椅子に座ろうとする。


「こ、こんなの座れねえよ・・・。

 トゲだらけじゃねえか・・・。」


「座れねえだと?

 これは貴様が俺に行った数々の諸行の罰だ。

 それに、子猫までいじめやがって、この外道め。

 座れ!!!!」


俺はそいつの両肩を両手で掴み、無理やり座らせた。


「うぎゃああああああ!!!」


拷問椅子の針が、そいつのケツと背中に突き刺さる。


拷問椅子が一気に血に染まる。


この椅子が「赤い椅子」と呼ばれるゆえんである。


俺は尋問を始めた。


「お前、なぜ俺をいじめた?

 正直に言えよ?」


「っへ、なぜそんなことを言わなくちゃいけないんだ。」


バチンっ!!!


「ぐああああ!!!

 わ、わかった、言う!

 言うからムチはやめてくれえ!

 お前の好きなやつと俺の好きなやつが同じで、腹が立ったからだ!

 な? 正直に言ったぞ!」


「ほう。」


バチンっ!!!


「ぐぎゃあああ!!!

 なぜだ!正直に言ったろ!」


「ん? お前と同じだ。腹が立ったからだ。

 目には目を、歯には歯を、だろう?」


「くうううう・・・。」


「で、なぜ子猫をいじめた?」


「くそ!

 答えても叩かれ、答えなくても叩かれるんだろう?」


「最初から答えれば、1度で済むぞ?」


「俺は反対したんだ!

 でも、番長が楽しそうにいじめるからよ、付き合いで一緒にいただけだ。」


ブッブーーーー!!!


部屋のどこかからか、ブザー音が鳴り、部屋中が赤く光った。


これは、こいつが嘘をついている証拠なのだと、なぜだか分かった。


「ふん、嘘だな!」


バチンっ!!!


「ふぎゃああああ!!!

 わ、わかった。

 正直に言う。

 俺も面白がっていた。

 知らねえ猫をいじめて何が悪いって思ってたさ!」


「良かろう。

 では、これは野良猫の分だ。」


バチンっ!!!


「うがあああああ!!!

 も、もう改心した!許してくれえ!」


うむ。ブザー音も鳴らない。


改心したようだ。


すると、拷問部屋は消え、やつはもといた番長のところにいた。


しかし、やつは血まみれだった。


拷問部屋で刺されたトゲのあと、ムチのあとがあった。


あの部屋での出来事は本当だったんだ。


俺は震えた。


このチカラがあればなんだってできる気さえした。


貧乏な家庭で育ち、何の才能もなかった俺はこのチカラを手に入れた。


このチカラで、調子に乗っている悪党を拷問にかけてやる・・・。


---


数日後。


番長の子分は2か月の入院を余儀なくされた。


そして、学校では、番長の子分をボコボコにしたのは俺だといううわさが流れていた。


そのうわさから、俺は番長に校舎裏に呼び出された。


番長が口を開く。


「お前が俺の子分をやってくれたかは知らんが、噂がたっちまってる。

 俺のメンツ、丸つぶれなんだよ。

 まあ、恨むなら、うわさを恨めや。」


そういうと、番長は俺に殴りかかってきた。


俺はすかさず心の中で叫ぶ、「拷問はじめ!」。


しかし、拷問部屋は現れず、俺はそのまま殴られた・・・。



=== 作者あとがき ===


ヒロインは3話から登場します!


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