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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
1章 プリンセス・ロザリアンロード

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驚いた事にSランクダンジョン70階層ボス部屋にあった隠し宝箱から転移魔法を手に入れた。

魔導書ではなくスキルを手に入れた時の様に水晶玉だった。


55階層と65階層ではMP回復ポーション、60階層ではフルポーションというHPとMPを同時に全回復してくれるポーションが手に入った。

はっきり言って今ではロザリアンヌでも練成できる物だったのでガッカリだった。

そして期待する事も無く開けた70階層の宝箱。

手に取った瞬間転移魔法を覚えた感覚があり、ロザリアンヌは自分でも驚きそして不思議だった。


何故なら以前緊急脱出用のスクロールから転移魔法を解析し、自分で魔導書を作り既に転移魔法を覚えていたからだ。

それなのに新たに覚えた感覚があったのが不思議で仕方なかった。


しかしあの時覚えた転移魔法は任意の場所には転移出来ず仕方なく転移石を作っていたのだが、もしかして任意の場所に転移できる様になったのだろうか?


魔石に転移魔法陣を書き写したり座標を確認したりする必要も無く、自由自在に思った所へ転移できるというのだろうか?


だとしたらこれは本当に凄い事じゃ無いのか?

ロザリアンヌは矢も楯もたまらず試してみる事にした。


取り敢えず転移石無しで長距離転移と考えて、ふとアンナの顔が思い浮かんだ。

アンナの店の中だったら誰かに見られる心配も少なく、何かあっても誤魔化してくれる筈。

そう考えてアンナの所へと思ったが、もし本当に誰かいたとしたら迷惑を掛ける事になると思い直し止める。


そして結局自分の部屋へと転移した。成功だった。

しかし転移石で転移してくることの多かった自分の部屋が転移先では、何とも成功した実感も感動も薄かった。


それからキラルやレヴィアスに何も言わずに転移して来ていたので、急いでキラルを思い浮かべ転移を念じる。


これが成功したなら任意の場所の指定だけでなく、何処に居るか定かでは無い人物を指定しても転移できるという事で、本当に凄い転移魔法を手に入れた事になる。


ロザリアンヌは失敗する事など微塵も感じる事無く、いつもの浮遊感のような感覚の後にしっかりと辺りを確認する。


「もうロザリーってば、急に気配を消すから心配したんだよ」


キラルに抱き付かれロザリアンヌは少し反省しながら謝るしかなかった。


「ごめんごめん、思いついたらつい実行してみたくて」


「レヴィアスが心配ないって言うから待ってたけど、そうじゃ無かったら気配を探して僕も追いかけてたよ」


「本当にごめんなさい。でも凄い魔法を手に入れたみたい。キラルを対象にして転移できたのよ、凄いでしょう。これで転移ももっと楽になるわよ」


ロザリアンヌはキラルの頭を撫でながら、納得して貰おうと必死だった。


「マスターも使っていた魔法だな。その魔法は時空魔法と融合して時空転移魔法となっている筈だ。マスターがダンジョンの入り口をこの地に設置した時に使った魔法だな」


レヴィアスの丁寧な説明にロザリアンヌはさらに驚いた。


「大賢者様が使っていた魔法・・・」


本当に凄い魔法を手に入れたのだと思うのと同時に、大賢者様が辿った末路を思い浮かべ複雑な心境だった。


この魔法が国王を疑心暗鬼に陥らせ、結果アンデッド化するまでダンジョンに籠る事になったのだと。

ロザリアンヌは本当に手に入れて良かったのかとしばし思い悩む。


しかし覚えてしまった物は仕方ない。忘れる事ができないのだから上手く使っていくしかないと思う事にする。


それにしても50階層のボス部屋で限界突破を手に入れてから、その後のボス部屋はたいした物が手に入らなかったのですっかり油断をしていた。

ましてや限界突破以上の物が手に入るとは思っていなかった事も、ロザリアンヌの油断を誘っていた。


と言う事は、この先もっと凄いスキルか魔法を手に入れる事になるのだろうか?

だとしたらそれはいったいどんな?

ロザリアンヌは怖いもの見たさの心境だった。


これ以上強すぎる力を手に入れるのは怖いと思う反面、これ以上のスキルや魔法っていったいどんなのがあるのか知りたいという興味。


そういえば大賢者様が残した魔導書の確認はアンナに任せてしまい、ロザリアンヌ自身はあまり良く確認していなかった。

あの魔導書の中にこの時空転移魔法はあったのだろうか?


あの時は使わない魔法を覚えても仕方ないという気持ちが働いていたが、何だかこの際だから全ての魔導書を確認し覚えてしまおうかという気持ちも動き出した。


使えるか使えないかも分からないが、使うか使わないかは自分で考え選ぶ事はできる。

だったらいずれ何かの役に立つ事もあるかも知れないし、今より使い勝手の良い魔法があるかも知れない。

だとしたら折角大賢者様が残してくれた魔導書なのだから、有難くすべて覚えてしまっても良いのかも知れないと、半ばやけっぱちな気分になるロザリアンヌだった。


しかしそれにしてもとロザリアンヌは考える。

【プリンセス・ロザリアンロード】では時間の都合でCランクダンジョンまでしか攻略出来なかったが、BランクダンジョンもAランクダンジョンにも隠し部屋が存在していた。

アンナが一人でボス部屋を攻略しても隠し部屋が見つからなかったのは、やはりパート2が始まっていた為だったのだろう。


そしてその宝箱の中身から考えて、【プリンセス・ロザリアンロード】パート2はSランクダンジョンを踏破させたがっているとしか思えなかった。


だとしたらすでに大賢者様の件は【プリンセス・ロザリアンロード】パート2のイベントだったと言う事か?

もしかしたら闇の精霊であるレヴィアスも実は聖女候補が宿す予定だったのか?

ロザリアンヌは自分の抱いた疑問から急に不安になって行く。


ロザリアンヌとしては教会事件が聖女候補とゼルファーの出会いイベントで、所謂隠しキャラ扱いでそのままエンディングまで進むのじゃないかと考えていた。

だから聖女候補と関わらず魔法学校を卒業さえしてしまえば、【プリンセス・ロザリアンロード】から解放されるものだと思っていた。


でもゲームの強制力みたいなものがあって、Sランクダンジョンの踏破をしない事にはゲームは終わらないのだとしたら、ロザリアンヌが踏破をした場合どうなるのだろうかとさらに疑問が湧いた。


主人公は聖女候補なんだよね?

ではアンナでは無理だった隠し部屋の探索を何故ロザリアンヌができたのか?

ゲームの知識があったというならば、アンナに教えた時点でアンナでも見つけられた筈なのだ。

早い者勝ちと考えるなら、聖女候補が隠し部屋を見つけたとしても宝箱の中身は空だった筈。


(いったいどういう事?)


あまり深く考えないでいたけれど、聖女候補が経験値3倍の指輪をしている段階でもっと考えてみるべきだったとロザリアンヌは反省していた。


もしかしてこんな事は考えたくないが、完全に自分の事をモブだと思っていたが実は主人公が二人いるって設定じゃないよね?

ライバル枠だとか悪役令嬢枠ではなく、主人公同士競い合うみたいな?

だとしたらエンディングっていったいどうなるの?

どこまで【プリンセス・ロザリアンロード】パート2は続くの?


ロザリアンヌは悶々とした思いを抱いたが、今考えても何も答えを出せないのだと結論づけ諦める。


もし自分がモブではなく主人公の一人だったとしても、ゲームが用意したエンディングになんて従えない。

それにゲームの展開ばかりを予測した考えに縛られて、この先自由に動けなくなるなんてごめんだ。


私は絶対に偉大な錬金術師になるのだと、ロザリアンヌは【プリンセス・ロザリアンロード】の事はしばらく気にしない事にした。



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― 新着の感想 ―
[一言]  「妖精の羽」と「転移魔法の魔導書」を売り出せば、人気商品として、戦争や暗殺で活躍すること間違いなし。  目指せ、大賢者の二の舞。
[一言] プリンセス・ロザリアンロード2の外伝のヒロインとか・・・。 恋愛に関しては自分が望まない相手と結ばれなければ良いだけだし、可能な限り強くなって、どんなラスボスが現れても対応できる準備していた…
[一言] 偉大な錬金術師になるとか言いながら 凄そうなポーション見て大したことない扱いは草 ポーション作ってる描写が初期しかないけど、そのポーション作れるんだっけ?
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