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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
1章 プリンセス・ロザリアンロード

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ロザリアンヌはダンジョン攻略にさらに力を入れていた。

大賢者様のレシピの検証解析の為に少しでも多くの素材を手に入れたかった事もあるし、レヴィアスもダンジョン攻略には必ずついて来てくれるので、ロザリアンヌは何となく安心できたからだ。


レヴィアスが一人で何をしているのかロザリアンヌに聞かせてくれていればそんなに心配する事も無いのだが、相変わらずどこで何をしているのか話してはくれなかった。


本当に長く一人で居た弊害とでも言うのか、それとも闇の精霊の特性なのだろうかと頭を悩ませながらもロザリアンヌもあまりしつこく聞く事をしなかった。


キラルはかなり能天気な精霊だ。

ロザリアンヌ同様あまり物事を深く考える事も無く人を疑う事も無い。

それにキラルの笑顔にはやはり浄化の作用がある様に思う。

女生徒達だけでなく探検者達や街行く人の心までも、その笑顔で穏やかに癒している様にロザリアンヌは感じていた。


精霊の特性の違いなのか性格の違いなのか判断はできないが、まあそんな事はどうでも良いかと深く考えるのを止める。


レヴィアスもキラルも何か困った事があればきっと話してくれるだろうし、必ず頼ってくれるだろうとロザリアンヌは信じていた。


それにダンジョン攻略は今はユーリ達が一緒じゃないというのが何より気楽で、さらにダンジョン内を自由に飛び回れるのが本当に楽しくて仕方なかった。


やっぱり身体を浮かす事ができるだけの浮遊と、自由に飛び回れるのとは断然に気分が違った。

水中を自由に泳ぎ回るのよりも気分が良かった。


前世の私はとにかく泳ぐのが好きだった。

海辺の町に住んでいた事もあり、子供の頃は夏でなくても海に入り密漁にならない種類の海産物を獲ったりもしていた。


そして何より海の中だろうがプールの中だろうが、水中を漂うのが気持ち良くて好きだった。

水底から水面を見上げ太陽の光がキラキラと波に反射するのを見るのが好きだった。

自分はマーメイドの生まれ変わりじゃないかと本気で思っていた事もあった。


それも子供の頃の痛い妄想でしかなかったが、ロザリアンヌは今は本気で妖精になれた様な気分でいた。


(やっぱりこの気分を他の人にも味わわせてあげたい)


ロザリアンヌは内心でこの妖精の羽を公開できる日が来る事を諦めてはいなかった。


「ねえレヴィアス、浮遊魔法の交渉をレヴィアスがしてくれない?」


ロザリアンヌは本気でレヴィアスに持ち掛けてみた。


レヴィアスは国との交渉次第だと言っていた。

そしてその交渉をうまくできる人が居るとすれば、それはきっとレヴィアスしかいないだろうとロザリアンヌは思っていた。


浮遊魔法を提供する事でこの妖精の羽を世に出せるのなら、錬成した甲斐があると言うものだ。

ロザリアンヌ同様に喜んでくれる人が絶対居るに違いないとロザリアンヌは信じていた。

それに自分が誰にも喜ばれない物を作ったとは思いたくなかった。


「おまえがそう言い出すのを待っていた。まあ任せておけ。しかし今はまだダンジョン踏破を優先しよう」


レヴィアスの存外呆気ない回答にロザリアンヌは拍子抜けだった。


それにレヴィアスの中では既に浮遊魔法を国との交渉材料にするのは決まっていた様だ。

それならそうともっと早くに言ってくれれば、ロザリアンヌも思い悩む事も無かったのにと少し恨めしさを感じていた。


しかしそんな事より近い将来この妖精の羽を公開できるのだと思うと、嬉しさの方がはっきり言って大きかった。


「やったー!じゃあ今のうちにある程度複製しておくか」


ロザリアンヌの心はもう既に妖精の羽公開後の事を考え始めていた。


「今はまだダンジョン踏破の方が優先だと言っただろう」


レヴィアスに鋭く睨まれ、ロザリアンヌは首をすくめる。


「分かってる。気を引き締めて行きましょう」


「うん、僕もロザリーと一緒に頑張るよ」


キラルは飛び跳ねる様にして気合を入れ直している様だった。


ロザリアンヌにはここSランクダンジョンの踏破と浮遊魔法の交渉とがどう関係するのか、それともただ単にタイミングを見計らっているのかはまったく分からなかった。


でも今はレヴィアスを信じてダンジョン踏破に力を入れようと雑念を振り払い、キラル同様気合を入れるロザリアンヌだった。



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― 新着の感想 ―
[一言] 物語の展開としてはSSランクのダンジョンの存在で展開の厚みを補強して欲しいような。 女王になって不自由な生活になるより、王に指示できるくらいの国益に必要で、王でも反発し難いほどの強さ、存在に…
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