表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
1章 プリンセス・ロザリアンロード

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/303

61


Aランクダンジョンで自動マッピングと言うスキルを手に入れた。


空間探知能力と合わせると脳内に自分の行った事のある場所が立体の図面の様になって浮かんだ。

学校内だろうが街中だろうが部屋の中だろうがである。


これはもうSランクダンジョン踏破の為のスキルだなとロザリアンヌは何故か素直に納得した。


そしてなんと≪全状態異常無効≫が付与されたペンダントも手に入れた。


びっくりだった。


早速全状態異常耐性のリボンを作り装備する事で完璧防御を得た気分だった。

少々のゴリ押し攻撃で攻撃を受けても怖い物無しな気がするとロザリアンヌは有頂天だった。



そしていよいよSランクダンジョンに挑み始めた。


ここまで早かった様な長かった様な、なんだかんだで一年近く掛かってしまったが、いよいよ闇の精霊に会えるのかと思うと自然と気合も入った。

一応お泊りも考えて、快適なキャンプグッズも色々と練成してあるし買い込んでもある。


もう準備万端だった。


しかし分割されていない一階層を隅から隅まで探索しながらの攻略は思った以上に時間が掛かった。


別に隅から隅まで回らなくても良さそうなものだが、地図が埋まらないのは何となく気持ちが悪かったのと、他のダンジョンと違い入る度に地形が変わる様な事は無いので引き返してでも埋めて歩いた。



「闇の精霊の気配は段々強くなってるけど・・・」


「うん、なんか変だね」


キラルとウィルは攻略が進むにつれ少しずつ不安そうにしていた。


そしてキラルの「やっぱり急いだ方が良いかも」という意見で、食料が続く限りと言うか夏季休暇が終わるまで泊まり込みでダンジョン攻略を進める事にした。


魔物の強さに関してはあまり脅威では無かったが、いったい何階層まであるのかも分からずに攻略するのは地味に疲れ、徐々に精神的なダメージや不安が蓄積して行った。



そして突然攻撃を受けた。


気が緩み心に隙が産まれていたのは確かだったが、前触れもなく探知に引っ掛かる事も無い相手からの突然の攻撃に体が宙を舞った。


ブローチの機能で自動で張られていた結界も簡単に破られ、防御力を強化されていたゴスロリドレスを着ていなかったら多分大怪我をしていただろう。


ロザリアンヌは混乱する思考と見えない敵から受けた強い攻撃に初めて恐怖を覚えた。


「ロザリー大丈夫?」


駆け寄って来たキラルに安否を確認され回復魔法を掛けられた事で少し気持ちが落ち着いた。

アンナはどうした?と視線を回すと、アンナにはウィルが駆け寄っていた。


「いったい何が起こったの?」


ロザリアンヌがキラルに尋ねたその時だった。キラルの咄嗟に張った結界が音を立てて破られた。

見るとまたもや攻撃があった様で、キラルが庇ってくれたのが分かる。


「闇の精霊だよ」


キラルの視線の先を確認すると、闇に隠れるようにして佇むアンデッドが居た。


長い白髪をなびかせ殆ど骨となった身体にボロボロのローブを纏い、禍々しいオーラを放っているソレを闇の精霊と言われてもロザリアンヌは俄かには信じられなかった。


「でも・・・」


ロザリアンヌが戸惑う内にアンデッドの目が光った。


「来る!」


キラルはまたも結界で守ってくれた。


「ロザリー立てる?」


キラルに促されロザリアンヌは漸く状況を飲み込めた。


こんな所で佇んでいる場合じゃない。どうにかしなくちゃ。でもどうやって。それになんで精霊があんな姿に?


グルグル回り始めた思考に答える様にキラルが言った。


「穢れが多すぎて正気を無くしているんだ、ロザリーは浄化をお願い」


「浄化ならキラルの方が確かなんじゃ無いの?」


「今の僕じゃ力が足りない。僕はみんなを守るからロザリー頑張って」


キラルの励ましにロザリアンヌは覚悟を決め頷き立ち上がり、浄化を願いアンデッドに向けて放つ。


浄化が効いているのか闇の精霊は苦し気にしながらも攻撃は続いている。

禍々しいオーラが勢いを付けて飛んでくるのがロザリアンヌにも漸く確認出来た。


キラルはその攻撃に合わせ結界を張りアンナもウィルも守っていた。かなり必死な様だった。

ロザリアンヌもキラルにこれ以上の負担を掛けさせたくないと必死に魔力を込め浄化を放つ。


どの位の時間が経ったのだろうか、闇の精霊は激しく苦しみだし漸く膝を突いた。

しかし闇の精霊は抵抗する様にまだ攻撃を諦めてはいなかった。

そんな闇の精霊の攻撃を躱しながらウィルが鞭を振るい始める。


「ウィルありがとう」


アンナの意識が戻り安心したウィルが一緒に参戦してくれた事で、ロザリアンヌは大きな力を貰った様だった。


「私もいるわ。少しだけど私にも手伝わせて」


アンナはロザリアンヌの肩に手をやると、使えなくなっていた筈の浄化を放ち始めた。

アンナのステータスが上がった事で、使えなくなっていた光魔法をまた使える様になったらしい。


「うん、ありがとう」


頑張らなくちゃと思いながら、もし失敗したらと不安になっていた気持ちがスルスルと解けて行った。

みんなに勇気と言う光を貰った気分だった。


アンナの浄化が加わったお陰か、ひと際輝く浄化の光が闇の精霊を包んで行く。



そして禍々しいオーラがすっかりと消えると、アンデッドの姿をしていた闇の精霊は倒れ、キラキラと光の粒が舞う中、闇の精霊本来の姿に戻って行った。

それを見てロザリアンヌは全身の力が抜けその場に座り込んでしまう。


「ロザリー良く頑張ったね」


キラルが抱き付いて来た。頑張ったのはキラルの方だよと言葉にはできなかったが、感謝してキラルの頭を撫でた。


「やったねアンナ」


ウィルはアンナに抱き付いていた。


「本当に良くやったわロザリー」


アンナもホッとした様子でウィルの頭を撫でていた。


「みんなの力だよ。私だけだったらきっとダメだったわ」


ロザリアンヌ達はみんなの無事を確認し合い喜び合った後、闇の精霊が目覚めるのを待つ事にした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ