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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
1章 プリンセス・ロザリアンロード

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時間停止機能付きマジックポーチを作り上げてからのロザリアンヌは、とても忙しく動いていた。


魔道具研究施設に新しく錬金術部門が作られてから、錬金術の知名度が上がりソフィアの錬金術店にも探検者以外のお客が来るようになっていた。


一般の人達がいったい何を買うのかと思ったら、体力を回復をする下級ポーションや擦り傷などの小さな怪我を直す無印のポーションに、毒の状態異常を改善する下級キュアポーションが人気だった。


ロザリアンヌが錬金術の練習に今まで作っていた物で在庫は山ほどあった。


その人気は下級ポーションを飲むと疲れが取れるとか、無印ポーションを飲まずに皮膚に付けたらお肌がツルツルもちもちになったとか、下級キュアポーションを塗ったらニキビや吹き出物が無くなったという口コミからだった。


この世界に化粧品も当然普及していたが、貴族や富豪達しか手にできない程の高級品だった。


しかしソフィアの錬金術店で売っているポーションなら、探検者価格なのでお手頃で手に入れ易い物だった事が人気に拍車をかけた。


今まで嫌という程錬金術の練習のために作り続けた在庫が、日に日に減って行くのは嬉しい事ではあったが、この人気と需要が留まるまでに在庫が持つかが心配になっていた。


それから、収納ボックスと収納バッグの製作依頼もかなりあった。

容量の大きなものはいまだにロザリアンヌにしか作れずにいたので仕方のない事ではある。

それでも必要とする人達が喜んでくれると思うとロザリアンヌも作り甲斐があり、また錬金術の腕が上がる実感があったので苦ではなかった。


錬金術部門の錬金術師は容量の小さい物なら作れたが、その制作個数は一日に1つか2つ作るのがやっとだった事から、ロザリアンヌに回された依頼も稀少性を持たせる為にも急ぐ事は無いと言われた。


しかし依頼を溜めておくのは性分として無理なロザリアンヌは、請け負った仕事は早々に終わらせて依頼主に渡すタイミングを錬金術部門の責任者に任せる事にした。


そんな心配事や仕事が増えていると言うのに、魔法学校の担任であるマッシュがやたらと課題を出して来る様になっていた。


その殆どはこの本を読んでおけという指示だったが、やたらと難しい内容のものになっていたので理解するのに時間が掛かった。

時には理解するために別の知識を必要とし、その専門書を探す手間が増える事もありかなり面倒だった。

なのでロザリアンヌは午後の自主練の時間にダンジョンへ行けない日が増えていた。


本科生に上がる15歳になるまでにステータスをMAXにして、ダンジョン攻略をスタートダッシュで決める予定が思う様に進んでいなかった。


当然アンナとの臨時パーティーも自然消滅となり、アンナはアンナで一人でダンジョン攻略をしたり、新しい魔法の開発に全力を注いでいる様だった。


ロザリアンヌはそんなアンナが今一番羨ましくて仕方なかった。


「私も私の遣りたい事だけを遣っていたいのに・・・」


錬金術での付与効果の移し替えなどの実験もしたいと考えていたのに、ダンジョン攻略が思う様に進まない事から始める事もできずにいた。


Gランクダンジョンで各種耐性付きのアクセサリーを手に入れ、一つの装飾品にいくつの能力を付与できるか、何度効果の移し替えをできるか早く実験したかった。


第一ロザリアンヌは錬金素材を手に入れる為、ステータスを上げる為と言いながらダンジョンに入るのが好きだった。

魔物と戦いレベルが上がって行くのも楽しかったし、貴重なアイテムを手に入れるのも楽しかった。


それなのに今は自分が本当にやりたい事をやれない様で少しイライラしていた。

とはいえ、誰かに期待され忙しくするのは嫌いではない。

丁度いい忙しさと言うものは無いのかと、ロザリアンヌは溜息を吐いた。


そんな日々の鬱憤を、やたらと話しかけて来る様になっていたクラヴィスやランディーに、目力と話しかけるなオーラを放ち無言で撃退する事で晴らしていた。

クラヴィスもランディーもロザリアンヌがクラヴィスの顔を腫らした事件に触れる事は無かったので、そこだけはちょっとだけホッとしていた。

とはいえ多分ロザリアンヌの目つきは相当悪くなっていると思われたが、当の本人はそれに気付いてはいなかった。


そしてヒソヒソする女子生徒達の集団も、睨み付ける事で黙らせ気分を晴らしていたので、これではまるで悪役令嬢ポストだなと内心でちょっとだけ反省していた。


別に他の生徒と仲良くする気がまったく無い訳では無かったが、本当にそんな余裕も無い程にやる事が多く他人に関わっている暇が無かったのだ。

そんなロザリアンヌの今の密かな楽しみは、間近に迫っていた夏季休暇だ。


この世界の学校にも当然の様に夏季休暇と冬季休暇はあった。

それも夏季冬季共に1か月と言う長期休暇なので、ロザリアンヌはその間に滞っているダンジョン攻略を進める予定でいた。


強くてニューゲーム計画を一気に進める予定を計画しながら、夏季休暇を楽しみにする事でモチベーションを保っていられた。


そうしていよいよ迎えた学期末試験でロザリアンヌは大失態を犯してしまう。

退学にならないを目標にしていたので、そもそも成績の順位に拘っていなかったのだが、つい何も考えず全力を出してしまった。

多分気持ちに余裕が無くなっていたのが原因だろう。


それ程までに余裕をなくし、ただただ夏季休暇だけを楽しみにしていたロザリアンヌは全力で試験に挑み、その結果座学も魔法技術も共に満点以上の結果を残し学年首位の座に君臨してしまったのだ。


その結果生徒達だけでなく教職員達にも広くロザリアンヌの実力は知られ、注目される事になってしまった。

しかし当のロザリアンヌは自分の結果を確認する事をしなかったので、その失態に気付く事無く夏季休暇を無事に迎えられる事を心から喜んでいたのだった。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 目立ちたくないとか言ってるくせに目立つことしかしないのがなぁアホかなこの子?
[一言] 自業自得で社畜化? 読んでて楽しくないんだけど....
[一言] 満点を取ったのもそうだけど 自由に生きたいなら、公共の利益(マジックボックスとかね)に貢献せず自分のものだけ作れば良いのに もしかして主人公は、日本の進学校あるあるな →お勉強が出来る頭…
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