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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
1章 プリンセス・ロザリアンロード

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アンナが今日のダンジョン攻略は付き合えないと言うので、ロザリアンヌはボス部屋に挑む事にした。


何にしても隠し宝箱入手の為に一度は一人でボス部屋攻略をしなくてはならないので、それには丁度都合が良いだろうと考えた。


「こんにちは」


いつもの様に窓口でマリーに挨拶をしながら探検者カードを差し出した。


「こんにちは、今日も元気そうね」


「はい、それで今日は1階層ボスに挑もうかと思ってます」


ロザリアンヌの申し出にマリーは少しの間固まった。


「見た所今日は一人での攻略みたいだけれど?」


「はい、今日はアンナさんは都合が悪いそうです」


「そういう話を聞いているのじゃなくて、一人では危険だと言っているのよ」


「心配してくれてありがとうございます、ちゃんと気を付けます」


マリーはロザリアンヌの返事を聞いて溜息を吐いた。

そして確かに探検者の判断に口を出すのはマリーの仕事ではないと、ロザリアンヌの説得を諦める。


「本当に気を付けるのよ。危ないと判断したら迷わずに退出する事を約束して」


説得は諦めたマリーだったが、心配をせずにはいられずきつく言い聞かせる。


「心配していただいてありがとうございます。大丈夫です、お約束します」


ロザリアンヌは大丈夫だと思いながらも、マリーの心配する気持ちが嬉しくて素直に返事をしていた。

そうして入ダン手続きを済ませ、探検者カードを受け取ると1階層ボスの部屋の列へと並んだ。


するとボス部屋の列に一人で並んだロザリアンヌを見て、周りの探検者達は目を丸くしながらも、「気を付けろよ」とか「頑張れよ」と温かい言葉をかけてくれていた。


むさ苦しく感じる探検者達の方がロザリアンヌの普段の頑張りを良く見てくれていて、その実力も判断してくれている様だった。

ロザリアンヌはその気持ちが嬉しくて「ありがとうございます」と一人一人にお礼の返事をしていた。



ここの階層ボスは突撃猪をさらに大きくした激突猪だった。


突撃猪が皮か肉と魔石をドロップしたが、この激突猪のドロップ品は魔石と牙でレアドロップで胆嚢だった。

この胆嚢が薬にもなるらしく人気も高く買い取り額もかなり高かった。


しかし今日のロザリアンヌの目的は隠し宝箱なので、ボス部屋周回は程々にするつもりでいた。


対面した激突猪は早速激突するために溜めのポーズに入ったが、ロザリアンヌはピコピコハンマーを片手に既に走り出していた。


そして激突猪の直進コースから少し外れた場所を走りながら、軌道修正しようと身体の向きを変える激突猪にピコピコハンマーを打ち付ける。


猛毒も痺れも睡眠も簡単に入った激突猪はすぐに動かなくなったので、ピコピコハンマーの反対面でシャイニングスピアを撃ち込みとどめを刺す。


激突猪が静かに姿を消した後のドロップ品を拾うと、ロザリアンヌは早速隠し部屋を探し中へと入る。


宝箱を開けると毒耐性が付与されたペンダントがあった。

このGランクダンジョンの隠し部屋の宝箱は、各種耐性が付与された装飾品が殆どだった。


あくまでも耐性であって無効では無いので、薬草ダンジョンで得られた装飾品と比べると、何とも言えず残念な気もしないでもないが、ロザリアンヌには考えがあった。


薬草ダンジョンで手に入れた、魔力量100%UPもMP消費半減も他では手に入れられない効果だった。

そしてそんな魔法が存在しないので自分で効果付与された装飾品を作る事もできない。


となるとその貴重性は言うまでも無く、ロザリアンヌには絶対に必要だったが、しかしそんなにジャラジャラと装飾品を身に着けるのはあまり好きじゃない。

なのでロザリアンヌは、それぞれの効果を一つのアクセサリーに纏められないかと考えていた。


既にピコピコハンマーを作り上げたロザリアンヌならできない事も無いだろうと思ってはいたが、二度と手に入れられない効果だと考えると失うのが怖くて試す事ができずにいた。


だがこのダンジョンで手に入る耐性ペンダントなら、練習に使うのにそれ程躊躇う事も無く、もし失敗してもいずれは自分で作れる様な気もしていた。


このダンジョンで各種耐性ペンダントを全部手に入れたら、是非錬金術で効果の移し替えとアクセサリーの作り替えに挑戦しようと考えていた。


いったい幾つ迄一つのアクセサリーに効果を付与出来るのか、いったい何度効果の移し替えが可能なのか、どんなアクセサリーならダンジョン攻略に邪魔にならないのか、ロザリアンヌには試してみたい事がかなりあった。


素材を集め一から作るのではなく、リサイクルの様に形あるものから別の物に作り変えるレシピもその一つだった。


錬金術の可能性がまた広がった様な気がして、ロザリアンヌは既に胸をワクワクさせながら毒耐性のペンダントを眺めていた。


そしていつか絶対の自信を持って、今身に着けているアクセサリーの効果を一つに纏めるのだと、ロザリアンヌは新たな目標を立てていた。



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