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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
1章 プリンセス・ロザリアンロード

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いつ会えるかも分からない闇の精霊に期待して何もせずに過ごすのも勿体ないので、ロザリアンヌは相変わらずに知識を蓄える為に図書館通いを続けていた。


他に時間魔法に関するヒントが無いかと探したが、そもそもバフやデバフに関する魔法の存在自体が無い様だった。

ロザリアンヌが考える時間魔法はバフやデバフにも使えるだろうと考えたので、その方向からも探ってみた事で発覚した事実だった。


と言う事は、錬金術で武器や防具に付与できる効果はほとんどないと言う事だ。

となったら、ボス部屋で手に入った装飾品の数々は本当に貴重だったと言うしかない。

ホント、主人公チートの為にだけ存在する効果なのだろうと納得するしかなかった。



そして入学して1か月が過ぎようとした頃、漸く中級ダンジョン塔への出入りを許可された。

ロザリアンヌが思っていた以上に時間が掛かったように思えたが、これでもかなり急いでくれたと言う事だった。


学校やお役所の手続きなんて前世でもそんなものだったと半ば納得して、お礼だけは忘れずに言葉にした。


「ありがとうございます、早速今日から行ってみます」


「まぁ待て待て、初めは一人で攻略せずにグループを作る事を薦めるのだが、ロザリアンヌおまえには必要ないと言えば必要ないだろう。しかし担任としてはやはり同行者がいる方が望ましい。中級ダンジョンに慣れるまでは誰かに同行して貰いなさい」


ロザリアンヌはゲームの中でそんな指示をされた事が無かったので、誰かに同行して貰えという条件付きの許可に少し戸惑った。


「えっと、それって魔法学校の生徒じゃなくても良いですか?」


「今現在おまえと一緒に中級ダンジョン塔を攻略出来る生徒はこの学校には居ないと思うな。となれば生徒以外に頼むしかないだろう」


ロザリアンヌは担任であるマッシュの助言に従い渋々頷いたが、本当は攻略させない為の嫌がらせじゃ無いのかと疑った。


「分かりましたそうします。あくまでも慣れるまでで良いのですよね?」


内心ではアンナに同行を頼んでみようと既に心を決めて返事をしたロザリアンヌは、いずれは一人で攻略を始める事の言質も取っておきたかった。


もっとも他に頼める知り合いなど居ないので、アンナに断られたらダンジョン前で顔見知りの探検者に同行させて貰えるように頼むしかないかとも考えていた。


「ああそうだな」


ロザリアンヌの迫力に気圧される様に返事をしたマッシュ。


(慣れたかどうかは私が判断して良いって事だよね?)


少なくともボス部屋の攻略は一人でしたかったロザリアンヌは、慣れるまでの基準を限定されなかった事に胸を撫で下ろしていた。



そうして早速魔導書店へと出向いたロザリアンヌはアンナを説得した。


「お願いアンナ。午後の3時間を私に貸して。お礼は必ずするから」


「でも私、中級ダンジョン塔へ入った事無いわよ」


「大丈夫私も初めてだけど、フォローはきっと十分にできるから」


アンナは学校退学時に探検者としての資格はく奪を言い渡されたが、それはただ単に学校側の嫌がらせだったとダンジョン課から後に聞いていたので、ダンジョンの探索は変わりなくできた。

だからロザリアンヌの願いを叶え同行する事は可能だった。


それにアンナはロザリアンヌの言うフォローをするという言葉を疑ってはいなかった。

ロザリアンヌがこの2年以上初級ダンジョン塔とはいえ毎日ダンジョンへ通っていた事を知っていたし、かなりの数の魔導書を購入してくれている。

レベルまでは知らないがその実力もなかなかのものだろうと思っていた。

だからこそアンナは、逆に自分が足を引っ張ってしまうのではないかという不安があった。


ロザリアンヌには言っていなかったが、ウィルが光の精霊でなくなった事で、覚えた筈の光魔法の殆どが何故か使えなくなっていた。

魔導書自体はそれまでに何冊か作ってあったが、今は作る事も光魔法を覚え直す事もできなくなっていた。


魔導書で覚えた他の魔法の数々は使えると思うが、実戦で使った事などまったく無いので、自分の実力がどの位なのかどの程度の魔法が使えるのかははっきり言って自分でも分からなかった。


「はっきり言うと自信が無いのよ」


アンナが困った様に呟いた。


「自信はこれから付ければ良いのよ。それにウィルだって無属性精霊として成長するかもしれないじゃない」


ダンジョン塔の攻略を進めたいロザリアンヌはアンナを必死に説得した。


「そうだ、私今魔導書に関しての勉強も始めたの。だから私がこれから覚える光魔法の魔導書の製作も手伝えると思うわ。その為にもダンジョン攻略は必須なのお願いアンナ」


ロザリアンヌに畳みかけられ、しばらく困ったような様子を見せていたアンナは諦めた様に返事をした。


「分かったわ、光魔法の魔導書がもっと必要なのは確かだし、折角覚えた魔法を使った事が無いと言うのも考えものよね。それに私もウィルもロザリーが言う様にもう少しステータスを上げても良いのかも知れないわね」


「やった~!!それじゃ早速行きましょう」


「ちょっと待って、今から?今から3時間は無理よ」


「気が変わらないうちに少しだけ様子を見に行きましょうよ、腕慣らしよ。そして明日からの対策を考えるのも必要でしょう」


ロザリアンヌはアンナの気が変わるのを避けるため、強引にアンナの手を取った。

自信が無いと言っているアンナも、きっと一度攻略してみればもっとやる気が出るだろうとロザリアンヌは考えていた。


そんなロザリアンヌの考えを見透かしたのかアンナも仕方なしに笑い声をたてた。


「仕方ないわね、急いで準備をするわ少し待ってて」


そうしてアンナという同行者を得たロザリアンヌは、約一カ月ぶりのダンジョン攻略にテンションを上げて胸をワクワクさせていた。



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