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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
3章 雪と夜の国

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その場所はフィールドのほぼ中央辺りにあった。

左右に散ったキラルとレヴィアスが回り込むようにして戻る中、ゆっくり直進していたロザリアンヌとテンダーと全員がちょうど合流できた場所でもある。


ジャングルの中にありながら草原のようになったその場所の中央に、眠るように蹲る一匹の白い虎。

ロザリアンヌ達の気配を感じたのかゆっくりと立ち上がるその白い虎の体はインド象ほどの大きさに思えた。

そして他の雑魚敵とは比べものにならないオーラを放っている。


「あ、あれは・・・」


一緒にいたテンダーはそのオーラに気圧されたのか言葉に詰まる。


「きっとここの聖獣だね」


ロザリアンヌの傍まで移動してきたキラルが呟く。


「楽しそうな相手じゃないか」


同じく合流しロザリアンヌの隣に立ったレヴィアスが好戦的な態度を示すのが合図になり、ロザリアンヌもキラルも思わず身構えた。


「我を見て好戦的に振る舞えるとはあっぱれである」


余裕を見せるかのようにゆっくりと歩き出した白い虎はロザリアンヌ達を威圧してくる。

しかしロザリアンヌもキラルもレヴィアスもすでにその程度の威圧に動じる事はない。

ただ一人テンダーだけが少し足を震わせ腰を抜かしそうになっている。


「テンダーのレベル上げが必要のようね」


ロザリアンヌがテンダーの情けない姿を見てそう呟くと白い虎は地面を蹴った。

その瞬間レヴィアスの拳銃から魔弾が連射され、接近したキラルのピコピコハンマーが炸裂する。


ズキュン! ズキュン! ズキュン! ズキュン! ズキュン!


ピコッ! パコパコッ!!


するとロザリアンヌが放とうと上空に待機させたシャイニングレインが放たれる事なく、白い虎の戦意はあっけなく消失していった。


「もう終わり? たいしたことないじゃん」


「もう少し楽しませてくれるかと思ったのにな」


「キラルもレヴィアスも本気出しすぎじゃないの!?」


ロザリアンヌは上空に待機させた魔法を収束させながらキラルとレヴィアスを見やる。

そしてなんだか一匹相手に袋叩きにしたようで正直ちょっと気分が良くないとおもっていた。

言葉を話す聖獣相手だからだろうか?


「そこで震えているヤツに私の実力を再確認させる必要もあったしな」


キラルはともかくレヴィアスはテンダーを意識しての事だったらしい。

そういえばテンダーが仲間になってからたいした戦闘もしてなかったのは確かで、師事したといいながら何かを教えた覚えもなかった。


「震えてなどいません!」


テンダーは自分の事を言われたと分かったのか、それとも白い虎の威圧がなくなったからか元気を取り戻していた。


「私の負けだ。ダンジョンを解放した。好きにするがいい」


気を失ったかのように目を回していた白い虎も復活している。


「好きにするって、私たちはダンジョンを踏破したいだけだよ?」


「この大陸にあるすべてのダンジョンを解放し踏破するとこの祠の中央に新たなダンジョンが出現する。楽しみにするがいい」


「楽しみって・・・」


白い虎からもたらされた初情報にロザリアンヌは少しだけ驚いた。


「あの扉がいっぱい並んでいたところだよね?」


「そうだ」


(あの無駄に広かった空間に新たなダンジョンが出現するのか・・・)


「またここへ戻らなければならないのだな」


効率化を考えていたレヴィアスは確認するように呟いた。


「なんにしてもすべてのダンジョンを解放し踏破するだけよ。この大陸にダンジョンが幾つあるか数が分かっているだけいいじゃない」


この大陸には多分全部でダンジョンが九つあると分かっただけでもありがたい。

というか、九つしかないのなら意外に簡単に片付きそうだとロザリアンヌは考えていた。



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