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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
3章 雪と夜の国

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中は天井がやたらと高いどこかの建物内のような雰囲気もあるだだっ広い空間だった。

洞窟といった岩剥き出しのごつごつした感じは無いが、人の手によって作られた遺跡や神殿という感じでも無く、何とも不思議な感じしかしない空間だった。


『ファーストコンタクトを確認。ダンジョンの封印解除。これより活性化を開始します』


空間内にアナウンスのような声が響いた。


「誰!?」


ロザリアンヌが尋ねるように叫んでみるが当然のように返事は無かった。

封印解除とか活性化とか訳の分からない事を言っていたことから、このダンジョンがいまだ誰にも攻略されていなかったのだけは察せられた。


「また扉が現れたね~」


キラルの呑気な言葉に気付けば、いつの間にか空間の壁に新たに八つの扉が現れていた。


「何だろう…」


「まぁ、片っ端から確認するしかないだろう」


「そうなんだけどね。はぁー……」


いきなりのボス戦かと緊張していた分何事も無かったというか、予想外の展開に何か気分的にドット疲れた気がしていた。


「どこから始めます?」


テンダーもキラル同様に危機感も無く扉に向かって既に移動を始めていた。


「扉の色が違うのは何か意味があるのかな?」


キラルは銀色にも見える湖面のような薄い水色の扉の前に立ちノックをしていたが、当然中から返事がある訳も無く扉の色の違いを疑問にしていた。


「分かる訳ないじゃない。取り敢えず入ってみましょう」


しかしその答えを知る者はここに居ないのは確かなので、ロザリアンヌは答えを探すべく一歩を踏み出した。


「じゃあ、開けるよー」


「ええ、お願い!」


キラルが薄水色の扉を開けるとそこは6畳程の空間で、その中央に転移紋とおぼしき紋章が描かれていた。


「転移紋だね」


「そうだね」


「グズグズしていても始まらん。乗るぞ!」


レヴィアスに促されロザリアンヌ達は揃って転移紋へと乗った。

一瞬視界が歪み真っ白なトンネルを通過したというか、地底へ続く穴にでも落下しているような感覚の後にさっきとまったく同じ空間に立っていた。


「転移、したんだよね?」


「ああ」


「そう思うけどどうなんだろう」


「……」


ロザリアンヌは事実を確認すべく扉に手を掛けるとレヴィアスが「俺が開ける。念のために注意しておけ」とロザリアンヌを庇うようにして扉を開けた。


するとそこには見える範囲すべて雪に埋もれた本当に雪しか見えない雪原が広がっていた。

以前蜘蛛の巣ダンジョンの宝箱で手に入れた温度調整機能付き認識阻害マントの機能をコピーしたコートを作り羽織っていたので防寒対策は問題無かったが、ダンジョン内の雪原は予想外過ぎて驚きでしかなかった。


「このフィールドだけで終わりなのかな?」


「どこかに地階層へと続く階段があるかも知れないな」


「探してみるしかないねー」


「飛ぶんですよね?」


「飛ばないとこの雪の中移動は難しいよね」


テンダーは何故か時々微妙に会話の筋を外して来るので、正直ロザリアンヌは少しだけ面倒な気持ちを抱え返事をした。

そんなせいかいまだにテンダーと親交を深められた実感が無かった。


「どんな敵が出るのか楽しみだね」


キラルの言葉を合図に全員で足跡も残さず雪原の移動を始める。

見た感じ真っ白な雪の中に魔物の姿は無かったが、あちこちに気配はちゃんとあった。


試しに近づいてみると雪の塊がみるみる結合を始め、体長3m以上ありそうな大雪男のようなゴーレムの姿になる。

ゴーレムの弱点はスライム同様核で人間と同じ心臓部分にあるので、ロザリアンヌ達はそれぞれあっという間に難なく倒す。


その他にもよくよく見れば、雪に埋もれるようにして雪玉のようになったウサギのような魔物もいれば、地中に巣でもあるのか時々見かける穴の中にも魔物の気配があって、試しに近づいてみればミーアキャットみたいな魔物が多数出て来る。


どの魔物もたいして強い敵でも無い事からロザリアンヌは魔物に可愛さを感じ、雪原ダンジョンを移動するのも何となく楽しくなってきていた。

そしてマップを埋める頃に大きなかまくらを見つけ、中に地階層へと続く階段を見つけた。


「やっぱりあったねー」


「当然降りるのですよね?」


「当然よ!」


テンダーの問いにロザリアンヌは力強く答え、先を急ぐようにして階段を下りるのだった。



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