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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
2章 ロザリアンヌにお任せ!

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森林の村でキラルやレヴィアスと合流するとロザリアンヌはいよいよ別の大陸に旅立つ決意を新たにした。


「やり残した事はありませんか?」


ジュードに確認されロザリアンヌは少しばかり考える。


「あったら戻って来るから大丈夫」


「淋しくなります」


「忙しくて淋しさなんてすぐに忘れるわよ」


ジュードはこれからこの村の長としてやらなくてはならない事も沢山あるだろう。

ジュードが居なくなった淋しさを感じるとしたらきっとロザリアンヌの方かも知れないと思っていた。


「次にこの村に来る頃にはきっともっと発展している事を願うわね」


「必ずやお約束します。しかしちょくちょく顔を出してくれても私は構いませんよ」


「そうね。次の大陸がどんな大陸かは分からないけれど、一段落したら必ず顔を出すわ」


「…文を送ります」


「うん、楽しみにしてるね」


ロザリアンヌはジュードに見送られ、魔導艇を出せる場所へと移動し乗り込む。


「こ、これはいったい何ですか?」


興味津々のテンダーは放置で操縦席へと行くと、外で手を振り続けるジュードに手を振り返し魔導艇を上昇させる。


「どこへ行くのだ?」


「どっちの方向にどんな大陸があるのか分からないよね。取り敢えず飛んでいて見つけた大陸に上陸する? それとも世界地図をすべて埋めてからどの大陸にするか決める?」


「どちらも楽しそうだねー。取り敢えず飽きるまで飛んでみるのもいいんじゃない?」


「ロザリーの好きにするといい」


「本当にこんなに大きなものが飛ぶんですねぇ…」


みんなの意見からするとロザリアンヌの好きにして良いといった感じなので、ロザリアンヌは取り敢えず前方に向かって飛行を始める。


「じゃあ初めは世界地図を確認するつもりで飛ぶわね」


「OK。操縦はいつでも代わるからいつでも言ってよね」


「自動操縦もあるみたいだよ。だから大丈夫だと思う」


「僕だって操縦したいんだよー。ロザリーだけズルい!」


「分かった。じゃあ操縦はキラルに任せるわ」


ロザリアンヌは操縦をしたいというキラルに操縦席を譲る。


「やったーーー!」


大はしゃぎのキラルにロザリアンヌも何だか楽しくなってくる。

しかし操縦を譲ると途端にすることが無くなったロザリアンヌは身体強化魔法を装備品に付与できないかを検証する事にした。


「レヴィアス、私暫く練成作業をするけどいいかな?」


「ああ、好きにするといい」


「テンダーの事もお願いね」


「食事はどうするのだ?」


「あっ、そっか。ごめんここから好きなのを取り出して食べて」


練成に夢中になると時間を忘れる事を指摘され、メイアンで沢山テイクアウトした料理やスイーツの入ったマジックポーチをレヴィアスに預けた。

キラルやレヴィアスなら少々時間を忘れ食事を抜いても問題無いが、テンダーはそうはいかないだろう。

ジュードならキラルと嬉々として料理もするのだろうが、テンダーが料理をするかは疑問だし、テンダーに食材を預けていないのできっと無理だろう。

魔導艇内にちょっとしたキッチンもあるが、そもそもテンダーにキッチンが使えるかも疑問だし今は教えている時間も惜しい。


「レヴィアス、もしよかったらテンダーに艇内の案内とキッチンやお風呂の使い方を教えてくれないかな。料理に関してはキラルに後で頼むから…」


「……仕方ないな、それくらいならやっておこう」


興味津々に魔導艇内を移動しているテンダーの方へと向かうレヴィアスの背中に(お願いします)と頭を下げる。


そしてロザリアンヌは予定通り身体強化付与の検証を始める。

魔力による筋肉の着ぐるみをイメージするが、装備品にその能力を付与しようとしても上手く定着しないというか付与できる感じがまったくしない。


(何がダメなんだろう?)


今まで付与に関してはかなり簡単にできていたので、こんなに悩む事も無く何とも原因が思い付かないでいた。


(テンダーが言うように魔力を提供し続けないといけないという事か? だとしたら魔石で解決できるのか?)


そう考えて実行してみるがやはりどうにもこうにも付与できる気がしない。


(身体強化と漠然と考えるからいけないのか?)


ロザリアンヌは何度も失敗を続けそんな事を考える。

攻撃力2倍のようにただ簡単に筋力2倍や力2倍とか体力2倍と考えればできるかもしれないと。

しかしやはり何度やっても装備品に≪身体能力強化≫を付与できずにいた。


今まで錬金術関連で最終的に何かを諦めた事のないロザリアンヌだったが、今回ばかりは諦めるしかないかと思い始めていた。


そして身体能力強化を付与する気満々だった腕輪に嵌め込んだ魔石を見詰めながら、この腕輪から強化ボディースーツが飛び出して自動で装着できればと考える。

そう、仮〇ライダーやプ〇キュアのように所謂変身という形でなら身体能力強化もできるのじゃないかと。


ロザリアンヌは生前はセーラー服を着た月の戦士に憧れた。

月に代わって悪をお仕置きしちゃう戦士のあの変身シーンにどれだけ魅入られ真似した事か。


できそうだと思うと途端にテンションが上がるが、まさかキラルやレヴィアスにセーラー服を着せる訳にはいかないし、そうなると装着者個別に作らなくてはならないのだと気が付く。

もっともレヴィアスに提案しようものなら「私には必要ない」と言われるだろう事は予測がつく。

まったくもってテンダーが言っていたように本当にそれが必要かという事だ。


「………」


どう考えてもロザリアンヌにもキラルにもレヴィアスにも身体能力強化ボディースーツは必要ないと思われる。


「テンダーなら使ってくれるかも!」


ロザリアンヌは早速魔力の通りの良い素材を使い身体能力強化の為のボディースーツの練成を始める。

銀の腕輪に収納空間を作り普段はその中に収納させ、腕輪に魔力を流す事で自動装着するボディースーツ。


初めは戦隊ヒーローをイメージしていたが、全身の筋肉を意識し始めるとそのイメージはどんどん変わり、できあがってみると戦隊ヒーローというよりロボットレンジャーの筋肉もりもりボディーの様になっていた。

それも何というか見た感じガチガチのゴリマッチョ。


「こりゃダメだわ……」


これならモ〇ルスーツのようにきっちりロボット化させた方が余程良いと判断した。

ロザリアンヌはもっとしっかり身体強化の魔法をきっちりと覚え自分のものとして、ボディースーツのイメージもしっかりできるようになってから再度挑む事にする。

こうして一種の失敗と挫折を何となく覚え、初めて作った変身ボディースーツはテンダーに渡す事無くそっとマジックポーチに仕舞われたのだった。



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