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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
2章 ロザリアンヌにお任せ!

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テンダー専用の妖精の羽を錬成し装着させると、テンダーの飛行訓練がてら飛んで大森林の村へと戻る事にした。

この森へ来る時は転移魔法で一瞬だったのでテンダーの驚きようといったらなかったが、飛行して帰るとなるときっとまた驚くのだろうとロザリアンヌは少々楽しい気分になっていた。


テンダーはけして魔力が少ない訳ではないらしく、寧ろ他のエルフより多いかも知れないという話だった。


「じゃあなんで魔法を使わないの?」


「どうしてでしょう? 祖父の影響でしょうかね。でもいつもは身体強化に魔法を使ってますし、基礎魔法くらいは知ってますよ」


「身体強化の魔法があるの?」


ロザリアンヌは身体強化魔法と聞いて思わずテンダーに飛びついた。

ロザリアンヌの持つこの世界の知識では身体強化はスキルではあるが、魔法では存在していなかった。

なのでロザリアンヌの使える身体強化の魔法は時間魔法を使ったスピードを速める魔法だけだ。


「身体強化の魔法と言っても、魔力を筋力に一時的に影響させるだけですよ。まぁそれによって力が倍増したりスピードが速くなったりはしますけど魔力を使い果たしたら地獄ですよ」


「それ私に教えてくれないかしら?」


「いいですけど、私でも習得するのに時間が掛かりましたよ。それにロザリーはそんなに強いのにわざわざ魔力を使ってまで身体強化をする必要はないと思うよ」


「でも魔法を覚えたら他の人にも使えるじゃない」


「何言ってるんですか? 自分の魔力を他の人に分け与え続けるなんて難しくないですか」


ロザリアンヌはテンダーとイマイチ話が噛み合っていない気がしていた。


「魔法って魔力を放出させ発動するものよね。だから身体強化の魔法を相手に発動させればその人の身体能力が強化されるんじゃないの?」


「身体強化魔法って魔力で筋肉を作るようなイメージなんですよ。でもその筋力を維持するにも魔力が必要な訳で、相手に発動させたとしてもそれは本当に一時的なものだから維持するにはずっと発動させ続けなくてはならないんです。その間ロザリーは相手に魔力を分け与え続ける事になるよね。第一ロザリーは魔法使いなんだからそんな事に魔力を使うなら自分で別の魔法を使った方がいいんじゃないの?」


ロザリアンヌはテンダーの説明に何となく納得し、自分の魔力で筋力を増強させる想像をしてみると、ロザリアンヌの身体にボディービルダーかアスリートかというような形状の魔力が張り付きだした。


(なるほど、これが身体強化魔法か……)


確かにこの魔力で作った筋肉を補助にすれば力もスピードも上がりそうではあるが、魔法攻撃専門のロザリアンヌに必要だとは思えない。

それに着ぐるみのように一度作れば着続けられるというものではないようで、魔力を流さなくなればその筋肉は途端に消えた。


自分以外の誰かに身体強化の魔法をかけるとなると、穴の開いた風船で作った着ぐるみに空気を注入し続けるイメージなのだとロザリアンヌは納得した。

でも魔法を覚えられれば練成時に付与効果として活用できる。のか……?


ロザリアンヌは今すぐ練成で効果を確かめたい衝動にかられたが、今はテンダーの妖精の羽訓練の方が優先だと考えて、身体強化魔法に関しては要検証という事で後回しにした。


「もしかして身体強化魔法を習得したの?」


「うん、何となくイメージしたらできた感じはする」


「……そんな簡単に…。ホント呆れるね」


「でもまだ検証しなくちゃいけない事が山ほどあるみたいだから習得したとは言えないかもね」


呆れたというより驚愕の表情を浮かべるテンダーにロザリアンヌは若干の訂正を入れる。


「私はもうロザリーに関しては何も驚かない事にするよ」


「それより飛行訓練を始めましょう」


本当に呆れたように呟くテンダーにロザリアンヌは居た堪れなさを感じ飛行訓練を決行する。

ジュードと夜空を飛んだ時のようにテンダーと手を繋ぎ空へと飛びあがると飛行のコツを教えて行く。

テンダーはもともと魔力量も豊富な方であったし、飛行は身体強化の要領に似ているらしく案外あっさりと妖精の羽を使いこなし始めた。


「空を飛べる日が来るとは思わなかったよ。本当に楽しいーーー!!」


テンダーはどこに向かって叫んでいるのか分からないが超ご機嫌で飛んでいた。


「本当に楽しくて素敵よねーーー!」


いつの間にか繋いだ手は離されていたが、ロザリアンヌもテンダーに負けずと地平線に向かい叫んでいた。



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