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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
2章 ロザリアンヌにお任せ!

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ロザリアンヌはテンダーと守護木のある森で薬草採取に励んでいた。

今日は別の大陸へ旅立つ前の準備時間という事で、キラルともレヴィアスとも別行動をしている。


「フフフ…。これを嫌な奴に飲ませると楽しいですよぉ。最悪トイレから出て来れなくなりますから」


「それダメなヤツじゃない!」


弟子になった成果があるまで里に戻るなと言われているテンダーはなるべく里から離れた場所でと言うので、気配探知を使い他のエルフに会わないように気をつけながらの薬草講義を受けていた。


「そうでもないですよ。要は使い方や分量の問題に他のものとの組み合わせなど、薬作りはそこが難しい所ですから」


「なるほど…」


ロザリアンヌは錬成をする上で効果効能ばかりを重視しているが、やはり薬となると分量や組み合わせなども重要なのだと改めて教えて貰っていた。

薬草とは言っても草だけでなく、木の実や植物の根や木の皮なども薬の材料になるのだとしっかり実物を見て教えられるととても勉強になっている。

とは言ってもロザリアンヌは薬師になりたい訳ではないので、ポーションにどう応用できるかを考えたりしていた。


「こんな所ですかね」


テンダーは自分に教えられるのはこんなものだと言って立ち上がる。


「ありがとう、とっても勉強になったわ」


「お役に立てたのならよかったです。はぁ…。ぶっちゃけ役立たずだと思われるのは辛いですからね」


「役立たず扱いなんてした覚え無いんだけどな。私そんなに失礼だった?」


「そうじゃないですよ。実力差があり過ぎるのを実感しているだけです。これでも里の若いエルフの中では私は実力者として知られていたんですよ。それが四長老より強い存在が居るというだけで驚きで、何というか世界の広さを改めて思い知ったんです。自分がいかに狭い世界の中で満足していたかを思い知り、四長老を目標にしていた自分はこれから何を目標にしたら良いのか考えている所なんです」


テンダーは大きく伸びをして肩の力を抜いているようだった。


「強さだけがその人の価値でもないし実力を図れるものじゃないと思うな」


「エルフは強さが正義なんですよ。ずっとそう教えられてきたんです」


「私は偉大な錬金術師を目指しているのよ。だからテンダーの薬草の知識も自分に取り入れたいと思うし、これからも色んな事を体験して学んで行こうと思ってるの。テンダーもまずは自分が何をしたいかを見つけたらいいんじゃないの?」


「祖父の言う外の世界を見て来いっていうのはそう言う意味なんだろうとは分かっています。でもそう簡単に考え方も気持ちも変えられませんよね」


テンダーの横顔は遥か遠くを見ているようだった。


「別に無理に今すぐ変える必要は無いんじゃないの。そう言うのは多分変わっていくものだと思うよ」


「そうでしょうか?」


「テンダーには私達が羨むぐらい時間があるんだから急ぐ事はないと思うわ」


「言われてみればそうですね」


フフと笑ったテンダーは何かが吹っ切れたようにも見えるが、ロザリアンヌが力になれる事が無いのだと思うと少しだけ残念だった。

これから仲間として行動を共にしようというのに、ロザリアンヌにできる事が思い付かずにいたままではいつになったら仲良くなれるのかと溜息を吐いた。


「そうだ。テンダーの装備も整えなくちゃね」


「装備ですか?」


「レヴィアスが着ているようなスーツはどう?」


「あんな堅苦しいスーツを着て戦闘ができる訳ないじゃない!」


レヴィアスが着ているスーツを提案したが、テンダーに速攻で却下される。

ロザリアンヌの生前の二次元的知識だとエルフは簡素な自然素材系の服が定番だが、今のテンダーは何というか思った通りそのまま質素としか言いようがない上は貫頭衣下はもんぺといった本当にシンプルな服装だ。


仕方なく今着ている服のイメージから、カンフー服を錬成した。

勿論靴もそれに合わせたもので、性能盛り盛の装飾品も合わせて練成する。


「取り敢えずこれを着てみて。武器は短剣が良いのよね?」


「ええ、でも本来私は弓や投擲の方が得意なんです」


「弓か…」


弓と呟いてダンジョンの宝箱で手に入れた弓と矢筒を思い出した。

ロザリアンヌ達に使える者がいなかったので、すっかり忘れ去りマジックポーチの肥しになっていたそれを取り出しす。


そしてテンダーに渡す前に鑑定してみると、弓は魔法を込めると属性を付与した矢を一度に七連放てるとあり、矢筒の方は入れた矢が永続的に補充されるとあった。

要するに矢の切れる心配もなく撃ち放題攻撃ができるという素晴らしいものだ。

ロザリアンヌは性能を説明し、その弓と矢筒をテンダーに渡す。


「このような物を本当に頂いてもいいのですか?」


「いいのいいの。他に使える人もいないしね。あっ、ちょっと待って短剣もあった筈」


ロザリアンヌは他にも宝箱から手に入れた短剣も差し出す。


「これは?」


「それはただ硬いだけの短剣だけど刃こぼれをしないらしいわ。そうだ、念のためにちょっと付与だけさせて」


ロザリアンヌは弓矢と短剣に攻撃力2倍の性能を付与する。


「大事にします!」


武器の性能に感激しているテンダーは防具に関して何も言わなかったので、ロザリアンヌは取り敢えず安心したのだった。



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― 新着の感想 ―
チャイナドレスに弓?気にしたら駄目よね
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