表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
2章 ロザリアンヌにお任せ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

201/303

201


海底にあるというダンジョンは、大陸の海岸沿いを歩けばギリギリ気配探知に引っ掛かる場所にあった。


「問題はダンジョン内がどうなってるかだよね。ダンジョン内が水中フィールドなら酸素の確保は絶対だし」


ロザリアンヌの結界を使えばある程度の時間内なら大丈夫だろうが、長時間の水中活動は無理だ。

かと言って結界を大きくしたら接近戦はまず難しくなるだろう。

ジュードだけでなく一緒に行く気満々のリュージンとドラゴは付いて来るだけになってしまう。


「取り敢えず確認してみるしかないだろう」


レヴィアスに促されダンジョンがあるらしい上空まで飛び、結界を張ると海中にボチャンとダイブする。

海の中を大きなシャボンの泡に入って移動している様で何だか楽しくなり、結界内で海水に接している訳ではないのに、ロザリアンヌはつい泳ぐポーズを取ってしまう。


サンゴ礁が綺麗な海底に到着すると、岩陰にダンジョンの入り口を見つけ早速中へと入る。

ダンジョン内はロザリアンヌの心配に反し海水で満たされている事は無く、なんと大理石で作られた神殿の様なフィールドだった。


「ダンジョンって感じがしないね」


今までのフィールドを考えるとダンジョンというより何かの遺跡の様な雰囲気だった。

出てくる魔物は海底だというのにアンデッド系の魔物ばかりで、昔漫画で見たシーツを被ったような幽霊や骸骨の剣士にローブを纏ったリッチの様な人型魔物も多かった。


「ねえ見て、スライムまでアンデッドみたいだね」


キラルが指さす先を見れば、ハロウィンカボチャに使われる表情を浮かべ人魂の様に空中をふわふわと漂う紫色のスライムが居た。

びっくりだった。


そして何より驚いたのは時間が経過してもフィールドが変化しない事だった。

最後のダンジョンだからか何から何まで他には無い特別な感じだった。


フィールドが変化しないのならと、ロザリアンヌは階層の隅から隅までチェックして歩いた。

最短攻略ではなくじっくりとダンジョン内を探索するのは本当に久しぶりの様な気がして、ロザリアンヌは何気にテンション高くワクワクしていた。


そして階層が進むにつれ、調理室やダイニングだけでなくいくつもの大きな広間や豪華な個室に執務室などが現れ、この遺跡が神殿ではなくお城なのだと察せられた。


「そうなるとやっぱりラスボスは王様かしらね」


ロザリアンヌは何気に思いついた事を口にしていた。


「王様のラスボスってあまり強そうじゃないね~」


「偉そうな態度は想像がつくな」


「大丈夫です、ロザリー様の方が断然強いに決まっています!」


「食えない魔物などつまらんな」


「クゥ~ン」


ロザリアンヌはキラル達の緊張感のない会話に人差し指で頭を掻いた。

そうして緊張感も無いまま時間をかけて階層を進んで行き、いよいよ最後の部屋かと階段を下りるとそこには石造りの堤防がありその先には大海原が広がっていた。


ロザリアンヌ達が堤防に降り立つと、海の中から現れたのは人魚と半魚人の群れだった。

人魚は海の中から魔法攻撃を繰り出し、頭が魚で鱗だらけの人間の身体を持つ半魚人は武器を片手に堤防に上がって来る。


半魚人はジュードとリュージンやドラゴに任せ、ロザリアンヌとキラルとレヴィアスは空中から人魚を討伐した。

そうして十分ほど戦っていると、沖に大きな渦ができ、中からリバイアサンと思われる大きな龍が現れた。


かなり離れた沖に居る筈なのにはっきりと見えるその姿に、実物のリバイアサンの大きさを感じ取っていた。


リバイアサンの出現とともに大波がこちらに向かって来るのを見て、ロザリアンヌは堤防に結界を張る。

リバイアサンの上空にみるみる広がる黒雲を見て、ロザリアンヌはリバイアサンが放つ魔法を感じトルネードを放ち黒雲を散らす。


そしてそのままトルネードを維持しリバイアサンへと向かわせるが、リバイアサンはその身体を捩り硬い鱗で跳ねのける。


しかしロザリアンヌは懲りずに何本かのトルネードをリバイアサンの周りに起こし、リバイアサンに気付かれない様に上空高くに魔法を待機させる。

そして煩そうにトルネードをあしらうリバイアサンに向けてロザリアンヌは、上空高くから一気にシャイニングレインを放つ。


ズサズサズサズサズサ!!!

流星が流れる様に光を放ちながら何本もの太い光の槍がリバイアサンに向けて撃ち込まれる。

ロザリアンヌは間髪入れずリバイアサンに向けてさらにスーパーノヴァを発動させる。

最近ロザリアンヌが覚えた光魔法の最上級攻撃魔法だ。


光を一気に収束させ大爆発を起こすかなり強烈な魔法で、難点はかなりの広範囲に展開する為に間違えたら街の一つ位簡単に吹き飛ばしてしまう所だ。

だから使いどころを選んでいたが、リバイアサンほどに大きな魔物相手では逆にこの位でないと通用しないだろうと思い使ってみた。


初めて使ったスーパーノヴァの余波は遠く離れている筈のロザリアンヌの所まで届き、爆発音と空気の揺れが身体中に響いていた。


グォォォーーーーー

リバイアサンの咆哮を爆発音が消して行く。


しばらく続いた多くのフラッシュが焚かれているかの様な光と爆発音が止み、ロザリアンヌが静かになったその場所に目を凝らすとリバイアサンが光の粒となって消えていくのが確認できた。

さすがにあの大きさだと消えるのにも時間が掛かる様だ。


「ロザリー、ドロップ品の回収忘れないでー」


キラルに叫ばれロザリアンヌは慌ててリバイアサンが消えていくその場所へと向かった。

すると消えた筈のリバイアサンがゆっくりと海に沈んで行くのが見える。

リバイアサンはそのままドロップ品となった様なので、ロザリアンヌは急いでマジックポーチへと収納する。

最新のマジックポーチは大賢者様の収納袋に勝るとも劣らずの収納力を誇っていた。


そしてロザリアンヌはここまで来たついでとばかりに海底に潜り採取できる素材を探すと、真珠やサンゴといった数種類の宝石類があった。

中にはブラックパールやサンゴパールに血赤サンゴ等のレアな物もあり、宝飾にあまり興味が無いロザリアンヌでもその貴重性を理解し採取していると、突然体が青い光に包まれ浮遊感を覚えた。

ロザリアンヌはあの白い空間へ招かれ、この大陸の守護者にいよいよ会えるのだと気を引き締めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
海底の採取が他の人はできなさそうだし、もしかしたら初見の血赤サンゴの価値はわからないかなあ リバイアサンは薬とか武器になるのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ