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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
2章 ロザリアンヌにお任せ!

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ゆっくり休んで体調を万全にしたロザリアンヌは早速双剣の練成に取り掛かった。

しかしいざ練成を始めてみると、ジュードの戦闘イメージに合う双剣がなかなかイメージできなかった。

何となく出会ってすぐの、武器を壊し素手で戦っていた時のジュードの印象が強くあり過ぎたのだと思う。


そして素手で戦うための武器と考えてナックルが頭に浮かんだが、それに鉤爪も付けた忍者武器の手甲鉤を思い付いた。

ナックルと手甲を一緒にして、出し入れ可能な鉤を付けた武器はちょっとカッコイイかもと、ロザリアンヌの妄想はどんどんと膨らんで行き段々と明確にイメージできた。


デザイン的には忍者武器風でなく防具に合わせたスチームパンク風でと錬成を始めると、文字化け鉱石は思いの外魔力を必要とし、なかなか思う様に練成されてくれずロザリアンヌは苦戦していた。


ロザリアンヌが練成しようとする魔力に文字化け鉱石が激しく抗うので、無理やり抑えつけて少しずつ少しずつ抵抗をこじ開け、ロザリアンヌの魔力を流し込み形を変えていく感じだった。


今までは多少時間がかかってもできあがってみればイメージ通りに練成され、案外あっさり簡単に作れた印象だったのに、文字化け鉱石はまず魔力を入れる段階で苦戦していて、それだけ硬い鉱石だというのは確かだった。


これはもう気力と集中力との戦いだと、ロザリアンヌは気合を入れ直し長時間覚悟で挑み直した。

敢えて時間を確認する事はせずに、座禅でもしているかの様に目を瞑り精神を統一させ、ひたすら出来上がりだけをイメージし続けた。


スキル自動回復の効果か体力的に疲れたと感じる事は無かったが、何度か練成室の外が気になりその度に集中力が切れそうになるのとの戦いだった。

しかし不思議と空腹感や睡魔に襲われる事は無かった。

そうして漸く出来上がった感覚を覚えた時には練成室に入って5日目になっていた。


「ふぅ~」


ロザリアンヌは思わず知らずお腹の底から息を吐き出していた。

そしてイメージ通りにできあがったナックル手甲を確認し、心から嬉しさが込み上げるのを感じていた。


「ロザリー、できたの?」


キラルがロザリアンヌの気配を察知したのか練成室に飛び込んで来た。


「うん、思ったより時間がかかっちゃった」


「ううん、それよりロザリーの気配の凄さに驚いたよ」


「何それ?」


「自分で気づいてないの?」


ロザリアンヌはキラルがいったい何を言っているのかまったく分からなかった。

見るとキラルの後ろに控える様にしているジュードも頷いていた。


「ロザリーのオーラが爆発している様だな」


いつの間に来ていたのか、レヴィアスがロザリアンヌにも分かるように解説してくれる。


「オーラが爆発ですって!?」


ロザリアンヌは咄嗟にリュージンの纏うオーラが頭に浮かんだ。

もしかしたら自分もそんな風になっているのかと少し心配になる。


「さっきまでは静かな気配だったのに、ロザリーのオーラが一気に爆発した感じだよ」


「えっと、それってどうしたら良いの?」


リュージンがオーラ駄々洩れで周りの人にその存在がバレていた事を考えると、もしロザリアンヌも同じ様な状態なら常に認識阻害を掛け続けなければならないのかと考えていた。

しかし認識阻害でオーラが隠せるのかという心配もある。

それに絶えず認識阻害を掛けていたら簡単に人前に出られなくなると言う不便もあり、考えれば考える程不安になった。


「魔力の循環を思い出せ。静かに循環させ内に閉じ込めるイメージだ」


「オーラを?」


「オーラとは魔力の事だ。圧縮され強くなった魔力が身体から噴き出していると思えば良いだろう」


「ロザリーの魔力量が爆発的に増えて身体に収まりきらなくなったんだよ」


ロザリアンヌはレヴィアスとキラルの説明に納得していた。

ナックル手甲の練成にかなりの魔力を使った実感があるのに、自分の中の魔力量が少なくなった感じが全然しない。

その段階で今回の練成では、自然に回復される魔力量程度にしか魔力を使っていなかったと思われる事から、それだけロザリアンヌの持つ魔力量が増えたという事だろう。


しかしそれにしてもなんで今なんだろうとロザリアンヌは考えていた。

蜘蛛部屋でかなりレベルが上がったのだろうと思っていたが、それにしては魔力量だけが異様に増えた様にも思える。

何か別に原因があるのだろうか?


考えてみても今現在レベルの測定もできず原因を知る術も無いので、ロザリアンヌは取り敢えずレヴィアスに教わった様にオーラを抑える練習を始める。


しかしコレが思った以上に難しかった。

魔法学校で午後の実践授業で習う筈だったが、ロザリアンヌは既に魔法を使えていたので実際に魔力の循環などあまり意識してした事が無かった。


「ロザリー、ご飯を食べて休憩してからにしたら。それにジュードも武器に慣れる必要もあるでしょう」


時間が掛かると悟ったキラルが提案してくれる。


「そうだった。ごめんジュード」


ロザリアンヌは出来上がったナックル手甲をジュードに渡し、出し入れ可能な鉤爪の説明をした。


「勿論この鉤爪無しでも破壊力は充分だと思うけど、使い辛かったら言ってね直すから」


「滅相もありません。必ずや使いこなしてみせます。本当にありがとうございます」


ジュードは丁寧過ぎる程丁寧にナックル手甲を装着した。


「それじゃご飯食べたらジュードは武器の訓練で、ロザリーは魔力循環の訓練だね」


キラルの笑顔はいつものニコニコ顔の様にも見えたが、何か含みがある様にも見えて少しだけドキッとした。


「何かあるの?」


ロザリアンヌは何故かキラルにそう聞いていた。


「別に何も無いよ」


キラルはとぼける様に否定したが、ロザリアンヌはその反応に絶対に何かあるのだと確信していた。



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