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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
2章 ロザリアンヌにお任せ!

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「どうするの。やっぱりドワーフ達の安全を確認に行くんでしょう?」


「行かない訳にはいかないよね。もし怪我でもしていたら助けたいし」


「では急ぐぞ」


レヴィアスも心配しているのかロザリアンヌを急かして来た。

ロザリアンヌ達は室内にあった転移魔法陣に揃って乗り、ダンジョンの入り口へと戻るとダンジョンに入り直した。


「確か三階層降りた所だったよね」


ロザリアンヌは自分の記憶を探りレヴィアスに確認する様に聞きながら先を急いだ。

ダンジョンが変動しなくなっているのでできればマップを完成させたかったが、我慢してレヴィアスの後を追いダンジョン内を最短距離で移動した。


出会う魔物は先頭を移動するキラル・レヴィアス・ジュードの三人で瞬殺していた。

ロザリアンヌにしか倒せなかった筈の鉱石のようなスライムも、普通に倒している事にロザリアンヌは驚いた。


(やっぱりかなりレベルが上がってるのね)


ロザリアンヌのレベルが上がっているという事は当然キラルもレヴィアスも上がっている筈で、ジュードだってかなりの数の子蜘蛛は倒しているだろうから期待できる。

レベルの違いがこんなに顕著に表れるのなら、あの蜘蛛部屋をもう何度か攻略しようかと考え、このダンジョンにばかり時間を割く訳にはいかないと思い直す。


後いくつダンジョンがあるのか把握していないが、メイアンとは違いかなりの数のダンジョンがあった筈だ。

その全部を踏破しなくてはならないのだから、ここでゆっくりのんびりしている暇はない。

ロザリアンヌはまたも自分に言い聞かせるようにしていた。


そうして何階層か降りた所で聞こえ始めるカーンカーンという採掘音にロザリアンヌはホッと安堵の息を吐く。


「大丈夫そうだね。それでどうする?」


キラルが判断を仰ぐようにロザリアンヌに聞いてくる。


「大丈夫そうなら戻ろうか」


ロザリアンヌがそう判断し改めてダンジョンの入り口へと転移して戻った。

すると驚く事に目の前に何とドワーフ達が……

本当に突然の出来事に思わず息を飲んだ。


気配を読んで転移する事など無理だとは言え、ここまで避けて来たドワーフとまさかここで出会うとは思わなかった。

突然の事にロザリアンヌだけでなくドワーフ達も固まっている。


「怪しい奴らだな。どこから来た!」


先に口を開いたのはドワーフの方だった。


「最深部を踏破して戻ってきました」


ドワーフの問いにロザリアンヌは咄嗟に答えていた。


「何!あの蜘蛛の数を倒しきったというのか!!」


「信じられんぞい」


「そうだそうだ、儂らでも無理だったのに人間如きが踏破しただと!」


「第一なんでこのダンジョンの事を知っている」


「そうだこの場所は儂らの縄張りじゃ、無暗に人間が立ち入るでないわい!」


「ええぃ煩い。お主らは少し黙っておれ!!!」


一斉に喋り始めたドワーフ達を怒鳴りつけたドワーフの声はかなり大きく、いつまでも遠くこだまが響く様だった。


ロザリアンヌはその声の大きさにやられ、戦意喪失し無防備無抵抗状態に陥った。

まさか声が攻撃手段になるとは考えてもいなかった。


「言葉が通じる様で有難い。少し話を聞かせてはもらえんかな」


「構わない」


鋭い視線を投げかけ詰め寄るドワーフに、ロザリアンヌに変わりレヴィアスが一歩前に出ると、リュージンがその隣に並び抑えていたオーラを開放させた。


「儂がこやつらにこのダンジョンを教え連れて来た。何か問題があったか?」


リュージンのオーラを浴び今度はドワーフ達が戦意喪失し一斉に頭を下げた。


「原初様でしたか。失礼いたしました」


(原初様?)


ロザリアンヌは漸く素に戻り、リュージンが原初様と呼ばれた事に興味を持った。

そして同時にドワーフを良く知らないと言っていた筈なのに、ドワーフ達にまるで敬うかのように扱われる事を不思議に感じていた。


「儂の事を知っておったか」


「勿論でございます。それに昔一度助けていただいた事がありますがお忘れですか?」


「そんな事があったかのぉ」


リュージンは一応考える素振りをして見せていたが、思い出す様子はなかった。


「私共はこれより中に居る者どもと交代せねばなりません。もし宜しければお待ちいただけますか?」


「それは構わぬが、話を聞きたかったのではないのか。それとも予定を変えたのか?」


リュージンが詰め寄ると、ドワーフは冷や汗をかきながら頭を掻いた。


「私共の浅慮お許しください。中にいる者達に連絡を付け、一緒に村にご案内させていただきたいと考えております」


ロザリアンヌはドワーフの言葉に、リュージンが居なかったならどんな事になっていたのかと顔を青くした。


「ロザリーよ、悪いがこやつを中に居る奴らの元まで送ってはくれぬか?儂は先に村に行き待たせて貰おうかのぉ」


「私は構わないけど…」


一人で取り仕切るリュージンには何か考えがあるのだろうと思うが、ロザリアンヌには何だか少しだけ不安があった。


今は敬われているリュージンという存在があるから一見平和そうだが、ロザリアンヌだけとなり中に居るドワーフと合流して本当に大丈夫なのだろうか?

ロザリアンヌには結界もあるし転移も使えるから万が一襲われても大丈夫だとは思うが、この状況でドワーフと争いになる様な事は避けたいと思っていた。


「当然僕もロザリーと一緒に行くからね」


「当然だ」


「私もロザリー様にお供させていただきます」


不安気な気持ちが顔に出ていたのか、キラルもレヴィアスもジュードも一緒に来ると宣言してくれた事が本当に嬉しくて心強かった。


「ではドラゴは儂と一緒に来るが良い。ロザリーよ、任せたぞ」


「分かったわ、任せておいて」


ロザリアンヌはとにかく中に居るドワーフを連れ帰れば良いのだと納得し、リーダーらしきドワーフを連れ今さっき転移した場所へと転移して戻ったのだった。



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