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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
2章 ロザリアンヌにお任せ!

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ここで続けてダンジョンの設定をし直すのは魔力の消費が激しく、ロザリアンヌの行動を制限されてしまう恐れがあった。

それにドワーフを助けに行くと言っても現場を認識していないのでワープもできず、一度ダンジョンを出て探しに行く必要があり時間を考えてもとても有効的な手段とは思えなかった。

どちらを選んでもロザリアンヌにすぐにどうこうできるとは思えず、ロザリアンヌを悩ませた。


それにドワーフ達を助けに行ったとして、ドワーフの安全を確認した後彼等がダンジョンを出るのを待ってまた難易度を変えるのも時間がかかるように思えた。

できる事ならドワーフに事情を説明して協力して貰えれば話は早いのだろうが、確実に意思の疎通ができてロザリアンヌの思う通りになる保証は何も無い。


一番簡単なのはロザリアンヌが文字化け鉱石を諦めれば済む話なのだが、知ってしまってからではもう遅かった。


「ドワーフ達が今も採掘に夢中になっていると信じて私は私のやりたい事を優先させる」


ロザリアンヌはそう決断した。

ドワーフ達が魔物に出会う事無く採掘に夢中になっていてくれれば、きっと何も起こらないだろうと思いたかった。

魔物の出現率は変えていない、少なくとも多くの魔物に囲まれる心配は無いだろう。


「どうするの?」


「あの蜘蛛部屋に再度挑んで文字化け鉱石を手に入れる。その後またここに戻って難易度を元に戻すわ」


「そうだな、どの方法を選んでもドワーフの安全が確保される保証はない。ならば確実な事から済ませれば良いだろう」


レヴィアスがロザリアンヌの決断の負担を軽くしてくれようとしているのを感じ、ロザリアンヌは心の中で感謝していた。


「できるだけ早く済ませるわ。みんなも協力してくれる?」


「もちろんだよ」


「ああ、早く済ませよう」


「私も精一杯努めさせていただきます」


「儂はたいした役にもたてんが協力は惜しまんぞ」


「クゥ~ン」


みんなの賛同を得てロザリアンヌは作戦を立てる。


「今回はライトは使わないわ。その代わりあの空間全域にシャイニングレインを発動させる。そして範囲を凝縮させて行くから、みんなは撃ち漏らした蜘蛛達をお願いね」


ロザリアンヌは親蜘蛛にシャイニングレインを打ち消されても大丈夫な様に重ね掛けするつもりでいた。

というより多重混合発動でどの位の数のシャイニングレインを同時に発動できるか確認するつもりだった。


「僕に任せて!」


「勿論だ」


「承知いたしました」


「任せるが良い」


「クゥ~ン」


みんなの返事を確認し、ロザリアンヌ達は揃って蜘蛛部屋の入り口へと転移した。

そして蜘蛛達が動き出すギリギリの位置に陣取りシャイニングレインの発動準備に入る。


一つ二つと範囲を重ねながら空間全域に渡るように準備を終えると一気に発動させる。

ドームの様な広い空間に豪雨の様に降り注ぐシャイニングスピア。

ロザリアンヌはシャイニングレイン効果が切れる度に、新たなシャイニングレインを中央に移動させながら発動し直して行く。

それを確認したみんなは一斉にシャイニングレインの範囲外を目指し飛び出して行った。


ロザリアンヌはどれだけの打ち漏らしがあるか確認する暇も無く、ただただ親蜘蛛討伐だけを目指し魔法の発動に集中する。


「ロザリー、もう殆ど倒し終わったよ」


キラルに肩を叩かれ気が付けば既に親蜘蛛は消滅していた。

魔法の発動に集中し過ぎて気付かなかったが、ロザリアンヌの全力のシャイニングレインは最高難易度にも通用していたのか案外あっさりだった様だ。


「ありがとう、夢中になってたみたい」


見れば撃ち漏らした子蜘蛛をジュードが追いかけ回し、他のみんなはドロップ品の回収を始めていた。


「それよりロザリーにはやる事があるんでしょう」


キラルに言われロザリアンヌは文字化け鉱石の採取を試みる。


「壁を採掘すれば良いのかしら?」


「そうだと思うけど、ここの壁は硬そうだけどどうする気?」


(土魔法でどうにかできるのかな?)


穴を掘ったり畑を耕す時に使った土魔法を使えるかと考えながら、壁に近づくうちにハッと思いつき鑑定を使ってみる。

思った通り壁のあちこちに採取できる鉱石が表示され始める。


ロザリアンヌは取り敢えずすぐ目の前のアダマンタイトと表示された壁に手をやり、この壁も何か錬金に使えないかと考える。

しかし思いつくものは何も無く、その代わり精錬しますかと頭に浮かんだ。

どうやらアダマンタイトを精錬し壁の中から取り出す事が可能になった様だった。


(錬金術師の新たなスキルか?)


少しだけ疑問を持ったが、ロザリアンヌは迷うことなく「はい」と答え、延べ棒をイメージする。

すると本当に黒い延べ棒となったアダマンタイトがロザリアンヌの足元に転がった。


「これは便利だわ」


ロザリアンヌは叫びながらアダマンタイトを拾い上げようとして、思った以上に重い事に驚きすぐさま手を翳しマジックポーチに収納する。


その後ロザリアンヌは鑑定に出た場所を片っ端から精錬して歩いた。

そこに鉱石があると分かっていると手に入れずにはいられなかった。

手に入れてみると対比としてオリハルコン5アダマンタイト3ヒヒイロカネ1.5文字化け鉱石0.5の割合で手に入れる事ができた。

かなりの数だった。


それよりも驚いたのは、ロザリアンヌの魔力量だった。

この場に転移して来た時はダンジョン設定を終わらせた後だったので、魔力量も十分とは言えなかった筈なのに魔力を使いこれだけ精錬しても魔力が枯渇する様子は無かった。

多分ではあるが、この蜘蛛部屋の攻略でかなりレベルが上がり魔力量も増えたのだと思えた。


(一度メイアンに戻ってレベル測定してみようかな?)


ロザリアンヌはそんな事を考えながらダンジョンコアの部屋へと戻り、ダンジョンの難易度だけを元に戻したのだった。



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