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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
2章 ロザリアンヌにお任せ!

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ジュードにもマジックポーチを作り、各種ポーションを入れて持たせた。


「これから自分で倒した魔物のドロップ品は自分で管理すると良いわ」


ロザリアンヌはキラルやレヴィアスとは経験値を共有できたが、ジュードもリュージンもドラゴも自分の経験値は自分だけの様だった。

なのでなるべくジュードに経験値が行くようにはしていたが、自分のレベルも上げたいロザリアンヌはどうしてもキラルとレヴィアスの活躍を抑える事もできず、ジュードとはレベル差がどんどん広がるようでロザリアンヌの悩む所ではあった。


それに倒した魔物の素材やドロップ品で得たお金の管理を今のままジュードを加えるのは、いずれは諍いの元になる様な気がしていた。


「その様な事…。この様に皆様に御厄介になりながらこれ以上は何も望みません」


「そうは言っても当然の権利よ」


「ロザリーってば、ジュードは僕の弟子なんだからね。そういう大事な事はまずは僕に相談してよ」


「そうだな。ロザリーは少しソフィアを見習うが良い」


ロザリアンヌの提案にキラルもレヴィアスも反対の様だった。

そして反対されてみれば、ジュードを弟子と可愛がるキラルにも、今現在お金の管理などを任せているレヴィアスにも失礼な事だったと気が付いた。

もっとみんなときちんと相談してから話すべきだったと。


「相談もしないでごめんなさい。私また失敗しちゃったね」


「儂は良く分からんが、ロザリーがそう他人行儀でいるうちはジュードも心を開きづらいと思うがのぉ」


リュージンに指摘され、ロザリアンヌはジュードに他人行儀と言うより心を開いていなかったのだと気づかされた。

そうは言ってもキラルの様に手放しで誰とでも警戒心なく接する事などできないし、心から誰かと仲良くなるにはそれだけの信頼が必要だと思っていた。

お互い信じ合うにはきっと時間も必要だろうと。


「これからだよね、ロザリー」


どうやって心を開いたら良いのかと思い悩むロザリアンヌに、キラルは全開のキラキラ笑顔を投げかけてくれる。


「私はロザリー様を敬愛しております。けして心を閉じている訳ではございません」


ロザリアンヌはジュードの堅苦しいフォローについ笑みがこぼれた。


「閉じてるって…」


口に出してみると思った以上にツボにはまり、つい笑い声まで上げてしまう。


「私も閉じている訳じゃ無いわ。これからお互いを知っていけば良いのよね」


ロザリアンヌはそう結論付けながらふと考える。

経験値3倍のアンクレットもコピーして装備させてあるとはいえ、仲間登録で経験値を普通に共有できる様になれば良いと。


「ドラゴにもその経験値3倍とやらを付けてはくれぬか」


ジュードに装備品の効果を説明している時にリュージンに言われ、完全な輪っかにしない形のバングルを作りドラゴの腕にも装備させた。


「クゥ~ン!」


ドラゴも気に入ってくれたのか、とても嬉しそうな鳴き声を上げていた。

ロザリアンヌはその鳴き声を聞きながら、いずれは仲間との経験値の共有を大陸の守護者に願っても良いかも知れないと考えていた。

そして仲間が増えるという事は、ただ単に賑やかになるだけではないのだと思っていた。


そうして何度か休憩を挟み順調に階層を進めて行くと急に広い空間に降り立った。

まるでどこかのドーム球場の様なとても広い空間で、そして多分階層で言うと10階層位進んだ場所だった。


ワサワサと言う無数の気配と中央にひと際大きな気配があるが、薄暗い目の前には何の姿も確認出来なかった。


「上か!」


レヴィアスが叫ぶように言うと、無数の蜘蛛の魔物が糸を垂らし下へと降りだしている。

ロザリアンヌは空間の中央に空間全部を照らす為の大きなライトを発動し空間内を見渡すと、蜘蛛の魔物は暗がりを探し一斉に忙しく動き始めていてその蠢きが何だかとても気持ち悪かった。


数えきれないほどの蜘蛛達の気持ち悪さに出遅れているロザリアンヌを挑発する様に、中央に居たひと際大きな蜘蛛の魔物がライトに飛び掛かり魔法を打ち消し明かりを消した。


ロザリアンヌは咄嗟に蜘蛛は火に弱いだろうと考え、ファイヤートルネードを発動させる。

風属性魔法に火属性の魔法を混合させた魔法だ。

ファイヤートルネードは炎を纏った竜巻となり、辺りをワサワサと移動していた子蜘蛛達を巻き込みながら渦巻を描く様にゆっくり移動し、中央に居る親蜘蛛にまで到達する。


ファイヤートルネードの勢いに揉まれ親蜘蛛も魔法を打ち消す事ができないのか、ファイヤートルネードは勢いを失う事無く親蜘蛛を傷つけながらその場に留まりあっという間にその姿を消滅させていた。

ロザリアンヌは取り敢えず親蜘蛛を消滅させた事に安心し、思わずその場に座り込んでしまった。


「こんな数の蜘蛛はやっぱり気持ち悪いよ」


ロザリアンヌがトラウマになりそうな今さっきの様子を思い出しながら呟く。

そうしてロザリアンヌが座り込んでいる間に残っていた子蜘蛛達をみんなで手分けして倒している。


本当にどれだけの数が居たのか、今まで経験したモンスターハウスの比ではなかったと思う。

ロザリアンヌが再び立ち上がるまでには殆どの蜘蛛はキラルやレヴィアス、そしてジュードにリュージンとドラゴの活躍により消え去っていたが、心からみんなが居てくれて良かったと思っていた。

空間内を埋め尽くすかのような数の蜘蛛の魔物の気味悪さ、その動きの気持ち悪さは一人で戦うには辛すぎる。

ロザリアンヌは再度ライトを照らすとドロップ品の回収を始める。


「ロザリー様大丈夫でございましたか。女性は虫が苦手な方が多いですから大変でしたでしょう」


何故かジュードが駆け付けロザリアンヌを心配してくれた。


「ありがとう」


ロザリアンヌは生まれて初めて男の人から女性として扱われた気がして、少しだけ照れてしまった。


「ドロップ品の回収はお任せください」


ジュードはそう言うと既にドロップ品の回収を始めている。

自分から申し出て積極的に回収してくれた人も初めてだった。

やっぱり細かい所の気遣いは精霊とは違うのだと思いながら、ロザリアンヌもドロップ品の回収を再開する。

そしてロザリアンヌもジュードに対して、キラルやレヴィアスという精霊達とは違う気遣いが必要なのかと考えていた。



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