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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
1章 プリンセス・ロザリアンロード

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「ただいま~」


ロザリアンヌは錬金術店のドアを元気に開け中に入ると、何だかホッとした気持ちに包まれた。


「お帰り。おや、ロザリーおまえ、随分と大人びた様だが向こうで何かあったのかい?」


ソフィアはロザリアンヌの姿を確認するなり、ロザリアンヌの成長を口にした。

ロザリアンヌも何となくそんな気はしていた。


キラルが封印していた光の精霊本来の記憶と力を取り戻し、すっかりと成長していたので、ロザリアンヌ自身も多少の見た目も変わるのかも知れないと。

しかしソフィアの反応からして、驚くほどの変化はなかったのだと安心した。


「リリーとダリアがすっかり大きくなっていて驚いた。あと初めて外食しちゃった。師匠とも今度どこかに行ってみたいです」


ロザリアンヌはカトリーヌやオットーといった家族の報告は、夕飯の時にでもゆっくりしようと思っていた。


「そう言えば外食なんてした事が無いね。それも楽しいかも知れないね」


「この街ではどんな美味しい料理が食べられるのか楽しみだなぁ」


ソフィアよりキラルの方が出かける気満々で返事をしていたが「今日はゆっくりすると良いよ」とソフィアに言われ、「じゃあ明日行こうよ」と一人で決めてはしゃいでいた。


その後ロザリアンヌは初代聖女様の眠る場所を見つけた事や、キラルが記憶と力を取り戻した事を搔い摘んで話し、お昼ご飯を食べてからアンナの所へも足を運んだ。


「こんにちはー」


いつものように元気にドアを開けると、店の奥から顔を出したアンナにも驚かれた。


「あらっ、ロザリー少し大人びたかしら?」


「やっぱりそう思います?」


「驚く程じゃないけれど、雰囲気がちょっとね」


ロザリアンヌはアンナにも初代聖女様のお墓を見つけ、そこでキラル本来の力を取り戻した事を話した。

勿論ソフィアにもアンナにも、キラルから聞いた初代聖女様の話はしなかったし、キラルがどんな力を取り戻したのかも詳しくは話さなかった。

というより、何となく話してはいけない様な気がして話せなかったのだ。


「そうそう、私からも報告があるのよ。この魔導書店は暫くは続けられそうなの」


「結婚はどうなったんですか?」


「勿論するわよ。母が元気になったでしょう。それでこの店で働きたいと言うのよ。私が売れた魔導書の補充をすれば可能だろうって。折角やる気になってくれているのに反対する理由も無くて、しばらく続けてみようと思うの。だからロザリーも少しだけ協力してくれないかしら」


「勿論ですよ」


アンナのお母さんが働きたいと言い出すほど元気になったと聞き、ロザリアンヌは心から嬉しくなった。

そして何種類かの魔導書作成依頼を受け、少しだけお茶をして、お土産を渡して帰って来た。


「明日からの予定を立てなくちゃな」


久しぶりにロザリアンヌは自分の部屋のベットに身体を投げ出し呟いた。


「明日はどこかお店に食べに行くんだよね?」


「師匠が行くと言ったらね」


「分かった聞いてくる」


勢いよく部屋を飛び出して行くキラルを見送りながら、ロザリアンヌは思わず笑みをこぼしていた。

モーリスに居る間キラルが大人びた気がしてその見た目との違和感を感じていたが、メイアンに戻ってみればすっかり元のキラルに戻った様で少し安心したのだ。


「やっぱりキラルはキラルだったわね」


独り言を呟いて、ロザリアンヌは一人明日の予定を考えた。


「明日は出かけるのなら、学校へ顔を出すのは明後日からにするか。それから店の在庫も確認して、素材の補充と練成品の補充も考えなくちゃならないし、またしばらくは忙しくなりそうだな」


魔導船と魔導艇が手に入るまでは旅立つ事はできないので、それまでにできる事をやれるだけやろうと考えていた。


そして次の日、早速レヴィアスは別行動で、ソフィアとキラルとロザリアンヌでレストランへ行った。

キラルは終始ソフィアに甘えるような雰囲気で、子供返りでもしたのかと思う程の別の違和感を感じた。

そしてキラルはハンバーグ定食、ソフィアはグラタン、そしてロザリアンヌはオムライスを食べた。

ソフィアが払うと言って財布を出したが、勿論代金はロザリアンヌが出した。


「師匠から貰ったお金はあまり使わなかったんです。だからこれくらいはさせてください」


「言う事まで大人びてしまって驚いたね。じゃあ遠慮なくご馳走になるよ」


「師匠、次は僕が驕るからまた来ようねー」


「ああ、分かった分かった」


ソフィアはキラルに纏わりつかれて疲れたかのように返事をしていたが、顔にはうっすらと笑みが溢れていて喜んでいるのが見て取れた。


ロザリアンヌはそれを見て、もしかしたらキラルの子供返りは、キラルなりにソフィアを気遣っての事なのだろうと気が付いた。

そしてやっぱりキラルはだいぶ成長したのだと改めて感じていた。


「キラル、それじゃしっかり働いて貰わなくちゃね。帰ったら在庫チェック手伝ってね」


「いつもちゃんと手伝ってるだろ」


「うん知ってる。それと明日からはまた学校とダンジョン通い始めるからよろしくね」


「ダンジョンに行くならレヴィアスにも言っておいてよ。何だか忙しそうにしてたから」


レヴィアスが早速別行動している時点で忙しいのは分かっている。

しかし相変わらずどこで何をしているのか教えてくれないのが難点だ。

きっと多分魔導船や魔導艇のチェックなんかをしているのだろうとは分かっている。

実際内装や設備等の注文を聞かれたが、レヴィアスに丸投げしたのはロザリアンヌだ。


それに大賢者様に本当は何があったのか当時の国王や貴族達が何をしたのか、新たな伝記を作り公開する事にした様なので、その制作にも関わっているのだろう。


「レヴィアスもきっと大変なんだよ。しばらくは二人でダンジョン攻略じゃダメかな。素材集め限定で」


「ロザリーがそれで良いなら、別に僕は構わないけど」


「しばらくは二人だけになるけどよろしくね」


キラルはレヴィアスが別行動なのが面白くないのか少し拗ねた様だったが、久しぶりに二人でのダンジョン攻略と聞いてご機嫌をなおしていた。



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