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私は強くてニューゲーム~レア素材を求めて仲間たちと最強錬金旅はじめます~  作者: 橘可憐
1章 プリンセス・ロザリアンロード

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第3階層も難なく何度か周回を果たし、第3階層ボス部屋に挑む事にしたロザリアンヌ。

第3階層の階層ボスは第1階層ボスのビッグスライムが2体で現れるが、スライムスレイヤーの称号を持つロザリアンヌは何も心配してはいなかった。


それにこのボス部屋ではMP消費半減という能力が付与されたイヤーカフが手に入る事が、これから魔法重視で進もうと考えているロザリアンヌには何よりも嬉しかった。


(もうなんて言うかここまで来ると、このゲームの製作者の意図が見える様な気がするよね)


とは言え、普通ではなかなか手に入れられないだろう貴重なスキルやアイテムが手に入るので、これからもボス部屋の隠し宝箱は変わらずに漁らせて貰おうと考えていた。


そしてこのボス部屋のビッグスライムは、攻撃力2倍の短剣は落とさないが、魔石とレアドロップでスライム素材を落とすのだ。


薬草ダンジョンの魔物はこの階のボス部屋以降のボス部屋でしか魔石を落とさない。

魔石はこの世界では電気や石油などに代わるエネルギーとしても使われているので、その大きさにもよるがそこそこな値段で買い取って貰える。


しかし当然錬金術の素材にもなるので、ロザリアンヌは売る事は考えていないが、できる事なら数を確保しておきたいとも考えていた。

なのでこのまま無理が無いようならどんどんと階層を進め、急ぎレベルアップステータスアップに励む方針に変更はなかった。


そうしてロザリアンヌは光の精霊の目覚めを目指し、レベルアップも兼ねて第3階層ボスの部屋をひたすら周回していた。


そしていよいよその時が来た。

ロザリアンヌの身体に入った時の幼体姿より明らかに成長したサイズで目の前に現れた光の精霊。


「あなたの中に居るのはとても心地良いの、これからよろしくです」


少したどたどしく話す光の精霊に、ロザリアンヌはすっかり心を許し気持ちも温かくなって行く。


「私はロザリアンヌ、こちらこそよろしくね。あなたの事はこれから何と呼べば良いかしら?」


「私の名前ですの?」


光の精霊は視線を空中に彷徨わせ、暫く考え込む様にしていたが「ロザリアンヌに任せるですの」そう言って、空中をフワフワと漂う様に辺りを移動し始めた。


すっかり丸投げされ任されたロザリアンヌは、そう言えばゲーム内で名付けのイベントなど無かった事を思い出す。

そもそもそんなに会話する事も無かったし、会話ウインドウには光の精霊と言う表示が出るだけだった。


(困った。確かアンナは光の精霊をウィルと呼んでいた。だとしたら同じ名前という訳にはいかないし、それでなくても名付けセンス皆無の私に何をどうしろと?)


さんざん悩んだ挙句、ロザリアンヌは無難にと言うか、光の精霊のイメージから≪キラル≫を提案した。

光の精霊もその名前を気に入ってくれたらしく、ロザリアンヌに抱き付く様にして喜んでいた。


ロザリアンヌは(良かった~)と胸を撫で下ろし、キラルのステータスアップも兼ねてさらにボス部屋周回をする事にした。


第4階層からは魔物が複数体で出現する様になる。

第4階層はスライムとギニーピッグの混合でだいたい2体から3体のグループで現れ、レベル的には大丈夫だと思いながらも、短剣での攻撃手段しか持たないロザリアンヌにはかなり不安があった。


何しろ武芸に秀でているとか、体力に自信があるとか、そういうスキルは今の所皆無で、ジョブはまだただの探検者見習いだ。


近接攻撃で多数体相手はロザリアンヌには不利だとしか思えない。

せめてシャイニングスピアが使える様になってくれない事には、ここから先のダンジョン攻略は難しいだろうと考えている。


そうしてみるとゲームでの私は幼少期から精霊に愛され、13歳で魔法学校に入学して、ダンジョン攻略を始める頃には既にシャイニングスピアを使えていたのだから、間違いなくチート仕様だったのだなと思う。


それにしても魔王の存在がある訳でもなく、ダンジョンの中にしか存在しない魔物達、まだ踏破されていないダンジョンがあるとはいえ、この世界はいったい主人公に何を求めていたのだろうか?


トゥルーエンディング後は聖女として崇められるのだが、そもそも宗教的な崇拝以外に聖女の存在意義があったのか?

ゲームを攻略していた時には気にした事も無かったが、現実となると何だか腑に落ちない事も多い。


魔法学校入学後本科に上がる頃には正式なジョブが与えられる。

そのジョブはそれまでの2年間での経験や成績、そしてステータスが関係していると言われていた。


光の精霊を宿した私が聖女候補なのはまああり得るとして、英雄や大賢者ってどう考えても探検家向けというか、ダンジョン踏破のためのジョブじゃ無いの?

もしかしてこの世界はダンジョンを踏破させたかったんじゃないのか?


しかしゲームの中ではストーリー進行上、どう足掻いても時間が足りずすべてのダンジョンの踏破は難しかった。

今さら私が何を考えようと既に【プリンセス・ロザリアンロード】とは何の関係も無いのだが、これからも現実を生きて行くロザリアンヌとしては少し気になる所だった。


バッドエンディング後の世界にはどんなストーリーがあるのだろう?

もしかしたら【プリンセス・ロザリアンロード】パート2が突然始まったりしないよね?

ロザリアンヌが光の精霊を宿したのはゲームの強制力だったりして?


「まぁ、でも、いまさら気にしても仕方ない」


でも実際現実となった今、ダンジョンの踏破もやろうと思えば可能だろう。

目指してみようかダンジョン踏破。偉大なる錬金術師になる為にも。


「私は絶対に錬金術師になる」


ロザリアンヌは敢えて言葉にする事で自分に喝を入れ、今さっき抱いた疑問をすべて打ち消し、自分が考える目的を果たすためにボス部屋周回を続けるのだった。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 最序盤でこんなぶっ壊れ装備手に入っちゃったら後半大分スカスカになりそう。一般的なドロップ装備とか作成装備とか要らないんじゃないかな?
[一言] 攻撃力倍にせよ、経験値3倍にせよ、消費MP半分にせよ、レベルが上がれば上がるほど恩恵がでかいスキルだなぁ
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