ひまわりの音
記憶の海を流れ、辿り着いたのは、丘。
すべての景色がモノクロームに見える空に、太陽が白く弱く光っていた。
私の胎内を蠢く虫に何と名前をつけようか。
立ち上がると、自分の足が消えている感覚がした。
見渡す限り、360度が逆光だ。
太陽に意味などない。
産まれる前の世界からやって来た亡霊どものように、静かすぎるその足音を立て、わたしを取り囲みに彼らがやって来る。
丘の斜面を越えて、不吉なその姿を現した。
黄色い炎に囲まれた黒いその貌が見えない。
眩しすぎる逆光のせいではない。
ひまわりたちはわたしを取り囲み、焦げた匂いと音を立てて、その輪を狭めていく。
わたしはすべてを諦めると、未来へと身を投げた。