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田中アネモネ名義

ひまわりの音

作者: 田中アネモネ

 記憶の海を流れ、辿り着いたのは、丘。

 すべての景色がモノクロームに見える空に、太陽が白く弱く光っていた。

 私の胎内を蠢く虫に何と名前をつけようか。

 立ち上がると、自分の足が消えている感覚がした。

 見渡す限り、360度が逆光だ。

 太陽に意味などない。


 産まれる前の世界からやって来た亡霊どものように、静かすぎるその足音を立て、わたしを取り囲みに彼らがやって来る。

 丘の斜面を越えて、不吉なその姿を現した。

 黄色い炎に囲まれた黒いそのかおが見えない。

 眩しすぎる逆光のせいではない。

 ひまわりたちはわたしを取り囲み、焦げた匂いと音を立てて、その輪を狭めていく。


 わたしはすべてを諦めると、未来へと身を投げた。






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― 新着の感想 ―
[良い点] 静かで美しく絵画的な景色に、希望と絶望の価値観が逆転しているような、解釈間違ってるのかもしれませんが、拝読して、それらの文字から浮かび上がる感覚だけに浮遊していられる気持ちよさがたまりませ…
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