向こう側へ
また遅れてしまいました。
正直言ってそのあとはこっちの蹂躙で終わった。
だってこっちは、物理攻撃無効。時間制限有り。状態異常持ち。広範囲攻撃。と何そのクソボスと言いたくなるような能力してんだからさ。
真面目に言うと、刀を宙に作ってぶつけて終わりだった。腐食も結構入ってたから、その影響もあるけど。
そんな感じで、今は、下水道の中を通りながら晩餐会の会場に向かっている。
ナチュラルに霧化にしてるけど、よく考えればこれって異常だよね。
化身になったと言う実感は湧いてないけど、こう言うところで私は人外なんだなぁ、って思う。
俺との関係は、二重人格みたいなもんだから、そこらへんで実感は湧かない。
「もうそろそろ着くぞ、わかってると思うがな。」
いや、多分俺は私と記憶共有していること忘れてたでしょ。
とはいえ、私がここに来るのは初めてではあるから、心配ではあるか。
下水道の切れ目から、断層の中へ入る。
他にも道はあるけど、この道が私の家から最も早く会場へ行けるルートだ。
そんなこんなで、着いたけど。
目の前には、だだっ広い空間に、自然にできたであろう柱が一本立っているだけだった。
...うん、本来ならここで本当にここが晩餐会の本拠地なのか疑うところだけど、知っちゃってるから驚きも何もないんだよね。
「どうだ!驚いt...って知ってるんだったか。」
「そうなんだよね...私も俺の考え方を理解しているから、虚しくなっちゃうんだよね...。」
ほんとに不毛なんだよなぁ。
とはいえ、数日したら慣れるとは思うけど。
「じゃあ、さっさと入っちゃうか。」
そう言いながら、私は柱を右から一回回る。そして本来の入口の方に向かい、五つ目の窪みで引き返す。
すると、柱の中に扉が現れた。
それと同時に、海の落とし子たちと我らが眷属たる食屍鬼が現れる。
私は、晩餐会のメンバーであるがゆえに部外者でもある。襲われる可能性もあったが、杞憂だったようだ。
そして、私は扉を開けた。
ーーー
「はぁ〜ぁ、疲れた。」
やっぱり、独り言っていいよね。
あっ、なんとなく自己紹介したくなったからするね。
私は稲村志保、ピッチピチの高校一年生!
好きなものは、焼き肉!
嫌いなものは、ほとんどない!
趣味は、柔道!
毎日、友達の霧島麗華に受け身の練習を付き合ってもらってんだ。
そんなこんなで、自己紹介終わりっ!
「稲村さん、いきなり敬礼して。警察でもいた?」
「なんとなく、したかったからした!」
彼は、影星幽玄。ほんとにかっこいい人。それ
に、すごく優しいの。
それに、麗ちゃんとも仲が良いらしいんだ。麗ちゃんも好きだろうから、すごく嬉しいの。
だって、あの麗ちゃんに彼氏ができるかもしれないんだよ。親友である私は、すごく嬉しい!
「じゃ、また明日!」
そう言って走りながら家に帰った。
家に帰ってから、私は、どうしたら二人をくっつけられるか考えてた。
(ベタなところだと、ジェットコースターとか、肝試しとかかなぁ。)
そういえば、この辺に使われてない廃墟があるんだよね。
思い立ったが吉日!私は、すぐに、廃墟の下見に出かけた。
運良く、お母さんにも会わなくて済んだしね!
まあ、後になって一度、運が良かったんじゃなくて、運が悪かったと思うんだけど。