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プロローグ
それは正常か、否か。
それは現実か、夢か。
ただ、本来交わることがないものの、
重なりであることは確かだ。
星は落ちた。
歪みは生まれた。
不安定なそれが。
無邪気なそれが。
残虐なそれが。
狂気としか言いようがないものたちが。
とはいえ、それらは人目につかず消えていったであろう。
苗床が人の夢でなければ。
人としての存在意義を、持っていなければ。
世界に、混沌と狂気が、溢れ出すことは、なかったであろう。
異端経典 第6章 第1節 クティルラの提言より