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第5話 ガチ転移!?

 ふう、これで会話は一段落だ。確か、次のシーンは『すまなかった』と彼が頭を下げる場面。翌日だ。

 しかし、今私がいるのは小説の世界だけど、小説おはなしではない。小説では、シーンからシーンに何時間も時が飛ぶけれど、ここでは二十四時間がきっちり流れる。当たり前といえば当たり前だけど、次のシーンまで、私はウィンとして過ごすのだ。

 憑座の力のおかげでビーズクッションのように心地よい大地に寝転び、ごわごわの毛布というか毛皮のようなものを掛け、私は視線だけで辺りを見回す。

 私を守るように座るフローラの横顔。その奥に銀髪煌めくシルヴィー。ロディとラスクは武器の手入れをしていて、セディアはまた雨を眺めている。

 みんな、いる。

 怪我で体力が落ちている身体は、緊張が緩むと、とろとろと眠気に誘われてゆく。

 手足を伸ばしてゆっくり眠るなんて、いつぶりだろう。布団がふわふわじゃないけど、そんな贅沢は言わない。

 これはきっと奇妙な夢で、眠りに落ちて起きたら、また子どもたちと仕事と家事の慌ただしい生活が始まるんだろう。さあ、この束の間の刺激的な夢と穏やかな休息に、別れを告げよう。

 そう思って、目を瞑る。ほどなく、私は深い眠りに包まれた。



 次の朝私を起こしたのは、いつもの目覚ましアラームではなく炊事の支度をする物音だった。

 事態が飲み込めないまま上体を起こすと、人影が寄ってくる。

「気分はどう?」

 書き間違えるはずもない、フローラの声。

「えっ……」

 自分の口から漏れるのは、ウィンの声。


 えっ、これガチなやつですか?

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