第五話「命懸けのゲームの準備中」
ついた。
ケントは正直逃げ出したかった。そこにあった景色は最高なのだが、おかしい。そこは工事中のビルなのだ。しかも69階。何だ。すると髪は白い団子でシワのない肌、スッキリした唇。高めの鼻。美女だがどうしてもそう思えない。魅力的だが怖い雰囲気が漂う。
「は、はじめまして」
「はじめましてでござんす。あ、喋り方が違くても気にしないでくださんせ。ゲームの説明をしましょうか。あなたは戦った事がありやせんので、命サバイバルをしてもらいますよ?」
「命懸けのゲーム?」
ケントはゴクリと唾を飲む。するとその女は二つ袋を出した。
「命守りんご」
「死なん饅頭」
「命守りんごはただのりんごに命を守る汁につけたものです。ただ、守るなので必ず死なない訳じゃないんでござんす。死なん饅頭は死なんクリームのたっぷり入った饅頭でござんす。ただ、海の窒息死だけは無理なのでご用心。一つだけあげます。」
死なん饅頭はいいなあ。だが自分で守った方がいい。
「命守りんご」
ひったくるようにりんごを取りがぶりつく。なんという甘み。チョコよりも。水分が多くまるで飲み物。
食べ終わった後ケントは不思議な力があふれる気がした。そしてケントはビルの屋上から跳び跳ねた-
おわり
こそこそ。ケントが一番好きなお菓子。
レアは口をゆっくり開けて
「チョコ」
とつぶやいた