寂しい
小学校に上がると、お医者さんに通った。
おかあさん「あの子は、どうなんでしょうか?
家じゃ、ずっと人形を抱き締めていて、
家でも、学校でも、話さないみたいだし、、
だからか上手くいっていないみたいなんですが、、」
冷たい廊下に話し声が響く。
お医者さん「おかあさん、、
娘さんと、きちんと話したりしていますか?」
おかあさん「はい、、それなりには、、」
お医者さん「お母様が亡くなられたのも
原因の一つかと思われますが、
一番は娘さんは、寂しいのかと、、
病名で診断すれば早いですが、
薬では治らないモノもあります。
今はきちんと、おかあさんが、
娘さんに寄り添ってあげて下さい。」
おかあさん「はい、、」
帰りの車でおかあさんは私に言った。
おかあさん「寂しいのは分かるけど、
話さないと分からない事もあるのよ?」
私はうなずいた。
でも、それにおかあさんは怒った。
おかあさん「それが駄目だって言ってるのよ!!」
おかあさんの鞄が私に当たる。
おかあさん「ただいま、、」
その日はおとうさんが珍しく家に居た。
おとうさん「何だって?」
おかあさん「おばあちゃんが死んだのが
原因かも知れないけど、寄り添えって、、」
おとうさん「はは、、
寄り添うって、どうすれば良いんだ。
俺は仕事で忙しいんだ。
今日だって学校から連絡があって、
急遽仕事を切り上げて来たんだ。
母親なんだからしっかりしたらどうだ。」
おかあさん「そんな事言ったって、、
あなただって、父親なんだから、
少しは可愛がってあげたらどうなの??」
おとうさん「人形をやったって、
その人形しか興味を示さないじゃないか。
何がしたいんだか、
何を考えるんだか、」
おかあさん「私だって、、
ちゃんとご飯あげてるわよ、
この子気持ち悪いのよ、、」
私はただ人形を抱き締める。
おとうさん「だからあの時おろせば良かったのに」
そう言うと、おとうさんは家を出て行った。
おかあさん「そうね、、産まなきゃ良かった」
おかあさんとおとうさんは私のせいで喧嘩をした。
クマさん、、
私。
"何で産まれてきちゃったのかな、、"
おばあちゃん、、
ご飯も、お風呂も、寝るのも、
ずっとクマさんと一緒。
学校はしばらく休みになった。
皆が風邪を引いてしまったらしい。
私はクマさんと遊ぶ。
クマさんは、風邪引かないでね
私はクマさんにマスクをしてあげた。
クマさん、、