ひとり
『、、誰か、、助けて、、』
私はあの日から、ずっと。
"一人だった"
だから、いつの頃からか、
一人で遊ぶのが当たり前だと思っていた。
友達はクマのぬいぐるみ。
名前はない。
女の子なのか、男の子なのか、、
クマのぬいぐるみはおばあちゃんから貰った。
おばあちゃんは、ある日。
ぬいぐるみの様に動かなくなった。
おばあちゃん?
おばあちゃんはいつも一緒に居てくれた。
おばあちゃん「いいかい?
嫌な事や、辛い事がこれから、
沢山。あるかもしれない。
そんな時はこの人形に
『ぎゅっと、』
抱き締めておやり?
そうすると、クマさんが
悪いのを吸いとってくれるから。」
ギュ、、
おばあちゃん、、
私はクマのぬいぐるみを
おばあちゃんに抱かせてあげた。
両親は共働きで、家にはほとんど居なかった。
何ヵ月もおばあちゃんと一緒に居たことも、
少なくはなかった。
おばあちゃんはいろいろな事を教えてくれた。
おばあちゃん、、
ギュ、、
クマさんは悪いのを吸いとってくれる。
私はおばあちゃんに布団をかけてあげた。
それから3日後におかあさんが家に来て、
おばあちゃんを見つけた。
おかあさん「おばあちゃんは?」
私は指を指す。
おかあさん「寝てる?
じゃあ、帰ろうか、」
私は首を横に振る。
その時。おかあさんが、
変な顔をしていたのを覚えている。
おかあさん「おかあさん??
帰るよ?
お、、、、」
そう。おばあちゃんは、
死んで居た。
寝てはいなかったのだ。
おばあちゃんは病気だった。
私はこうして1人になった。
家にはクマさんだけ。
クマさん、、
寂しと言う感情がまだ私には分からなく、
私はただ、クマさんをぎゅっと抱き締めた。