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プロローグ2

 俺の名前は小祝源だ。28歳、独身。

 どこにでもいる、至って普通のサラリーマンだ。

 結婚はおろか、恋人さえいない。

 安心してくれ。

 自己紹介をしたからってプロローグ1じゃない。2だ。

 むしろプロローグに自己紹介は付き物なんだぜ。


 前回登場した『』の正体はよくわかっていない。

 俺はもう怖くてこの椅子から一歩も動きたくないよ。

 とはいえ、この暗黒空間は異質だ。

 腹は減らない。トイレといった生理現象もこない。寝たい時に寝れる。

 時間は無限にあるように感じるが、俺の精神の方が心配だ。

 やはり何かしらアクションを起こさないと俺の物語は始まらないのか……。

 考えろ。考えるんだ。

 椅子から動かずに出来ることは……ある!

 なんだ、簡単なことじゃないか。

 自分語りだ!


 さて、第三者の諸君。

 君たちには、これだけは誰にも負けないっていうものはあるかい?

 俺はあるね! それは努力だ!

 厳密にいうと、勇者としての努力といったところだな。

 大丈夫大丈夫、わかってる。

 俺も自分で何をいってるか、ちょっとよく分からない。

 こういうのは順序よく説明するのがセオリーだよな。


 生前の話になる。

 自分の部屋で某RPGゲームをしていたんだ。

 俺は過酷な難題を自分に与え、それを見事達成した。

 始まりの村周辺の、初期中の初期の雑魚モンスターでレベルを99まで上げるという難題だった。

 1億匹は倒したな。いや、2億匹は倒したかもしれない。うん、2億にしておこう。

 宿には泊まらずだ!

 世界で初ともいえるその偉業を達成した時、ふと思ったんだ。


 ゲームの中とはいえ、1日で2億匹倒したことになるんだ。

 始まりの村周辺には、それだけあの青い塊のモンスターはいたことになる。

 もし俺が倒さないで、そのまま村に向かって行ったらどうなるんだろうなって考えたんだ。

 武器屋と防具屋の親父は強そうだったからレベル8はあるだろう。

 けど2人じゃ1ターンに倒せても2匹だけだ。

 初期中の初期の雑魚モンスターだったとしても、残りの1億9999万9998匹が押し寄せてくるんだ。

 とてもじゃないが親父たちじゃ耐え切れない。

 そこで俺は言うんだ。

 超高レベルの俺が、石になって3ターンだけ耐えてやるから後はどうにかしろ。ってね。


 な? 勇者らしいだろ。

 もはや勇者と言っても過言ではない。


『こうして物語はプロローグ3へ続くのであった』


 あっ! 『』また出やがったな!

 お前は一体なんなんだ!

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