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「見えてきたわよ。」
アレから三日間馬車に揺られながら旅をしたがまあ魔術のおかげで快適に過ごせたね。
「おお、うちの王都より大きい!」
「あれがホクート王国の王都マケンよ。」
「あれ?うちの王都の名前ってなんだっけ?」
「もう、まあけど教えてないまま公爵になっちゃったしね。我が家の王都はフローラルよ。」
「しかしアレンには帰ったらお勉強もきちんとやって貰いますからね。私達が住う公都はワスレナグサですからそれも覚えておいてくださいね。」
「花の名前なのね。了解覚えた。」
「花の名前?どういう意味ですか?」
「召喚者の本に書いてあったよ。立派な絵付きでね。」
言うまでもなく召喚者の遺物の図鑑らしきものが王宮の書庫にあったため違和感なく答えられたのだ。日本語で書いて無ければワスレナグサの名前なんて知る由もない。
「召喚者ですか。なるほど今まで由来がわかっていなかったのですが花の名前。その図鑑の名前は覚えていますか?」
「花言葉と花の大全集とかいう名前だった気がするなあ。」
「あーアレンの身体が幼い時に寝る前に読んでってせがまれたアレね。」
「そうそれ。」
絵本とかよりもそっちの方が良い暇つぶしになると思ったので読んで貰ったのだが中々面白かったのは覚えてる。
「なら大丈夫よミーシェルちゃん場所もちゃんと覚えているから。」
「そうですか助かります。」
「いいわ。歴史の由来は後世に残すべき遺産ですもの調べて伝えなくては町の名前に誇りが保ちづらくなると困るしね。」
「ありがとうお義母さん。」
「あ、やっと言ってくれた。ありがとうミーシェルちゃん。」
ミーシェルは顔を赤くして恥ずかしそうに髪の毛で顔を隠していた。
「ミーシェルが可愛い。」
「アレン、このタイミングでそんなこと言わないでください。」
「だって可愛いものは可愛いんだもん。」
そうやってミーシェルをからかっていると視界が反転する。
「アレン、私にも。」
「おう、ラピスも可愛いぞ。」
「うん。」
「アレンは大変ね、お嫁さんが2人もいて。」
「父上よりはまだ良い方じゃない?」
「あの人は世間体から5人もいるけどアレンは2人でも精一杯だしミーシェルのお父さんみたいに1人だけというのがよかったのかもしれないけど。」
「まあ、私の父は他の貴族から見ても異常な部類でしたし。それにアレンにはラピスも私も公爵として生きていくにはどちらかが欠けてもダメだと思います。」
「それもそうねミーシェルちゃんがムチならラピスちゃんはアメそんな感じだものね。さ、みんなそろそろ降りる準備をしなさい。検問所に着くわよ。」




