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「今から教えるのは【ミニミニミニミニミニヒール】っていう魔術で詠唱は【かの者に 一筋の 柔らかな 安らぎを ミニミニミニミニミニヒール】。擦り傷なんかを治せるけど有効範囲が針の穴を塞ぐくらいの非常に小さい魔術だ。」


「ああ、確か召喚者様が考案された魔術ですね。」


「そう、斉藤さんが作った魔術で消費魔力が1なのもいいところだし。」


「そうですね。ラピスにもちょうどいい魔術のように思われますし、試す価値はあるかと。ただ針を刺すくらいの傷しか癒せないのですか。ふむ……何か花の入った植木鉢を持ってこさせましょう。植物に針で傷をつければ大丈夫でしょう。」


メイドにチラリと目配せをし花の入った植木鉢を持ってくるように促す。


「ああそれがいいと思う。」


「早く持ってきて。」


「はいただいま持って参ります。」


メイドは勇み足で部屋から出ていく。


「ラピスはそんなに魔法が使いたいの?」


「うん。もっといろんなことで遊びたい。」


言ってみたいそのセリフ。そんなセリフを言ったのは何年前のことだろうか。たしか小学2年生当たりの生活の授業でそんなことを言った気がする。あの時はカエルを虐めてて先生に怒られたんだっけか。生き物のことをもっと知って遊びたい(解剖したい)。って思ってたんだ。いやあ純粋って怖いね。


「遊ぶのはいいけれど必ず俺かミーシェルには一度聞いてから行うようにな。」


「なんで?」


「それはな。まだラピスが正しさを理解しきれてないから……いや、この国の道徳を学んでいないからだな。」


「道徳?」


「道徳ってのは人々が、善悪をわきまえて正しい行為をなすために、守り従わねばならない規範の総体のことでこの国だと国王陛下のことで外面的・物理的強制を伴う法律とは違って、自発的に正しい行為へと促す内面的原理として働くことを言うんだ。」


「難しい。」


「うーん、簡単に言えば善悪のことなのですがそれは国によって違います。おそらくアレンはそのことを踏まえてラピスに話したかったのでしょう。例えば食事をする際私たちはフォークとナイフそしてスプーンを使って食事をしていますがそれが良くない民族もあります。それと同じようにこの国の正しさは他の国では正しくないかもしれない。そのことをアレンは伝えたかったのでしょう。」


ウインクして俺に答えの是非を求めるミーシェルに少し感動した。


「さすがミーシェル、俺より説明が上手いな。」


「お褒めにあずかり光栄です旦那様。ラピスもわかりましたか?」


「うんなんとなく。」


ラピスは少しプスーっとしながらも理解したのかコクリと頷いた。


「じゃあちゃんと俺かミーシェルに聞くんだぞ。」


「はーい。」


そうして楽しい食事の時間は過ぎていった。

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