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「やりすぎ?」
俺はあの後こっそり変身を解き、この広場に戻っていた。その間にラピスは騎士を呼び事情を説明。この領の反社会勢力の人間たちはお縄に捕まっていった。
ラピスは首をフルフルと振るとこちらに歩み寄ってきた。
「?」
ブチュー
表現は間違っていない。フレンチ・キスというよりかはディープ・キスよりのチッスである。彼女なりの愛情表現なのかプリンを食べさせ会った時と同じくらい顔が真っ赤である。
「いやはや公爵様も隅に置けませんな。抜け出すのは構いませんがミーシェル様が怒っておりましたよ。」
騎士がこのこのーっとおませてるんだからという感じでからんできたので秘蔵のコレクションを取り出すことにした。
「ふむふむ公爵近衛騎士長君。奥さんに隠れて娼館に行こうとした写真がここにあるのだが今から渡しに行ってもいいかね。」
「大変失礼いたしました公爵様。仕立て人からの話によれば公爵様の採寸が済み次第出来上がるよう準備したとのことです。こちらは私共にお任せください。殿下は馬車を回しておりますのでそちらから屋敷にお戻りを。」
サラッと自分の態度を正す近衛騎士長。ノリがいいね。冷や汗は止まってないようだけど。奥さんよっぽど怖いんだろうな。そう思うくらいには冷や汗がそれはもう滝のようにダラダラと流れていた。
「わかった。この写真はまだ私が持っていることにするよ。」
「ありがたき幸せ。私目は主君に恵まれたようです。(マジでお願いします。そんなことしたら家に入れてくれなくなるんです。家内が怒ったら殺されるか家に入れてくれないかの二択なんですから。)」
「なーに、この写真は偶々手に入れたものでね。夜の散歩はするものだね。(そんなことするなら初めからするな。俺はいつどこでお前を見ているかわからないぞ。)」
「そうですな。(というか私だけですか?)」
「ああ、あと隠密の彼のレアものもあるけど見るかい。(いんや、全員の恥ずかしい物コレクションくらいは作っていて当然じゃないか。俺はサボり王子と呼ばれた男だぞ。買収する手段はいくらでもある。)」
「え?(うわあ、マジの眼してるよ。この人本当に恐怖政治の達人じゃね。前の公爵様とはえらい違いだな。)」
この人本当に何やってるんだろうという目で近衛騎士長は見てきた。
「いらないのなら私はおとなしく馬車に戻ることにするよ。(じゃあもう行くなよ)」
「ハッ!(ハッ!)」
近衛騎士長はとりあえず敬礼をするのだった。この主君の恐ろしさを身に沁みながら。




