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やっと書類仕事が終わった。


基本各村や町だけで成り立つとはいえそれをミス無く纏めるには莫大な時間がかかっちまう。朝からやってるのにもう日が暮れそうだ。


「ねえ、明日もあるの?」


「いえ王子の仕事のペースがとても早かったので明日はこれの三分の一ですみます。なにぶんアルティマさんが協力的に仕分けをしてくれたおかげで普通の領主のやる仕事の二分の位置にまで減らしてくれておりますし王子のペースも大分早い方で1月で終わらせる仕事を二日そこらで行なっております。」


そんな仕事やらせてたのかよ!!はぁ他にもやりたいことあったのにな。


「はあ、じゃあ今日は後はもうご飯食べて寝るだけ?」


「ええ、そうです。ご飯を食べて寝るだけですが本日から初夜があることをお忘れなさらず。」


うん、なんか嫌になってくるね。家庭を気づいたことはなかったけど愛のない家庭は辛いね。離婚という言葉が現代で当たり前になった理由がわかった気がする。


俺は執務室の外へ出て食堂を目指す。当然皆も付いてくる。この屋敷にはミーシェルの息がかかった者とデーヴァ伯爵から雇った者しか居ないため屋敷の大きさと比べて使用人の数が極端に少なく女性も多い。そのためいちいち伝令を呼ぶのも躊躇われるので自分で歩いているのだ。


「顔に出ていますが大丈夫です。天井でも眺めていれば余裕で時間は過ぎます。」


「うん、俺は布団に入ったら寝ちゃうかもしれないからヨロシクね。」


「それは構いませんがもう少し使用人の数を増やしますか?彼らの為を思うと少数精鋭過ぎて過労死してしまうか心配でして。」


「うーん考えておくけど今は公共工事の方が優先だし雪が降る前には終わらせておきたいからそっちに優先的に金を使うだろうからなあ。」


「そうですか、ではここは私のポケットマネーから算出いたしましょう。」


「それは悪いよ。」


「いえアーレギオン、アレン本人がポケットマネーで事業をしているのに私が出さないのは悪妻に見えましてよ。」


そう言ってかるくウインクするミーシェル。うげ、バレてたのかよ。


「と言ってもただの趣味だよ。」


「ご謙遜なさら無くてもいいのに、各村や町に旅芸人や吟遊詩人を雇い入れ回らせるとは粋なことをしますわ。」


何も村の娯楽のために雇い入れたのではない。そういうのには興味もあるし自分も仕事をサボるときに一緒に見ようと思っただけである。最近は監視が多いせいで仕事をサボることができないのが悩みにタネだがな。


「別に粋でもなんでもない。仕事をするには何らかの楽しみを持たないとやってられないだけだ。各村なんかに回らせるのはモノのついでだ。」


「けれども領内を回らせるに当たって全公演の代金は全てアレンが持っていますがこの領都だけなら寸志で済んだではないのですか?」


アルティマさんが痛いところ突いてくる


「俺は金なんか持ってても意味がない。使う趣味が無いだけさ。」


ぶっきらぼうにそう言うとミーシェル、アルティマ、エリーナは顔を見合わせてクスリと笑っていた。


「何がおかしいんだよ。」


「「「お気になさらず。」」」


珍しく子どもらしいところが見れたとは誰も言わない。どんなに身体が成長しようと精神が成長しようと子どもで居たいという気持ちを見抜かれたような気分になった。


俺は恥ずかしくなりズカズカと廊下を歩くことで気を紛らわせるのであった。

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